g006;紅魔館。魔理沙、霊夢
ノロは紅魔館のキッチンで、紅茶を入れている。
そして、テーブルに座り、飲む、飲む、飲む。喉が乾いていた。
さらに紅茶を入れて、おぼんに乗せて運ぶ。
運んだ先には、ノロと戦った相手、紅魔館ファミリーが寝ている。
それ以外にも、魔理沙と霊夢が座っていた。
▼魔理沙
ノロを紅魔館に叩きつけたビーム(レーザー)こと、
【マスタースパーク】を撃ち込んだ片割れの一人。
外見は、白黒の魔法使い姿。
霧雨魔理沙
▼霊夢
巫女さん。この幻想郷での重要人物の一人。
博麗霊夢
ノロ「
紅茶があった。だから入れた。飲む? お二人さん。
」
霊夢「
ええ、頂くわ。
」
魔理沙「
私にもくれ。
」
ノロ「
ほい、ほい。
」
レミリア「
う……ううん……
」
魔理沙「
お、レミリアのヤツ、目覚めたらしいぜ?
」
ノロが顔をのぞき込む。
レミリア「
……ん、……ん?
」
ノロ「
べろべろ、ばぁあ~!
」
レミリア「
ひゃぁあああぁあああああああああああああああ!!!
」
ノロ「
わああああああああー!、耳につんざく高周波!
」
霊夢「
……そんな冗談もするのね、あなた。
ほら、怖がって、泣いてるわよ。
」
グス、グスン……と、レミリアが泣き出している。
ノロ「
ほほお……、先ほどまでの高慢ちきな態度が豹変。
意外と、涙もろいねー。
」
魔理沙「
泣いてるんだ。少し、慰めたらどうだ?
」
ノロ「
いいさ、いいさ。こっちゃあ、いきなり攻撃されたのヨ?
他の人間だったら、死んでたかもしんないのヨ?
生かしてやっただけでも、十分に慰めのつもりだよ私は。
」
咲夜「
……はっ。お嬢様っ!? ……お嬢様が泣いている!
(……かわいい)
」
咲夜、ノロと目が合う。そして睨む。
ノロ「
またバトルをおっぱじめようと?
」
咲夜「
……いいえ。悔しいですが、
今は敵わない相手だと思い知りましたので。
ですが、お嬢様は、絶対にわたしませんよ。
」
ノロ「
え? いったい、どういう?
どういう勘違いをなさっておられる?
持ってかないよ? 吸血鬼の人身売買をする気もないぞ。
」
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
その後、他の者も目覚めた。
ノロを見てギョッとしたが、霊夢と魔理沙もいることで、
とりあえずは、戦闘状態にならずにすんだ。
それからは、色々なことを話し、双方、事情を理解。落ち着いた。
美鈴「
でも、なぜ霊夢さんと魔理沙さんがここに?
」
霊夢「
あーそれはね。
ここから、バカみたいに大きい力を感じたからよ。
ここに来る途中で魔理沙と出会って、合流したら、
あなたたちを介抱している、この……ノロ? と出会ったわけ。
」
パチュ「
介抱? あなたが?
」
ノロ「
ベッドに運んだだけさ。
」
霊夢「
それから話を聞くと、そもそも魔理沙たちの攻撃に
巻き込まれた、って言うじゃないの。
」
魔理沙「
いやぁ、ほんと、ごめんだぜ。
」
紫「
誤解が解けたようね?
」
魔理沙「
おおっ、紫。
」
ノロ「
あ、どーも、ご無沙汰で。
」
紫「
ご無沙汰も何も、さっき別れたばかりよ?
ところでノロちゃん、どう、こちらの世界?
」
ノロ「
ちょっと好戦的な方々ばかりなのが玉にキズだけど……
でも、その分、新しい能力も取り入れられたし、満足さぁ。
」
霊夢「
紫、もしかして、あなたが、この人を連れてきたの?
」
紫「
ええ。いい刺激になったでしょう?
そうだ。いいことを教えてあげましょうか。
その子、向こうの世界では、覇王の娘様らしいわよ。
」
霊夢「
覇王の娘? ……まさか親に黙って
連れてきたわけじゃないでしょうね?
」
紫「
本人の意志で来たのだもの。大丈夫よねぇ?
」
ノロ「
大丈夫、大丈夫。それに、もう、私一人でも帰れる。
」
ノロは、こじ開けるように、スキマ空間を作ってしまう。
霊夢「
な……!? どういうこと?
」
紫「
どうやらこの子、学校の勉強は苦手だけど、
こういうことは、物覚えが良いみたいなのよ。
」
霊夢「
えっと……ちょっと、ノロ……?
」
ノロ「
ん~?
」
霊夢「
他にも、こっちで覚えた能力、あるかしら?
」
ノロ「
あるとも。こちらの世界は特殊能力の
宝庫みたいなもんだからねぇ。
咲夜さんからは時止めの力。
フラン……だっけ、あの、やたら戦い好きな子。
その子からは、破壊の力。――おふぅっ。
」
ノロに、うしろから抱きつくフラン。
フラン「
呼んだぁ? ねえ、また、遊ぼうよ。
叩いても、叩いても、殴っても、何しても
壊れないものなんて、はじめて見た。
」
霊夢「
紫……? こんなの呼んじゃって
……破壊兵器でも作るつもりなのかしら?
」
紫「
ふふふ、おもしろい子でしょう?
」
霊夢「
……まあね。でも、もし敵に回ったら、
この私にも、止められる自信はないわ。
そのときは紫、アンタが何とかしなさいよ?
」
紫「
あら、あら、あら、もう寝る時間だわ、
それじゃあね、霊夢。
」
霊夢「
ま、待ちなさいっ! まだ真っ昼間よ!
」
シュンと、消え去る、紫とスキマ空間。
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■要約
・紅魔館での争いのあと、霊夢と魔理沙そして紫がいたり。
◆雑談
東方の設定をネットで調べているが、改めて知ったのは、一人一人の設定量が多いということ。ここまで人物像が掘り下げられているとは、と感服した。
東方Projectの二次創作という文化が、ここまで広がったのは、多彩に作りこんだ人物造形の数々が一因なような気がする。