<37>狙われたセリー
セリーは寮の部屋に置き忘れた筆箱を取りに戻っていた。
「早く戻らないと、遅れますわ。」
セリーが寮からでた時、突然後ろからナニかを嗅がされる。
「うっ……」
セリーの意識はそこで途絶えた。
★★★★★★★★★
「セリー!!」
寮のセリーの部屋へとたどり着いたルシアだが、セリーはそこにはいなかった。ルシアは心辺りがあった。セリーが殺される前に彼に会いにいかなければならない。この乙女ゲームは人間だけが攻略対象ではない。魔族も攻略対象なのだ。
きっと、彼だわっ!
ルシアが思い当たったのはスピア・ルフトである。優しくて真面目な生徒会長だ。
しかし、その正体は吸血鬼。普段は真面目だが、主人公のまえではその残忍な本性を見せると、いう設定だったはずだ。
……………………………………………まぞ、く?
魔族による襲撃は内部犯による手引きによる可能性がある。更に、魔王はこの世界の魔族を配下とし、幹部とした。そして、スピアは学園内部にいる魔族であり、この世界での強力な力の持ち主……。
「セリーが危ない!」
何故もっと早く気が付かなかったのか?!このままではセリーが殺されてしまう!!
ゲームのルート次第ではDEAD ENDもあり得る。更に状況が悪い!DEAD ENDになる条件を満たしているのだ。その条件は自分が拐われる事。そして、今、魔王の幹部だとすれば人間を無差別に襲っているのも説明がつく。魔王がそれを命令した可能性があるという事だ。
本来、スピアは女子生徒を殺したりはしない。血を少し奪い、女子生徒を解放していた。だが、今は戻って来た生徒はいない。魔王の命令によって、人間を殺す事を強制されている可能性がある。
ルシアは魔法でセリーの痕跡を追う。
「セリー!無事いて!!」
ルシアの苦難は続く……。




