<23>主人公が拐われました。
「んんー!!んー!」
セリーの口にはガムテープが貼られており、発言は封じられていた。セリーは魔法封じの縄で縛れている為、逃げ出す事もできない。今回の犯人がセリーのガムテープを剥がす。
「んっ、どうしてこんなことを?!」
セリーが犯人の方を睨み付ける。
「ナディ様!!」
★★★★★★★★
「ルシア様!!」
「?テレス?」
「ルシア様!セリーを知りませんか?!」
「いえ、私は知らないわよ?一緒にいたんじゃなかったの?」
「それが……」
★★★★★★★
セリーはどうやら拐われたようだった。ルシアはセリーのハンカチを握り絞める。ルシア・ルミナスと話しあう。
「魔族の仕業かしら?」
「わからないわ。ならどうして、この前のように破壊行動をしなかったのかしら?」
ルミナスの質問はもっともだった。これまで魔族が現れる時は必ず破壊行動が伴っていた。
「……セリーに最近変わった事は
?」
「………あっ」
「何?何かあるの?テレス?!」
ルシアは一つ、思い当たる事がある。
★★★★★★★★★
「ふふふ、セリー・マルス。やっと話す事が出来たね。」
「ナディ様!どうして、私を!」
ナディはセリーを前に高揚していた。
「ずっと君を見ていたんだ……ふふっ」
「っ?!最近の視線は貴方だったのね!?」
「ふふっ、気づいてくれていたんだね。うれしいよ。」
ナディはソファに老いてあるぬいぐるみを手に取る。
「ずっと、ずっと、君を見てたんだ。」
ぬいぐるみを手で撫でながら、犯行動機を話し出した。
「この間初めて食堂で見た時、僕は君に一目惚れしたんだよ?光を纏った蹴り、…あれ、凄いよね?ふふふっ。」
ナディはうさぎのぬいぐるみを抱き上げながら回転する。
「君を初めて見たとき、病弱で暗い部屋しか知らなかった僕、僕、僕の暗闇に光が差し込んだんだ!」
「?病弱?」
ナディはそのまま、セリーの方がへと向かってくる。
「うん、体の調子がいい日は外に出れるけど、ほとんど部屋から出れなくてね。でも、ふふっ。君を一目見てあの光に魅せられたんだ。」
そう言ってセリーの顎に手を当て、顔を上げさせる。
「僕の女神……、ふふっ。ここでずっと一緒にいようね?」
「お断りですわっ!私にはルシア様がいらっしゃいます!貴方など眼中に入りません!!」
それを聞いたナディはキョトンとした顔をしてセリーに顔を近づけてきた。
「何言ってるの?君はもう逃げられないんだよ?」
「くっ!」
「ずっと一緒にいようねぇ?ふふふふふふっ」
ナディの薄気味悪い湿った笑い声が部屋中に響いた。
ルシアの苦難は続く……。




