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神隠しによる放浪記  作者: レブラン
第二章
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物乞いコボルトと戦闘後

 巧は火を消しているアルマジロに向かって走り出す。


「おい、丸まればサッカーみたく蹴れそうなアルマジロ。こっちを向けよ」


 アルマジロは叩いている前足を止め、巧の方向を向く。

 怒っているのか尻尾を何度も地面に叩きつけていた。


『貴様カ! コレデ私ヲ眠リカラ起コサセタノハ』

「ああ、そうだ、お前が洞窟内で引きこもって、イビキかいてるのが五月蠅いってんで、だから起こしたぞ。まさか成功するとはな」


 巧は失笑しているのをアルマジロはしゃくに障った。


『私ヲ馬鹿ニスルトハイイ度胸ダ!』


 アルマジロは丸くなり、巧へと転がり突進を開始。

 流石に巧もこの方法を予測していたからか、アルマジロが来る前に風魔法を使い高く飛ぶ。


「やっぱアルマジロ、何も考えなしに丸まって突進しかできねえな」


 巧は着地しアルマジロに向きなおすと、アルマジロも当たった感触がなかったからか丸まりを解き巧に向きなおす。


『ヤルデハナイカ人間メ、ナラバ次ハドウダ!』


 再びアルマジロは丸まり突進。


「またこれか、なら水ビーム」


 水ビームは丸まったアルマジロの体を弾き、効かないことに巧は少し焦る。


「チッ……」


 予想していたとはいえ、巧の武器の一つがアルマジロ皮膚で弾かれたのだ。

 再び飛んで避けようとした瞬間、アルマジロは尻尾を使い地面から飛び跳ね巧にぶつかる。


「タクミ!」


 巧がアルマジロと空中でぶつかったのを目撃するリウス。

 心配したのか、巧が指示した作戦を忘れ、思わず出てくるとリウスは巧に近づく。


「タクミ大丈夫?」

「あ、ああ大丈夫。水でうまく勢いを殺せてたらしい、ぶつかっただけで怪我はないよ」


 巧は立ち上がりアルマジロのほうへと振り向く。


『ヤルナ人間。今ノ私ノ攻撃ヲ耐エルトハ』

「いやお前が弱いだけだ。転がるだけで何もできない、だから威力だって弱いから俺を殺そうとできない」


 そんな巧の挑発を聞いていたアルマジロは怒り狂う。


『フザケルナ! 今度コソブッ殺シテヤル!』


 叫んだと同時にアルマジロは三度丸くなり巧達へと転がる。


(流石にまた飛んだら同じことを食らうし、今は隣にリウスもいるから避ける事もできない、ならばあれだ)


 巧は水ビームを徐々にずらすように連続して放つ。水ビームはアルマジロへと直撃……ではなく、転がってる地面との接する部分に水ビームをぶつけ続ける。


『効カン!』


 アルマジロは巧の意図がわからなかったのか、水ビームを気にせずそのまま加速。すると、アルマジロは徐々に浮かび上がり、ついには地面につかずを水の上を滑らせるようにに浮かび巧達よりも高く上空へと飛んだ。


「今だリウス!」


 リウスはアルマジロに向かって、強力な炎を放つ。色は赤ではなくオレンジだったが赤い時より更に熱量を帯びていた。

 そしてオレンジの炎は、何か生物のような顔の形になりアルマジロを飲み込む。あまりの衝撃であの炎が出てきたときは巧は思わず茫然としていたが、リウスが倒れそうになるのに気が付き両手で支える。

 飛ばされ炎に包まれたアルマジロは抵抗もできず、焼け死んだのか動かない事を巧は目視で確認。


「よく頑張ったな。リウスが出した炎のおかげで倒せたぞ」


 リウスの表情はMPの消費しすぎたのか少し顔が赤く、倒せたのが嬉しいのか微笑む。リウスを地面に座らせたのち、魔法水を飲ませ休ませる。


(しかしまずいな)


 上を見上げるとリウスが放った炎が強すぎたのか、木に火がついていた。


(あの炎がすごかったせいか、このままでは森に火災が広まっちまうな)


 巧は火のついてる部分に手を向け水を放ち消化を行う。

 幸い範囲が狭かったおかげか、その場から動かず火を全て消すことができた。


「ごめんなさい…………」


 流石に気にしたのかリウスは暗い顔をして謝罪する。


「気にすんなって、今回の一番の功績はリウスだったんだしさ」


 巧は落ち込んでいるリウスに微笑みそして励ます。

 そんな巧に安心したのかリウスも微笑んだ。


「さてと……おーい、終わったぞ」


 そう巧が言うと、コボルトはどこからか現れた。だが、恐怖からか必要以上に近寄ってきてはいない。


(やっぱりさっきのが怖いのか)


 コボルト達を見ていた巧、そんなコボルトの一匹は地面に果実らしきものを置き、コボルト全員どこかへ姿を消す。その石らしき物を巧は拾い鑑定してみると[コリクルの祝蜜]と表示されていた。


「何だろ? 重要な物なら貰っていて損はないか」


 特別な物かはわかっていない巧だったが、果実を収容空間にしまう。

 振り返り焼けたアルマジロを確認しに行くと全身真っ黒に焼かれており絶命。

 素材ぽい所を剥いでみようとしたがどこかしらも黒こげて素材になりえないと判断した。


「これ剥ぐのは流石に無理か放置だな」


 リウスのほうへと向くと、元気になったのかリウスは立ち上がる。


「もう大丈夫か?」

「うん、巧の出した水のおかげで元気になったよ」


 リウスのそんな姿を見て巧は空を見上げた。

 まだ空は明く、冒険する事ができるが現在はリウスの強化目的が主であった。

 そのため、今日はリウスにとっても強敵アルマジロとの戦闘もでき良い経験を積んだのだ。

 流石にこれ以上再びアルマジロ以上の魔物が現れないとも限らない。巧はリウスを心配し、街へ帰ると判断する。

炎は赤よりもオレンジのほうが火力高いと聞いた事あるのでこのようになりました。

あのHPを一瞬で焼き殺せれたのは事前に巧が水ビームでHP削ったからと思ってて下さい。


少しネタバレしますとリウスが使う炎の色はまだ増えますが

その時はいつか本編に載せれたらいいなと思っています。


コリクルの祝石を祝蜜へと戻しました。

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