<9>魔王幹部が現れた!
悲鳴と共に爆煙が舞い上がる。
「「「っ?!これはっ!」」」
「お嬢様方はここにっ!」
ルシアは、セリーと過去のルシアをその場に残して爆煙の方へと走り出そうとしていた。だが二人は
「いえ!」「いいえ!」
「「私も参りますっ!!」」
「真似をしないでくださる?セリー・マルス!ここで怯えているといいわっ!」
「あら、それはルミナス様ではありませんこと?」
二人は相変わらず言い争っていた。そんな二人を気にしつつもルシアは走り出す。
「「あっ!?」」
慌てて二人もルシアの後を追う。爆煙が上がる町の西側にたどり着くとそこは血で濡れていた。炎は町を飲む。魔族達が人々を食らっていた。ルシアは魔法であ雨を降らせ、火を消す。ルシアは魔族へ蹴りを入れ、殴り飛ばす。魔族達はルシアの魔法で破裂していく。どんどんと倒していくが、粉塵の向こうから一筋のひかりがルシアへと向かってきた。ルシアはそれを避ける。光は後方の建物に当たり爆煙を上げた。そして、舞い上がっていた粉塵の中からソレは現れた。
「ふっ、来たか!」
「!貴方は……?」
粉塵舞い散る雨の中、一人の魔族が現れた。
「貴様がルシアか!?」
「だと言ったら何?」
「俺は魔王様直々の幹部デモ!魔王様の命によりルシアを捕まえに来た!!貴様を捕縛するっ!!」
魔族が魔法でルシアを捕縛する。光の縄がルシアを縛り上げる。
「ふんっ!口程にもなっ…!?」
「後ろでしてよ?」
いつの間にか魔族の後ろにルシアは回っていた。ルシアの魔法の光が魔族の心臓を貫く。だが、
「っ!」
魔族はルシアの首をひっつかむ。魔族の傷口はだんだんと元に戻っていく。徐々にしまっていく首にルシアは苦しくなっていく。
そんな魔族の手を光が射ぬいた。
「なっ!?」
「ゲホッ…」
ルシアの苦難は続く……