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23/55

<23>主人公が拐われました。



「んんー!!んー!」


セリーの口にはガムテープが貼られており、発言は封じられていた。セリーは魔法封じの縄で縛れている為、逃げ出す事もできない。今回の犯人がセリーのガムテープを剥がす。

「んっ、どうしてこんなことを?!」


セリーが犯人の方を睨み付ける。


「ナディ様!!」


★★★★★★★★


「ルシア様!!」


「?テレス?」


「ルシア様!セリーを知りませんか?!」


「いえ、私は知らないわよ?一緒にいたんじゃなかったの?」


「それが……」


★★★★★★★


セリーはどうやら拐われたようだった。ルシアはセリーのハンカチを握り絞める。ルシア・ルミナスと話しあう。


「魔族の仕業かしら?」


「わからないわ。ならどうして、この前のように破壊行動をしなかったのかしら?」


ルミナスの質問はもっともだった。これまで魔族が現れる時は必ず破壊行動が伴っていた。


「……セリーに最近変わった事は

?」


「………あっ」


「何?何かあるの?テレス?!」


ルシアは一つ、思い当たる事がある。


★★★★★★★★★


「ふふふ、セリー・マルス。やっと話す事が出来たね。」


「ナディ様!どうして、私を!」


ナディはセリーを前に高揚していた。


「ずっと君を見ていたんだ……ふふっ」


「っ?!最近の視線は貴方だったのね!?」


「ふふっ、気づいてくれていたんだね。うれしいよ。」


ナディはソファに老いてあるぬいぐるみを手に取る。


「ずっと、ずっと、君を見てたんだ。」

ぬいぐるみを手で撫でながら、犯行動機を話し出した。


「この間初めて食堂で見た時、僕は君に一目惚れしたんだよ?光を纏った蹴り、…あれ、凄いよね?ふふふっ。」


ナディはうさぎのぬいぐるみを抱き上げながら回転する。


「君を初めて見たとき、病弱で暗い部屋しか知らなかった僕、僕、僕の暗闇に光が差し込んだんだ!」


「?病弱?」

ナディはそのまま、セリーの方がへと向かってくる。

「うん、体の調子がいい日は外に出れるけど、ほとんど部屋から出れなくてね。でも、ふふっ。君を一目見てあの光に魅せられたんだ。」

そう言ってセリーの顎に手を当て、顔を上げさせる。


「僕の女神……、ふふっ。ここでずっと一緒にいようね?」


「お断りですわっ!私にはルシア様がいらっしゃいます!貴方など眼中に入りません!!」


それを聞いたナディはキョトンとした顔をしてセリーに顔を近づけてきた。


「何言ってるの?君はもう逃げられないんだよ?」


「くっ!」


「ずっと一緒にいようねぇ?ふふふふふふっ」


ナディの薄気味悪い湿った笑い声が部屋中に響いた。


ルシアの苦難は続く……。


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