<1>2回目の転生は町娘でした。
誰が想像できただろう。15歳の誕生日の事である。突然屋敷に兵士達が訪れて、ルシアを引っ張り出してギロチンにかけるなんて誰が想像できただろうか?
公爵家令嬢ルシア・ルミナスは死んだ。それも呆気なく意味もなく死んだのだ。ルシアは一人思う。
何故自分は死んだのか?そう、それもこれも全部あの女のせいなのだ。王国の第一王子との婚約が決まり、ルシアは幸せの絶頂だった。それを何処からともなく現れた下級令嬢がかっさらっていったのである。
そして一度目の転生は最強の魔法使いだった。伝説の魔法使いと呼ばれた私ルシアは今世こそ生き延びようと思っていたのに、最強の魔法使いになったせいか前世の悪行のせいか魔王討伐を国王から言い渡され魔王と相討ちになり死亡してしまったのだ。
そして今世はただの町娘なのである。今世は穏やかに過ごせそうだと安堵していた。のだが……
「は、ははっ……」
ここは最初の乙女ゲームの世界だったのだ。私が処刑される世界。過去の私がいる世界である。ルシアはただ呆然として、その事実から目を背けたくなった。
偶然か、はたまた運命か同じルシア(光)の意味の名を付けられた町娘ルシア・テレス生まれてまもない0歳の年の事である。
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