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<28>主人公の恋を応援します。レベル3リルム・クリムルート



魔王襲撃から数日、魔法学園の生徒は著しく減っていた。


「ルシア様、セリー……」



二人は瀕死の状態となっていた。魔王が転生してきたせいでこの世界は元あったストーリーとは明らかに異なった状態となっていた。ルシアの看病により一命を取り留めるもルシアとセリーの容態は悪かった。それでも学園の復興は着々と進んでいた。



ルシアは考える。魔王デュークの狙いはルシアである。ルシアはここに居るべきでないのではないかと思うようになった。これ以上大切な人達を危険に晒すわけにはいかないと、考えているといつもの中庭のベンチへとたどり着いた。



中庭は半壊しているがベンチはそこにまだ、あった。ルシアはベンチに座る。魔王の襲撃により学園生活どころではなくなってしまっていた。


「はぁ…。」


「深いため息ですわね。」


「っ!」


そこにいたのはフリルに身を包む美しい少女、否、五人の攻略対象の一人のリルム・クリムであった。


「この有り様では仕方ないでしょう。リルム様。」


そして更に宰相のスルド・アルスが出てきた。

リルム・クリムは他国の女装男子の王子である。別名宰相のお人形王子。宰相の言う事に従う傀儡なのだ。


「そうなの?スルド?」


「ええ、そうですよ。今この国は壊滅的危機に瀕しているのです。」


「まあ、大変ですのね。」


まるで他人事、いや、この二人は隣国の王子と宰相なのでそれも仕方ないのかも知れないが、魔王の魔の手は隣国にも及んでいる筈である。この言い方はおかしい。


「リルム様、そろそろ。」


「ええ、ではまた、ごきげんよう。」


「ごきげんよう。」


………………………………………………あれ?


「待って!!」


「はい?」


確か、確かである。リルム・クリムは回復魔法を得意としていた筈である。


「医務室の皆を回復するのを手伝ってほしいのですが!!」


「?宰相?それは午後の食事とどちらが重要なのですか?」


「午後のお食事です。リルム様。」


「なっ?!」


この宰相、食えないわねぇっ!


リルムは納得したようにでは、ごきげんようとさっていこうとする。


「待って!人の命がかかっているのよっ!!?」


「?宰相?それは午後の食事とどちらが重要ですか?」


「お食事に他なりません。」


こいつっ!


ルシアは怒りに震えていた。そして、痺れをきらしたルシアはリルムの手を掴むと半ば強引に引っ張っていく。


「?!」


「リルム様!!」


「来てっ!!」


そして、医務室までルシアは引っ張っていった。宰相が後を追う。


「ここにいる人達の治療をしてほしいの!」


「?」


「リルム様!ご無事ですか?!無礼な女だ!」

宰相はルシアを睨み付け、罰すると言い、リルムに食事を取りにいこうという。


「リルム様!もし貴方の大切な人が死にそうなら貴方はどうする

?!」


「……大切な人。」


リルムはよくわからないような顔をしていたが宰相の方を見る。


「宰相これは…」


「宰相は関係ないっ!貴方ならどうする?!」


「宰相に聞きますわ。」


「貴方の意見を聞いているの!!もし、宰相が瀕死ならどうする?!」


「……宰相が、」


「リルム様!惑わされてはいけません!!」


「……助けます。」


「ならっ!ここにいる人達を助けて!皆、誰かの大切な人なの!!」


「……はい。わかりました。」


そう言うとリルムは治癒魔法を使い始めた。ルシアも周りの人達を治療する。


もちろん、教員や医務室の先生も治療している。


その日、リルムの手伝いもあり、医務室の皆が回復した。


★★★★★★


「ありがとう、リルム様。」


「いえ、…」


その言葉はリルムの心にゆっくりと染み込んだ。


「あり、がとう……?」


ルシアが医務室から去ると宰相がリルムに駆け寄った。


「さあ、いきましょう。王子。」


「宰相、何故お礼を言われたのですか?」


「リルム様が皆を助けたからです。」


「…………」


ルシアの苦難は続く…。


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