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神隠しによる放浪記  作者: レブラン
第二章
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練習稽古

「よくよく考えると魔法ってどう教えればいいんだろ……。考えてなかった」


 場所はルビアリタの街から離れた草原。

 今、巧達は魔法の練習をしていた。


「えと、俺の場合なんだけど何となくできたって言うのが大きい。とりあえず妄想・想像力で創る事ばかりなんだ」

「妄想・想像力?」

「ああ、つまりはこう、俺がいつも魔法で水を作って出してるよな。そこで”水が欲しいー”って考え想像するそしたら水が出てくる」


 実際に魔法で水を空中に出す。

 ただ口で説明するよりも実演したほうが覚えやすいのだ。


「ここで注意なのが、この水は実際に”体感”したものなのか。効果の方は色々異常になってしまったけど、そこは魔法だからで済ませれると思う。他の魔法だって実際今まで体感して得たものだから」


 巧にとって火、水、風、光などこの世界や日本で体感したものばかり。

 想像しやすく、それとは異なる気配探知などはこの世界に来てから研ぎ澄まされた感じであった。


「だけどこれは、水のみ。仮に食べ物みたいな別物はいくら想像しても出す事は不可能。水は水のみ、ここで注意するのは気怠さが起きる事、その気怠さは魔法を使用した時に起きる言わば労力みたいなものだと思えばいいよ? あとは使い過ぎには注意かな」


 自分が体験した事をありのまま伝え、巧はリウスを鑑定しMPを確認する。


「わかった!」


 リウスは巧の言葉を聞き、目を輝かせていた。


「そこでリウスはどんな魔法を使いたいのかを想像するんだ。確か火が得意だっけか?」

「うん、生活して使うのに必要だったから。だけど小さくて」

「ならまずてのひらを上にして、その火を思い浮かべるんだ。はっきりとしたものでね」


 リウスは目を瞑り想像する。

 自分が今まで使ってた火を思い浮かべると掌に火がつがつき目を開く。


「次にその火を大きくする想像してみて」


 リウスの掌に出てきてる火は徐々に広がる。

 次第に直径一メートルぐらいの巨大な炎の塊ができていた。

 白いゴリラの時と比べると、リウスが作った炎のほうが数段上だと直感するが、巧は不思議な事に気が付く。

 その炎の塊は近くにいても熱さを感じないのだ。

 巧は呆然と見てしていたが、リウスは足元がふらつく。


「リウスその魔法をすぐ消すんだ!」


 その言葉を聞いて火の塊は消えたと同時に座り込んだ。


「リウス大丈夫か? ほら水だ」

「うん、なんだかとても疲れた……」


「あれだけ大きいのを作れるとかすごいよ。あとは炎の大きさを調整そして色々やれれば完璧だな」


 リウスは魔法水を飲み終えたのち、照れるように微笑む。


「リウスちゃんすごい! タクミ、私全くできないんだけど何で?」


 巧はその声に振り向くと、そこにはイルベル達がいた。

 リウスに説明した時、三人とも巧の指示通り手を出し目を瞑り唸っていた。


「んー、俺が知ってる知識は教えたし、あとは各自の想像力が足りないからじゃね?」

「もー! 折角魔法が使えると思ったのにぃー、タクミの馬鹿。そう言えばタクミ、何でリウスちゃんにこの前の可愛い戦闘ドレス着させないの?」

「ああ、今日は別にあれを着て戦闘する予定ないし。それに今回はお前らいるから安全だし」


 ドレスは流石にゴブリン亭へと置いて行くわけにはいかず、巧が収容空間に収容していた。


「さて、そろそろいいかな? リウス動ける?」


 リウスはコクリと頷き立ち上がる。


「じゃ次は応用編だ。さっきの炎を出して分裂、つまり二つにする想像をするんだ」


 巧の指示通りにするとあっさり成功する。

 その後三つ四つと数を増え空に密集と言うべき炎の塊が浮かぶ。


「次にあそこにいるゴブリンに目掛けて当てる想像しながら放つ」


 指さす方向をリウスは見ると、ゴブリンが複数匹。

 リウスはゴブリン達目掛け炎を放つと、炎は真っ直ぐ進みゴブリン達に直撃をくらわす。


(それにしても不思議だな)


 掌から現れた炎は熱さがなく、放たれる際に熱量を帯びた。

 放たれた炎は全てではないが、それでも数にして三匹ぐらいは消し飛ぶ。

 ゴブリン達はいきなり攻撃されたのか、驚き慌てて散り散りに逃げていく。


「威力も高いな。それに無詠唱の魔法名宣言無しでここまでするとは……」


 イルベルが呟くと巧も同意する。


「まあ教える事は終わったし、練習をすれば俺みたいに色んな使い方ができるかもね。あとは本人の頑張り次第かな」


 巧はインベントリから杖魔祖(じょうまそ)を取り出しリウスに渡すと、リウスは嬉しそうに受け取った。


「その杖、中心に宝石が埋め込まれてて先端は槍みたいに尖っていていてるが、やっぱ槍みたいに使うのか?」

「名前も杖魔祖と言うし、元々は杖だったろうけど。まあ、リウスに近接武器が欲しかったからね。この杖は多分その代わりにもなるかと。そこで近接職のお前達を呼んだんだ」

「なるほど、魔法を見せびらかせる為じゃなかったのか」


 ひどい言われようである。

 実際にはイルベル達の意見と言うよりも、この世界の魔法使い達が巧達の使う魔法と違うのかを知りたかったからでもあった。

 この世界の魔法使いは必ず詠唱または無詠唱のどちらかに分類され、それから魔法を放つのが一般的。

 威力としても詠唱有魔法のほうが詠唱破棄をした無詠唱魔法よりも格段に強い。

 巧みたいに魔法宣言無しで放てる魔法使いは存在していない。


「流石に経験を積まないとな、教えてほしい」

「ああ、任せろ」


 巧はイルベル、リウスはロウナとの魔法使用不可の実践稽古をする。


(流石は本職だ、うまく躱さたり弾かれる。当てれねえわ)


 巧は短剣を持ちイルベルに攻撃するがイルベルは剣や盾で弾く。

 その後、巧の攻撃を躱せるようなスピードに調整し巧は躱したり受け止めるを繰り返しをした。

 リウスのほうを見ると攻防を繰り返していた。ロウナは避けながらも、セクハラ紛いのようにリウスに触りまくると涙目になるリウス。


(百合か、ありだな。しかしロウナ……お仕置確定)


 数時間稽古したのち、稽古を終了した。

 一度だけイルベルから魔法使用の実践が提案され試してみた所、見事イルベルの完敗。

 巧はで風魔法のみの身体速度上昇をした巧は、風魔法をしようしトリッキーな動きをして、イルベルが持っていた剣を弾く事に成功する。

 力や防御、魔力などゲーム的要素のステータスは見えないが、レベルによる身体能力のおかげか、はたまた魔法使用不可の実践稽古の賜物たまものなのか。


「リウスどうだった?」

「体を触られて嫌だった……。タクミ助けてほしかった……」


 ジト目で巧を見ているリウス。


「まあ、あいつもわざとじゃない……わけでもないんだろうな。この機に触りたい放題だったし。明日は一緒に討伐練習しに行こうな? 魔法でゴブリン退治したけどでも戦闘ドレスも着てからの初出撃だ」


 そう約束したのであった。

執筆しているときにふとドラゴンボールアニメで孫御飯がビーデルに空を飛ぶ説明をしてるのを思い出しました。


魔法もそうなんですが空も飛べたらどんだけ楽しいんでしょうね


杖の名称を加えました。安易だったので何かあればいいんですけどねえ


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