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神隠しによる放浪記  作者: レブラン
第四章
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襲撃者達と動向

「ハリトラスそいつは?」

「ああ、こいつは多分そこに伸びてる奴等の仲間だ」


 ハリトラスは手に持っている黒装束の人物を放り投げた。

 地面を何度か転がり、まだ気絶していない様子ではあるが、仲間が二人やられたのを見て戦意喪失に陥る。

 

「そうか、安心したよ。流石ランク五つ冒険者」

「照れる事言うぜ。それにしても驚いたぞ? 変身魔法ってやつか?」

「ええそうね、その認識であっているわよ」


 ハリトラスは頷くと、辺りを見回す。

 

「しっかし、俺達が狙われるって事は、もしかしたらリウスも狙われてんじゃねえか?」


 その言葉に巧はハッとする。

 

「そうだ、リウス。リウスの所に行かないと!」

「まて、タクミ! こいつら先に縛り上げとかないと。このまま放置しておくと逃げられる」

「だけどそれじゃリウスは!」

「落ち着いてタクミ。あの子だって弱いわけじゃないの。自分の身は自分で守れるぐらいの力は持ってるはずよ?」


 焦る気持ちはあるのだろうが巧は自身を落ち着かせるよう、一度深呼吸をする。


「……わかった。それじゃハリトラス頼んでいいか?」


「ああ、任せろ」

「いえ、その心配はありませんよ」


 そう声をかけてきたのはルイスであった。


「ルイス、無事だったんだ。それにその手に掴んでいる人は?」


 その手に掴んでいるのは、襲撃者の仲間と思わしき黒装束の人物。

 だが顔は布で覆っていたのだろうが、脱がされ素顔を晒されていた。

 

「な!」


 そんな奇怪な声を上げたのルイスに捕まれている人物だった。

 仲間がやられて驚いていたのだろう。


「タクミ、シロさ……ん?」


 ルイスの後ろにヘルデウスとリウスが館から出てきて、巧達の元へと駆け寄る。

 ヘルデウスとリウスはシロを確認すると不思議そうな顔をして、問いかける。

 

「シロさんなのですか?」


 ヘルデウスも疑問に思っていたのだろう。

 何せ顔、服装、銀髪は変わらずにいたが、それ以外が変わっていたのだから。

 

「シロ、また獣人に戻れたりしないのか? このままじゃシロってわからないだろうし」

「そうね」


 シロは目を瞑ると少し柔らかな光に包まれ、頭の角は無くなり獣耳に変わり、背中の翼も消滅、獣人の特徴である柔らかな尻尾が生えた。

 

「この方達をどうしましょう」


 ルイスは男を掴み上げる。


「とりあえず情報聞き出そうか、襲撃の首謀者である依頼人が誰かを吐かせたいし。ルイスさん、とりあえずそいつらを縛ってほしいです。俺は向こうの襲撃者を引っ張ってきます」

「畏まりましたっと暴れないで下さいませんか?」


 ルイスに捕まっていた男は何かを覚悟する顔になり叫ぶ。


「作戦四に移る!」


 襲撃者の一人が何かをかみ砕き、飲み込む。

 すると、もがき苦しみだしたのち暫くして動かなくなる。

 何が起きたか理解できず巧は困惑し硬直。

 ルイスは咄嗟に男の口に手を突っ込むが、苦虫を噛み潰したような表情をして口の中から手を抜くと、首を横に振った。


「タクミ様、この者は奥歯に仕込んでいた毒物を飲みこんだ模様です」


 巧は一瞬何を言ってるか理解できなかったのか、聞き直す。


「よく聞こえてなかったです。もう一度頼みます」

「この者は情報を漏洩しないために毒を飲み込み死亡しました」


 男に鑑定をするが、死亡していたのか[エカリ・デーテット]、死んだ生き物は物扱いなのかステータス画面が表示されずにいた。

 巧は咄嗟に仮面の男に駆け寄ると、仮面を外してから鑑定をする。

 だが男も毒物を飲んだのであろうか死亡していた。

 

「こいつもダメだ。ハリトラス! シロ!」

「こっちも同じく死んでる」

「私の方は同じく気絶してるから生きてるわよ」

「毒物を取り出すんだ!」


「シロ様お待ち下さい。私がやらさせて頂きたいのですが」

「ええ、わかったわ。それじゃお願いするわね」


 ルイスに任せる事にした。

 ルイスはエルフ女の口の中に手を突っ込むと、両方とも毒物を取り出す事に成功する。


「生存一名ですか。幸い気絶させたのが運が良かったですね」

「そう……ですね、けど何もここまでしなくても」

「タクミ様、この仕事を生業としている者達。失敗し、情報を漏らす訳にはいかない。だから死を選んだのですよ。彼等もいつ逆襲され殺されるかもわかりません、その覚悟はしていたのでしょう」


 それでも何かを言おうとするが巧は思い浮かばず、顔を項垂れる。

 

「それでもやっぱりおかしいよ」


 巧は死亡した襲撃者に視線を向けると、そう呟いた。

執筆し終えて改めて見ると襲撃者に関して長いですね

もう少しで終わらせればいいんですが


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