g004;紅魔館。レミリア、パチュ、フラン
◆視点移動:紅魔館の大図書館
時は、ノロが紅魔館に叩き込まれたときまで、さかのぼる。
この大図書館には、レミリアとパチュがいた。
▼レミリアとは、
この紅魔館の主にして吸血鬼。薄桃色を基調とした服をまとう。
薄青紫の髪、赤い目、小柄。
レミリア・スカーレット。
▼パチュとは、
居候中の魔法使い。薄赤紫の服をまとう。紫の長髪。
パチュリー・ノーレッジ。
やはりこの二人もまた、外見は少女だった。
轟音とともに、建物が揺れる。
レミリア「
何? 地震?
」
パチュ「
少し前まで、幽香と魔理沙がバトルを繰り広げていたわ。
」
レミリア「
あいつら、この館を壊す気? 上等……。
ちょうど戦いたくてたまらなかったのよ。
」
レミリアが歩み出す。が、
パチュ「
待って! ……違うわ。もう一人いる。
」
レミリア「
……? 何を言っているのかしら?
」
目をつむり、何かを探っているかのようなパチュ。
パチュ「
……ものすごい力……。
とても大きな力を持つ者が、
この紅魔館のすぐ近くにまで来ているわ。
」
レミリア「
へーえ、そう。なら、ちょうど良いわ。
わたしが、直々に、お相手して差し上げればいいのよ。
」
パチュ「
ダメ。
」
レミリア「
パチュ……?
」
パチュ「
いーい? よく聞いて。相手の正体は分からないわ。
でも、その力を魔力に換算したら、仮に、私が
一ダースいても、足りないくらい、化け物よ。
この世のモノとは思えないくらいに、ね……
」
レミリアの目が見開く。
レミリア「
冗談は似合わないわよ、パチュ。
」
パチュ「
私が冗談を言うのは、エイプリルフールのときだけよ。
」
レミリア「
あなた一人で、どれほどの魔力があると思っているの?
莫大な魔力なんて、あなた一人で十分だわ。
一ダース? あなたが10人いても足りないってわけ?
」
パチュ「
レミィ? 一ダースというのは、12よ?
」
レミリア「
う。……ええ、知ってるわ。でも12なんて半端な数。
10でいいじゃない。一ダースは10よ。
」
パチュ「
レミィ、その棚に、算数の本があるわ。
」
レミリア「
バカにしているの、パチュ?!
」
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
◆視点移動:紅魔館地下の大空間
そこはフランのお部屋だった。
▼フランとは、
レミリアの妹であり、体格も酷似。吸血鬼。情緒不安定。
羽が特徴的で、色とりどりのクリスタルのようなものがぶら下がっている。
外に出れば、つい、うっかり色々なものを破壊してしまうために、普段はこの地下に一人ポツンとしている。……というより半ば幽閉されている。
フランドール・スカーレット。
@「ありとあらゆるものを破壊する程度の能力」がある。
建物がグラリと揺れる。
フラン「
……?
」
天井から壁が割れて、人一人通れる穴ができた。
フラン「
!
」
フランも、強大な力を察知した。
フラン「
ふふふふふふンふふふふ……
」
闘争心が刺激され、フランはその穴に突っ込み、地下を脱出。
フラン「
美鈴っ!!
」
フランはノロを見つける。
ノロ「
おおう? おはよー……さん?
」
フランは、倒れている美鈴を見て、状況を推察。
フラン「
あなたが……やったの……?
」
ノロ「
おおっと、勘違いしないでほしいな。
正当防衛だよ、正当防衛。私は応戦しただけ――
」
フラン「
ゆ る さ な い
」
睨むフラン。
ノロ「
話を聞いてくれぇぇっ。
」
フランは弾幕を形成する。
あたり一帯、色とりどりに輝く、光の弾が現れた。
ノロ「
ネオンかな? オーきれい。
」
フラン「
小手調べ。……これでくたばる?
」
その大量の弾幕が、ノロ目がけて、飛んでくる。
ノロ「
これ、なんだろうな?
」
ノロは、そのうち一つの光弾をつかみ取る、が――
――ボカン!
と爆発。
フラン「
ふふっ。バカみたい……えっ?
」
ノロ「
ケホッ、ケホッ。目にホコリが……
まったく! カンシャク玉だったか!
……ん、それにしては、火薬の臭いがないな。
煙の質も、何か違う。
」
フラン「
効いて……ないの……全然?
」
ノロ「
効いてるさぁ。目薬が欲しいくらいに。
」
フラン「
ふっ、フザケちゃって……!
」
フランは炎の剣を作り出す。
ノロ「
おおー?
(剣にガソリン付けて火を付けたのか?)
」
フラン、勢い良く迫り、炎の剣で横薙ぎ。
フラン「
ううーらぁっ! ――!?
」
それを受け止めるノロ。
ノロ「
おおっ、物理だ!?
」
ノロはノロで、炎の剣と、物理的に接触できることに驚いた。
フラン「
ふひゃ。面白い面白い面白い面白い面白い面白い面白い……
」
ノロ「
わお。どうしたお嬢ちゃん!? 何か悪い夢でも見たのか?
」
そこへ――
咲夜「
妹様ぁぁ!
」
ノロ「
わーあ、また来たぁ。
」
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■要約
・レミリアとパチュが、ノロの気配と力に気づく。
・フラン脱出、ノロと対峙。戦う。
◆パチュリー・ノーレッジさんの名前は比較的、揺らぎが大きい。
「パチュリー」、「パチェ」、「パッチェさん」。しかし「パチェリー」表記はダメらしい。
◆レミリアの性格付け:「自分が正しい。わがまま。我が、ままに、なれ。」
◆後記:
口調が難しいのねー。とくに東方キャラは女言葉を多用するイメージだから。作者おじさんでね、その語り口調には、疎い。