<53>貴方に出会わなければ……
「魔王!決着をつけに来た!!」
「ルシア、待っていた!!」
王座に腰かける魔王は立ち上がる。
「む?邪魔なハエまでついてきておるではないか?」
ルシア以外にルチア、リト、ナディ、リルム、過去のルシア、セリー、マリアがついて来ている事に魔王は怪訝な顔をした。そして、
「スピア、ルビー、貴様ら裏切ったのだな。」
「おいら、ルシアの味方になった方が楽しそうだなぁて、思って!」
「オ、レもう、人間、襲いたく、ない。」
魔王はスピアとルビーを睨みつけた。
「まあ、良い、だが、何故一人で来なかった?ルシア!」
「今世の私一人では貴方に勝てない!でも、仲間がいれば勝てるわっ!」
「ほう、良かろう!その仲間の力と言うもの、見せて貰おうではないか!!」
魔王が玉座より立ち上がる。そして、黒い光が飛んでくる。ルシアはそれを片手ではね除けた。部屋を貫通し、遠くへと飛んでいったそれは空で大爆発をする。ルシアも負けじと魔王に蹴りを入れる。だが、受け止められ、過去のルシアとセリーも加わって蹴りを入れる。そして、三人が避けてから他のメンバーは魔法で魔王を攻撃した。
「効かん!!」
魔王は魔法をはね除ける。だが、魔法をはね除けた腕は痙攣し、少し抉れていた。
「なるほど、面白い!!」
魔王の魔法が皆へと向かっていく。ルシアはそれを蹴り上げて上空で爆発させる。
そして、城の天井は空を写し出していた。皆が一斉に氷の魔法を繰り出し魔王を凍らせようとするだが、魔王の炎の魔法で逆に辺り一面炎に包まれた。ルシアが雨を魔法で降らせる。だが、火はなかなか消えない。そこに魔王が氷の魔法を使う。皆はバリアーを張ってそれをガードするが、雨が凍り、バリアーを突き破ってくる。ここで皆一斉に炎の魔法で魔王を焼いた。
「ぐっ!?」
その魔法の勢いに魔王は焼けただれるが、すぐに回復していく。
セリーが魔王へと光の魔法を浴びせる。魔王の体は少しだけ蒸発した。
「やるなっ!小娘!!」
そして、過去のルシアが光の刃を魔王へと浴びせる。魔王は徐々に弱っていく。だが、回復していく。そこにルシアが魔王の首を刈る。そっと、ルシアが避けると全員で光を魔王へと浴びせた。
「ぐぁあああああああっ!!??」
魔王はそうして消滅していく。
転がった首はが話す。
「お前に出会わなければ……」
お前に出会わなければ、我は最強でいれたのに……。
雌雄は決した。ルシア達は勝ったのだ。そして、雨が止み、晴れ間が差し込む。この世界に平和が訪れた。空には虹がかかっていた。
ルシアの苦難は続く……




