表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/7


「はい、また一組、成立~」


 モニターに移し出されている監視カメラの映像を見ながら、白衣の男がパソコンにデータを入力していく。


「お、また成立したのか。確率高いな、今回のマッチングは」


「先輩、お疲れ様です」


「でもこんなのが、本当に少子化問題解決に繋がっていくのかねえ」


 晩婚化、婚姻率の低下で少子化が、社会問題にもなっている昨今。

 国はAI技術を活用した結婚活動事業を国策として打ち出したが、その応募にはいかんせん若者が集まらなかった。


 なのでこうして、表向きではイベントを装って男女のデータを集め、分析し、引き合わせるといったお見合い行為を秘密裏に国主導で始めだしていた。


「まあ、どっちにしても、ここで出会った人たちが幸せになれば、いいんじゃないですか?」


「まあ一応、AIが出した答え的には相性は最高にいいはずなんですし」


「そうだな、問題になったときの話は俺たちの専門外だし、俺たちは俺たちでデータをAIに食わせられればそれでいいんだしな」


 男たちは細い通路から外へと向かっていく二人の姿を、モニター越しに見送っていた。


 僕はこの時、まだ知らなかったんだ。

 後に国が大々的に打ち出したAI婚活なる事業の被験者になっていた事を。

 奇跡みたいな僕たちの出会いが仕組まれていた事を。


 この件については色々と問題にもなったし、僕も初めは驚いた。

 でもその結果として、今の僕らは幸せだから、僕らにとっては何の問題にもなっていない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 銘尾友朗様の「冬の煌めき企画」から拝読させていただきました。 ストーリーテーリングがお上手で、二段構えの逆転のオチ。 最後まで楽しく読ませていただきました。 ありがとうございます。
[良い点] なるほど… そうきたか… といった感覚を…抱かせながらも… スラスラ…と…読ませる…文の…組み立ての…巧さ… 発想…も…アイデア…も…実に…素晴らしきっっ!!!! やっぱり…凄いな…。 ハ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ