<24>本当の光
「え?ナディ?」
「はい!ルチア様!」
「ナディなら寮の部屋じゃないかな?今日は教室で見てないけど…」
「はいっ!ありがとうございます!」
「君から話しかけてくれるなんてうれしいよ。ルシア・テレスさん。」
「いえ、では、急いでおりますので、失礼しますわっ!」
ルチアからナディの居場所を聞いたルシアはそそくさと駆け出した。
セリー!どうか無事でいて!!
ルシアは一生懸命にナディの部屋へと走る。過去のルシアはルシアと手分けしてセリーを探して、別の場所を探していた。
★★★★★★★★★
「セリー・マルス。好きだよ。」
「私は好きではありませんわっ!」
囚われていてもセリーは強気だった。ゲームの設定とは異なる性格のセリー、ルシアのおかげで強気になってしまった。だが、そんなセリーを見てナディは少し嫌悪を感じた。
「どうして、ボクのモノになってくれないの?」
だんだんと苛立ってきているようで置いてあった、椅子を蹴り飛ばす。椅子はセリーの脚に当たって倒れる。
「いっ」
「ほら?誰も来ないんだよ?二人っきりなんだから?もう、」
セリーに凄むナディは何処か狂気を秘めていた。
「ボクのモノになりなよ?」
そう言ってセリーを無理やり掴むとそのまま唇を近づけてくる。セリーにキスをしようと顔を近づけてきた。ナディの唇がセリーの唇に付くかと思った時、
「セリー!!」
部屋の扉が勢い良く吹き飛ばされた。
「助けに来たわ!!」
それはまるで奇跡のような瞬間だった。ナディは部屋に差す光と共に部屋に突入してくるソレを見た。部屋の外の光がキラキラと瞬きながら彼女を照らす。そして、扉の破片が飛び散っている。
「ひか、り?」
「ルシア様!!」
ルシアはナディに近づいてくる。
「ひっ!く、来るなっ!この女がどうなっても!」
ナディの言葉など届かず、ルシアはセリーの縄を解く。
「ルシア様!」
セリーはルシアに抱き付いてきた。セリーはルシアの腕の中で安堵しているようだった。セリーが落ち付くとそっと離れる。そして、ナディの方を見た。
「ひっ!ご、ごめっ…」
ナディは扉を蹴破ってきたルシアに恐怖を感じていた。ルシアの手がナディに迫る。
「ひっ?!」
だが、その手はナディを傷付けるものではなかった。
「?!?!」
ルシアの手はナディを抱きしめていた。
「独りじゃないよ。私がいるから。大丈夫。」
ゲームをクリアしていたルシアにはナディがどうしてこんな事をしたのかわかっていた。ナディは独り部屋に籠っている事が多く、病弱で外に出ることもままならなかった。そんなナディは孤独を感じていたのだ。ナディの背中を優しく擦るルシアの手は温かかった。
ナディはその温かみに涙した。
「うっ。ううっ。ごめんなさい。ボク、本当に、寂しくて、…ごめっ」
「うん、大丈夫!もう独りじゃないよ。私達がいるもの!皆友達よ!」
「テレス!セリーはいたの?!」
過去のルシアが部屋へと駆け込んでくる。
過去のルシアは走るルシアを見て追いかけてきたのである。
「ええ!」
「とも、だち?」
「うん!」
「……、ルシア様がそうおっしゃるなら許す他ないじゃないですか!」
セリーは不満げにそう言いながらこちらを見ている。
「セリーごめん!」
「いえ、彼は私に何もしておりませんので構いませんよ。」
「ありがとう!」
ナディは眩しい光を見た。ルシアと言う光を。
本当の光が見えたんだ………。
ルシアの苦難は続く…




