ねこの思い出7「絶対にわざとやっている」
18歳8ヶ月で逝ってしまったねこの思い出をつづります。
そのねこは、最高にかわいい容姿と最悪な性格をしていました。
ねこが絶対にわざとやっていることがある。
新聞を読むと必ずその上にのる。
ものの本によると、猫は親である人間のまねをする。そのため、人間の読んでいる新聞を読むために、その新聞にのってしまうという。
でも、うちのねこの場合は違うと思う。
なぜなら、うちのねこは、その新聞の上で丸くなるのだから…
私が読んでいる記事の上にのっかって、そのままバタンと横になる。
そこで、毛づくろいを始めたりもする。
これは、ただ単に、私が新聞を読むのをじゃましているに過ぎない。
テレビを見ていると、絶対にテレビ画面にしっぽをたらす。
家族が夢中になってみている時に限って、テレビの上に乗って後ろを向き、長くしなやかなしっぽを画面の前でフリフリと動かす。
関心が自分に無いことに抗議するかのようだ。
これに対しては、家族も、ブラウン管テレビが古くなった時に、薄型テレビに買い換えることで対応した。
でも、その後、ねこは、しっぽをピンと立てて、テレビ画面の前をうろうろするようになった。
絶対にテレビを見るのをじゃましている。
しっぽについては、もう一つある。
ねこが、人間の食事をもらえない時にそれが起こる。
たいてい、うちの家族は、ねこの食べられるもの、さしみとか焼き魚とか蟹があると、自分のご飯を食べつつ、そのおかずをねこに分ける。
ねこが食べないものの時は、ねこは匂いを嗅いで、人のひざの上にのって、それを見定める。食べられないとわかると、ねこは興味なさそうに、その場を去っていく。
でも、そのおかずが、ねこが興味を持っているのに分けられないものがある。
消化に悪いイカとか、たまねぎの入っているハンバーグとか。
そのような時、ねこは、長いしっぽをテーブルの上にのせてパタパタと動かすのだ。
しっぽをテーブル上にのせて、ひとフリする時もある。
そして、おかずの汁をしっぽに付ける。
その後、しっぽをなめて、おかずの味見をしているようだ。
しかし、そのしっぽがおかずの上ばかりに行くのではない。ごはんの上にのる時もあるのだ…
そのような時は、ごはんは毛だらけになる… そして、しっぽはごはんだらけになる…
ねこは、ゲロをするのもわざとやっていることがある。
私が泊りがけの旅行に行く時は、必ず、私の部屋にゲロをする。
それ以外のゲロも、絶対に、人が歩く場所に出すのだ。
おかげで、うちの家族は、かなりの確率でねこゲロを踏んでいた…
ねこがため息をつく時。
ものの本によると、それは何の意味のない行為であると言っている。
私はねこの毛の匂いを嗅ぐのが好きだ。
それも、日向ぼっこをしてお日様の匂いがするねこの毛を、思いっきり吸い込む。
でも、そのようにねこの毛の匂いを嗅ぐと、ねこは「フー」っと、鼻で大きくため息をつく。
いつ、いかなる時でも、毛の匂いを嗅ぐとため息をつくので、これは絶対にわざとやっていると思う。
ねこのおならはくさい。それは肉食のせいだろう。
一緒に寝ている時、ねこが寝ている方向を変える時がある。
でも、そのような時に、なぜか、おしりを私の顔近くに持ってくる時は、必ず「プー」っと、おならをする。
顔をしかめる私を見て楽しんでいるようだ。
これらは、ねこは絶対にわざをやっていた。
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