<15>新たな悪役令嬢
ルチア・シフォンと会話した翌日異常が起こり始めた。ルシアがいつも通り寮から登校しようと部屋を出ると頭の上からバケツと水が降ってきた。バケツの水は盛大にルシアへと降り注ぐ。バケツは見事ルシアへとはまる。
「きゃー?!」
ルシアは着替えてから登校せざるおえなかった。
「ルシア様、何処かお加減でも悪いのですか?顔色が優れないようですが?」
セリーはルシアの異変を敏感に感じ取っていた。
「い、いえ、なんでもないわよ?」
誰がやったのか、わからないけど、この私にバケツの水をかけるなんて、許さない!!
元悪役令嬢ルシアは、犯人へ報復すると誓った。
しかし、よく考えてみるとこれは……。
下駄箱に付くとルシアの履き物に画鋲が大量に入っていた。
「なっ?!ひ、ひどい!?誰がこんな事を?!」
「ねえ、セリー、」
「はい!なんですか?」
「セリーは、虐められたりしてない?」
「私は全く!それよりルシア様がっ?!」
あ、わかった、これは過去に自分がセリーにしてきた事と同じなのだ。しかし、しかしである。ルシアは魔法で画鋲を取り除き上履きを履いて教室へとかける。セリーはそれを慌てて追った。つまり、
「ルシア・ルミナス!私の靴に画鋲を入れたのは貴方ね?!」
「は?何を言っているの?私がテレスの上履きに画鋲??私じゃないわ!」
「しらばっくれないで!貴方以外に誰が…」
「あら、ルシア・テレスさんじゃない。」
「は?」
ルシアは不意に後ろから声をかけられた。この令嬢は……。
「どうも、お初にお目にかかりますわ。私はハルト家令嬢マリア・ハルト。以後お見知りおきを。」
そう言ってルシアを突飛ばした。
「きゃ?!」
「「?!」」
「あら、ごめんなさい、手が滑りましたわっ!おほほっ!」
不意をつかれたルシアは床へと転倒する。それを見たセリーも過去のルシアも怒りに震えた。
「何をなさいますの?!」
「今の!わざとよね?!」
セリーと過去のルシアはルシアの前に立ち、ルシアを庇う。
「画鋲もまさか貴方?私の下僕に手を出すなんていい度胸だわっ!」
「あら、ルシア・ルミナス様、その平民はルチア様と昨日親しげに会話しておりましたのよ?平民の癖に、ルミナス様のかわりに私達が少々仕付けておいたのですが……」
「ふざけないで!そんなこと頼んだ覚えはないわっ!」
ルミナスはマリアを睨んだ。
セリーもルミナスに負けじと凄む。
「ルシア様には手だしさせませんわっ!」
「下級令嬢は黙っておきなさい!はぁ、気分を害しましたわ。これで失礼します。」
そう言ってマリア・ハルトは去っていった。
「マリア……。」
ルシアはマリアを知っている。マリア・ハルトは前々世の取り巻きの一人であった。侯爵家に当たるハルト家はルミナス家には及ばずともその権力は絶大である。そんなマリアは新たな悪役令嬢としてルシアに立ちはだかったのである。ルシアは複雑な心境であった。その日1日、過去のルシアやセリー以外のクラスメイトからは無視された。そして、昼休みが終わってランチを食べた中庭から教室へ移動するとルシアの机は落書きされていた。他にも窓から塵を落とされたり、足を引っかけられたりした。ルシアの苦難は更に激化していくのだった。
ルシアの苦難は続く……。
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