<40>リルムと共に
スピアの魔法によって貫かれたリルムはぼろ雑巾の様に投げ捨てられる。辺りはリルムの血で染まる。ルシアはリルムに駆け寄るとすぐに治癒魔法をかけた。
「ルシア、すみません。」
「いえ、大丈夫です!」
二人はスピアの方を見やる。
「二対一とか卑怯じゃなイ?」
「セリーを返して!!」
ルシアの蹴りがスピアへと入る。だが、スピアはバリアーを張っていた。
「そのセリーちゃんも美味しかったよぉ?もうちょい呑んだら死ぬけどぉ。」
リルムの氷の魔法がスピアを凍らせる。そこにルシアの蹴りが入り、スピアはバラバラに砕けてしまう。だが、砕けた血肉は再び再生していく。そこにリルムが魔法でスピアが再生する前に焼こうとする。だが、スピアの腕がリルムの後方から飛んでくる。リルムは避けるが魔法がうまく発動しなかった。ルシアも魔法でスピアを焼こうと光を浴びせるが、再生していく。ルシアは魔法でスピアの体を爆発させる。
「に、してもひどいなぁ?二人共?おいら達学友じゃん?」
気が付くと再生したスピアの首が飛んでいた。
ルシアはそれを魔法で封じた。
「ぐあっ?!ナニこれ?!」
「魔封じの魔法よ!これで貴方は魔法を使えないわ!」
「ルシア、さすがですね!さすが私の妻です!」
リルムが横から誉めるのでルシアは赤面してあわあわとしていた。
「つ、妻?!いつの間に?!」
「未来の妻です。」
ニコニコと笑うリルムに対して、ただただルシアは恥ずかしくて赤面するばかりだった。
「そ、それより!セリーは?!無事なの?!」
ルシアの質問に魔法が使えず拘束されたスピアは答える。
「寮の部屋だぉ?生きてるしぃ。」
「そう、内部から魔族を手引きしてたのも、貴方ね!」
しかし、スピアはキョトンとした顔で不思議そうな顔をした。
「手引き??おいらじゃないゼェ?」
「え?でも、貴方、魔族で…」
どういう事?ルシアはスピアが内部から手引きして魔族が学園内へ奇襲を仕掛けてきたとばかり思っていた。だが、違うようだった。
「幹部でしょ?」
「そうだけど?おいらが魔王から命令されたのは生徒を減らしておけって事ぐらい?おいらだって、食事ができなくなるのは困るわけでぇ、無差別に殺すとかはしたくないんだけどぉ。命令でちょっとだけしたわけ!」
「っ!」
ルシアは怒りを覚えた。そして、スピアを蹴り飛ばす。
「ふざけないで!」
「いってぇ」
「ルシア、落ち着いてください。」
憤慨するルシアにリルムも少し驚いていた。
「うーん、おいら以外に幹部がいるかなぁ。」
「いるのね?」
「あんまり喋るとおいらが殺されるので、それぐらいしか言えないよぉ?」
「……。」
「あと、おいらを仲間にしてくれない?」
「は?」
ルシアは目の前のモノがナニを言っているのか一瞬理解出来なかった。
「おいら、あんたの事気に入ったわけ!で、血が欲しいからさっ!ね?お願い?」
「ルシア」
リルムは笑ただただ顔だった。
「………わかったわ!」
「?!」
リルムはルシアがどうしてそう答えるのかわからなかった。
「もう、こんな事しないわよね?」
「しない、しない。君から血は貰うしぃ。」
「ルシア、浮気ですか?」
「あ、いえ、そうではなく、もう一人の魔族を誘き出す為にスピアには協力して貰おうかと……。」
そう、最後の裏攻略キャラがまだ残っていたのだ。もしかするとその裏攻略キャラが最後の幹部かも知れない。そして、その裏攻略キャラの登場条件は全攻略キャラ攻略後であり、ここでスピアが死んでしまえば、条件を満たせないのだ。ルシアは怒るリルムを宥めながらセリー達を救い出した。
それにしてもどうやってセリーに攻略して貰おう??
ルシアの悩みは絶えないのであった。
ルシアの苦難は続く……。




