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神隠しによる放浪記  作者: レブラン
第三章
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シロとデート回その2

エロっぽい表現を表してるシーンあり、苦手な人はお引き取り下さい。

 周りの野次馬達はウエインが現れた事により更に注目の目を向ける。

 この前の白い魔物の件もあり、黒鉄の刃と言うブランドネームも兼てより一層有名になっていた。


「ようウエイン、こいつはシロ。俺の仲間だよ」


 そんなウエインはシロを凝視している。


(あ……、まずかったかも)


 見た目は変わったが、連続殺人鬼の正体がシロとはウエインは知らずにいた。

 巧は失敗したと思ったのだが、どうやらウエインは気づいていない。

 ウエインは緊張した面持ちで前に出ると、シロに手を差し出す。


「は、初めましてシロさん! わ、私は黒鉄の刃のリーダーでウエインホークハルト・ツエリエルトと言います!」


 シロは一瞥はするが気にせず巧の腕に抱きつく。


「流石に無視するのは可哀想だろって、挨拶ぐらいしてやれよシロ」


 渋々巧から離れ挨拶をする。


「初めましてシロです。以後お見知りおきを、さあ行きましょ。タクミ」


 挨拶を終えると、シロは巧の手を取り行こうとする。

 可哀想に見えたが、ウエインはシロに話をされて嬉しそうな顔をした。

 先ほどの絡んできた冒険者達に巧は視線を向けると、冒険者達は慌てて逃げだす。


(全く、なんだったんだろか)


 昼の十二時過ぎ、街中にある高級料理店の食事処に巧とシロ、そしてウエインが座っていた。

 周りの装飾はきらびやかであり、椅子やテーブルなど高級感溢れていた。

 例えるなら、ゴブリン亭が一般下層者のような低ランクの冒険者や一般人が利用する場所ならば、この高級店は上層者のような高ランクで金のある冒険者や貴族などが利用する場所。


「本当に良いのか?」

「ああ、どんどん食べてくれ。さあシロさんも遠慮せずに」

「ええ、頂くわね」


 巧はテーブルの上に乗っている高級そうな食材をフォークとナイフで使い、切り崩したのち口に運ぶ。


(うんっま! 口の中に入れた瞬間とろけるような味わい且つ濃厚。どれも料理は小さ目なのがだが、すぐ食べ終わりそう)


 シロも巧と同様に美味しそうな顔をする。


「美味しいわねタクミ」

「そ」

「そうでしょシロさん。ここは私のお勧めできる食事どこ……ろ……」


 巧の言葉を塞ぐように、ウエインは喋る。だがそんなウエインをシロは目を少し開き、圧力をかけるかの如く黙らせた。

 ウエインは失敗したと思ったからか大人しくなった。


「ま、まあ落ち着けよシロ。美味しいぞウエイン」

「あ、ああ」


 巧はウエインをいたたまれなく感じたからか話題を振る。


「あの事件のあと何をしていたんだ?」

「ああ、あの連続殺人鬼は死んだと聞いて俺達は諦めたんだ。その後は依頼をこなしていると、夜中に赤い光が放たれる噂を聞いてな。さっきまで詳しく調べようとしていたら、何とあのハウリック邸から起きたと言うが、すでに解決して結局収穫なしだ」

「ふーん」


 その二つに関しては巧が全て関わりあるのだが言う必要がないと思い黙る。

 そして出てくる料理を次々と食べていく。

 暫くすると、ウエインから巧に向かい真剣な表情で語りかけてくる。


「少年……いやタクミ! この美しい女性とタクミとはどうして知り合ったのか知りたい」


 巧は悩む。シロはストーカーであり、元連続殺人鬼。過去に黒鉄の刃であるウエイン達が倒す相手だった……とは口が裂けても言えないのだ。

 悩んでいるとシロが口を開く。


「私とタクミはね。将来を誓い合った仲なの」

「え……」


 ウエインは固まる。


「ちょ、シロ。何か色々飛躍し過ぎじゃね?」

「何で? だって私達あんなに激しくぶつかった仲じゃない。あの後の約束は今でも忘れないわよ? ”俺と一緒にいろ”って」


 シロはフォークとナイフを皿の上に置くと、手を頬に置き、頬は染め、嬉しそうな顔をする。

 巧はあの時の戦闘を思い出すと、シロは一言も間違った事を言ってはいないのだ。


「タクミ……、今の話本当か?」


 巧はウエインを見ると、顔を曇らせ絶望の表情で涙を流していた。しかし、否定する要素が見当たらない。

 場の空気は最悪であり、第三者目線で見ていたら滑稽こっけいで笑い処だっただろう。

 だが今の巧は、この三角関係の当事者。食事をするのにも気まず過ぎて、料理の味がわからなくなるほどに。

 話題を変えるべく、考えたに考えると巧は白い魔物を思い出す。


「そ、そうだ。白い魔物。俺は過去に白い魔物に襲われてた所を、こいつらに助けてもらったんだよシロ」


 白い魔物から黒鉄の刃のメンバーに助けてもらった、その言葉を聞きシロは興味を引く。


(流石に面倒だから後は何とかしろ、ウエイン)


 ウエインは巧の話を聞き、活かそうと白い魔物に関して必死にアピールする。


「そう、俺はあの時――――」


(めんどくせえわ本当)


 元気になったウエインを見て、巧は食事を続けた。


 時刻にして十五時過ぎ。

 巧達は店を出ると、ウエインは再び絶望の表情で中身が空の袋を握っていた。

 ウエインが白い魔物との戦いを語ってる最中、巧とシロは食事し、空になった皿をテーブルの上へてんこ盛りに置く。支払う金額が尋常じゃなかった為、ウエインは財布が軽くなった事に対して泣く。


「流石にこれは……」

「ごちそうさんウエイン。また奢ってくれな」

「おい」

「ご馳走様、ウエインさん」

「はい! またいつでもあなたの為に奢ります」


(あかん、こいつ女性に貢だけ貢いだ結果、捨てられ破産するタイプだ)


「それじゃ、タクミ行きましょ」


 シロはウエインを置いて行こうとする。

 そんなウエインは手を少し上げたが留まり、代わりに声を出す。


「あ……、シロさん待って下さい!」


 シロは足を止め、ウエインに振り向く。

 振り向いた際のシロは何もしていないのだが、悪魔の手の所為か行動一つで人を魅了させ、惹きつけるような雰囲気を漂わせる。

そんなウエインはシロを見て緊張しているのか、唇が震え、一度深呼吸をして自ら落ち着かせる。

 そして数秒間経ったのち、勇気を振り絞り一歩前に出た。

 

「もし良ければ次も」

「ごめんなさい」


 にっこり微笑み、即答。

 茫然とするウエイン。 


「タクミ、俺まだ頑張れるよな?」

「いやー何て言うか、あれだ。諦めて他の人を探して頑張れとしか言えねえわ」


 脈が完全にないのに、まだ諦めてなかったのだが。そんなウエインを放置し巧とシロは歩いて行く。


「どうしたの?」

「しかし穏便に言わずバッサリ言うな」

「だってタクミ以外興味ないし」


 それ以上は巧は何も言わなかった。

 再び数時間が経つと、空は暗くなりゴブリン亭に戻る。

 リウスはまだシファと出かけているようで帰って来ていない。


「そう言えばタクミとした約束の”あれ”が、まだだったわね」


 突如シロ思い出したかのように言うが、巧は約束を思い出せず首を傾げる。


「タクミ部屋に行きましょ」


 シロに連れられ三〇二号室の巧の部屋へと行く。

 巧はベッドに座らされ、隣にシロが座る。寄り添う様に巧の胸に顔を付けた。


(良い匂いがする)


 シロが巧にくっ付く際、甘くかぐわしい匂いが鼻をくすぐる。

 その匂いは異性を惹きつけるには十分効果があり。巧はシロが間近にいる事により、少し胸の鼓動が早くなる。


「ふふ」


 シロは心臓の鼓音が聞こえたのか微笑む。

 その表情は男を惑わす小悪魔の様であり、大人の色気を感じさせた。


「さあ……」


 巧の手をとるとシロ自身の頭に置く。


「撫でてくれるかしら?」


 シロが言っていた約束は、ハウリック邸で巧がシロとリウスを穏便にさせる為に言ったものなのだ。巧はその言葉を聞くと約束を思い出す様に頷く。


「ああ、わかったよ」


 その言葉を聞いたシロは嬉しそうな表情を浮かべる。

 頭を撫で、耳を触り、髪を指でく。シロは巧がする行為に対して嫌がらず受け入れ、気持ち良さそうに寄り添っていたが、シロが顔を見上げ細い目を見開く。

 その瞳は次第に潤ませ、透き通る色白の肌は朱に染まる。


「ねぇタクミ……撫でるだけでいいの?」


 シロの指は唇に触れ、次第に胸へと触る。

 その仕草はまるで男の本能を刺激するかの様に誘い、あでやかな声をだす。

 だが巧は理性を保つ。

 シロはお構いなしに、巧の顔や体を指先で撫でた。


「ねぇ……いつでも来ていいのよ? それに前、約束したわよね?」


 巧はその言葉を聞いて、何の事だったか思い出せずにいた。


「もぅ……私との戦闘で勝ったら好きにして良いって」


 巧の目は焦点が揺れ動き視点が定まらず、心臓が高鳴る。

 シロはそれを理解してるのか、巧の頬を撫で耳元で囁いた。


「私を……巧の思い通りに滅茶苦茶にしてぇ」


 その言葉と同時にシロの両肩を掴み押し倒すと、シロはその行為に歓喜の声を漏らす。だが、巧の息は荒いが押し倒す以上の事はしない。まだ理性が残り葛藤しているが、表情は苦しそうなものであった。

 シロ微笑むと、巧の頭を優しく撫で顔をひき寄せ、追い打ちをかけるかの如く耳元で囁く。


「さぁ……良いのよ? あなたの好きなように、私で気持ち良くしてね」


 その言葉に心地良さと吐息が巧の心をくすぶるが、心臓の鼓音はどこか安定し落ち着く。

 喉を鳴らし顔を浮かすと、シロの顔を見た。

 目を瞑り、その表情は”美艶びえん”その一言に尽きる。

 そしていつでも巧を受け入れる雌の表情になっていた。

 巧の中の何かが崩れる音がした。それは理性の崩壊。一度重ねてしまえば雄として、本能のままに襲い狂うだろう。だがそれを止める者はこの場にいない。

 巧の手はシロの頬を一度優しく触り、顔を近づけ唇を重ねようとする瞬間――――扉が開かれた。


 巧とシロは驚き、顔を上げ扉に視線を向けると二人は固まる。

 扉が開いた先にいたのはリウスであった。

 リウスも二人の行為を目撃し固まる。


「リ、リウス!」

「タクミ……シロさん……何してるの?」


 リウスは杖魔祖を取り出すと巧に問いかける。


「いや、これは……」

「タクミ、あんなに激しくしてくれる何て嬉しかったわよ? 続きはまた今度しましょうね」

「タクミなんて……タクミなんて!」


 リウスは巧に近づき、シロは逃げるように離れた。


「ちょ! シロ! ま、待て待て待て待て待て! 待ってくれリウス!」


 弁解を聞かず、杖魔祖を巧に向け振り被った。


「ぎゃぁぁあああああああああああ!」


 その日、ゴブリン亭に悲鳴が響き渡り、窓から男性が吹き飛ばされたのを多くの人が目撃したのであった。


表現が難しすぎる……

もっと色っぽく表現したかったが今の俺じゃこれが限界

上手く表現書ける人羨ましい

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