<39>墓場のデート
「宰相。」
「リルム様、いかがされましたか?」
教室にてリルムはルシアを探していた。
「ルシア知らない?」
「いえ、知りませんな。」
リルムは過去のルシアを見つけると過去のルシアの方へと向かっていった。
「ルシア・ルミナス嬢、君じゃないほうのルシアを知りませんか?」
「ルシアなら、忘れ物を取りにいったセリーを寮まで迎えにいったと思いますわ。」
「そう、ありがとう。」
リルムはルシアを探しに寮まで行くことにした。
「宰相、女子寮には入れないのですが、入る方法を知りませんか?」
「ふむ、そうですなぁ……あ!」
「何かいい方法が?」
「リルム様、最近男装なのですね。」
「?ああ、ルシアに男性として意識をしてほしくて男装しています。それが何か?」
「いつものリルム様のお姿なら恐らく……」
「なるほど、さすがは宰相!」
★★★★★★★★
女装したリルムは女子寮へと入っていく。だが、人気は全く感じられない。おかしい…ルシアはどこに……。
「あ!」
リルムはルシアの痕跡を追う事にした。まず、ルシアの部屋へと行くとルシアの普段身に付けているものを探す。机の上の使用済みカップを手で触れる。それを媒体としてルシアの魔力を追っていく。女子寮から出たリルムは宰相と合流した。
「いかがでしたか?リルム様。」
「ルシアの痕跡を追っています。宰相、私はルシアの為に午後の授業をサボります。後は頼みます。」
「は、はい!」
あの自分の意見を持たず、自分の意見に従っていた王子とは思えない程成長したリルムに宰相は少し涙ぐんだ。
★★★★★★★★★★
「おは★」
ルシアが眼を覚ますとそこは墓場だった。
「な、何故こんな所に……いっ」
ルシアは魔法封じの縄で縛られていた。
「ねぇ、オネエサン、ルシアだよね?」
「だったら、きゃっ?!」
ルシアはスピアに押し倒される。スピアはそのままルシアの首筋に歯を立てた。
「デートだよ★」
「ああっ?!」
「痛い?」
ルシアは肉に食い込んでくる牙の痛みに悶えた苦しむ。
「じゃあ、気持ち良くしてあげるね?」
スピアのどんどんと奥に食い込んでいた牙は、肉から抜かれる。そして、舌で傷口を啜られていく。
「あぁ」
「気持ちぃでしょ?」
はしたない声を上げるルシアは、ニタリと笑うスピアの顔を見て赤面した。スピアは快楽をルシアに与え続ける。
「じっとしててくれれば痛い事しないヨォ?」
「放してっ!いやっ!」
「嫌そうには見えないけどォ?」
そしてスピアの顔がルシアへと迫る。スピアの唇がルシアの唇へと近づく。
「いやっ!」
ズサッ、
音と共にスピアの首は転がっていく。
「アレレェ?」
スピアの生首は不思議そうな顔をして瞬きしている。
「ルシア。浮気ですか?」
「へ?!リルム様?!」
そこには笑顔のリルムがいた。スピアは転がった自分の首を追いかけて捕まえると、もう一度体につける。
「ルシアを誘惑しないでください。」
「はぁ、あんた、男かヨ。萎えるゥゥウ。良いところだったのに!」
「ルシアは私の婚約者です。」
笑顔のリルム、だが眼は笑っていない。本気で怒っているようだ。
「いつの間に?!私、婚約した覚えないのですが?!」
スピアの爪が伸びたと思うといきなりリルムの方へ飛んで来てその首を掻っ切る。
否、リルムはバリアーでそれを止めていた。
「不意打ちですか?」
笑顔で首を可愛らしく傾けるリルムだが、魔法の矢でスピアの体を貫く。
「宰相がいっておりました。不意打ちをする輩は卑怯モノだと。」
そう言ってリルムの光の魔法がスピアに直撃し、スピアは焼かれるが、スピアは爪でそれを掻ききる。
ルシアは何とか縄を切ろうとごそごそと墓場の石に縄をかけている。
二人の戦いは物凄いスピードで進行していた。リルムもスピアも一歩も引かない。
ルシアの縄が切れた時、スピアの魔法の光がリルムを貫いた。
ルシアの苦難は続く……。
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