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第2話 転生2

セレーネ・サン・ファナティアは転生した。


―――藤川美月として―――


藤川美月は天才だった。何が?と思うかもしれないが、何においても、だ。運動神経や学力までもが他の人より上回っていた。彼女を知る人は皆こう言うだろう、

『彼女は天才だ』と。



誰もが彼女は将来歴史に名を残すと言っていた。一見笑えるような話だが、彼女はそれぐらいに天才だった。なぜなら、既に彼女の学力はまだ18歳にして、賞を取るような学者と同じぐらいの学力だったからだ。



私は、周りから天才だ、将来歴史に名を残す、などと言われ、尊敬されていたが興味が無かった。寧ろ嫌だった。こんな自分が。



私の周りではいつも誰かが喧嘩していた。私の事で。特に両親の祖母たちが。あの子は私の孫だ、あの子の将来は私が決めるんだ、など...


私の人生なのに、私が決める権利は無いのだろうか?私はただ、普通に生活したいのに…



私は、友達が欲しかった。私はそのために親達の反対を押し切って、日本の中でもトップクラスの高校ではなく地元の高校に入学した(ずっと学年トップを取り続けることが条件だったが)。それだけのために?そう思うかもしれないが、私にとっては、将来の就職より大事なことであり、学年トップをとり続けることなんて容易いことであった。



このチャンスを無駄にしない!そう思って私はなんとしても友達を作るために努力した。自分から話しかけたこともある。けれど、何故か皆私が話しかけるとすぐどこかに行ってしまった(後々聞くと、美月は他の人よりはるかに上回るぐらいの美人だったため、皆話すのが緊張していたんだとか)。


その後もいろいろと頑張っては見たが、皆私を遠目から見るだけで、誰も友達にはなってくれなかった(これも後々聞いたところによると、美月は高嶺の花と言われていたらしい)。



結局友達が出来ないまま卒業式当日を迎えた。

式での卒業生代表の言葉を平然とこなし、式も終え、周りの子達は、友達と最後の高校生活を満喫しながら一緒に話したり、写真を撮ったりしているが、残念というか当然というか、そういう人がいない美月は、やることもないので家に帰っていた。





(次こそは友達を作ろう。友達を作るためにまた違った方法を考えないと...皆はどうやって友達を作ってきたんだろう?)

そんな事を考えながら歩いていると、小さな女の子がボールを追いかけて道路にでていた。微笑ましく見ていると、後ろの方からトラックが走って来ていた。


「危ない!」

必死に叫んだが聞こえていないようで、女の子はまだ道路にでていた。


(あのトラック何かがおかしい!?普通女の子が見えていたらブレーキを踏むのにブレーキを踏んでいない!?)よく見ると居眠り運転だった。


(どうしよう!?もう一回叫んでいる時間はないし、このままだったらあの子がトラックに跳ねられる!こうなったら―――)

どうしようか悩んでいる時に、知らないうちに体が勝手に動いていた。いや、勝手にではなく、私の本能が脳に命令したのだろう。今から走ればあの女の子は助かる!と。


私の命より、あのこの命の方が大事。そんな気がしたのだ。命にどちらの方が大事かというのはないけれど、あの子を助けたい!そう思ったのだ。



そう思い必死に走ると、やっと女の子もトラックが来ていることに気がついたみたいで、頭が混乱しているのか止まっていた。


私は女の子を必死に道路の外にだし、自分も外に出ようとしたが間に合わず、跳ねられてしまい、呆気なく藤川美月の人生は終わった―――





なんてことない普通の人生―――そういう訳ではなかったが、やり残したことは沢山あった。でもよかったと思ってる。何故かは、わからないが。


それよりも、人生は何でこんなに早く終わるのだろう?私は神様に見放されるようなことをしたのだろうか?その疑問が頭から離れなかった。


だが、誰も答えてはくれなかった。




藤川美月としての人生が終わり、藤川美月こと、セレーネ・サン・ファナティアは、また神様に会うことになった。



前世の時にした約束通りに、剣と魔法の世界に転生するために―――







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