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神隠しによる放浪記  作者: レブラン
第二章
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閑話 村人達のその後

本来26話目にて載せていたのですが【リウスのギルド登録】にの後がいいと思い変更しました。


視点はクレンツです。

 巧がレッドキャタピラーを倒しリウスを連れて行ってから数日後。


「いやあ今日も平和だね」

「ああ、そうだな。あの呪い子と魔物がいなくなったおかげで安心して働けるよ」

「ははは、それは確かに言えるな。本当冒険者様々だな」

「けっ! 何が冒険者様々だよ! あんな奴、呪い子ごと魔物にやられちまえばいいんだ!」

「ま、まあ確かにあんたにあんな事をしちまったのは悪いが、こうして俺達助かってるんだしさ。連れて来たクレンツのおかげもあるし、気にすんなって」


 確かにあの魔物を倒してくれたおかげでこうして村人達が安心して働けれるようになったのは感謝だが、それでも俺にあんな事したのは許せねえ!

 なんだかムカムカするが、そうだ良い事を思いついた。

 今度また街に行った時、あの呪い子を見つけて、あの糞餓鬼が居なくなった時を見計らって脅して、そしてあの奴隷の小娘みたいに発散してやる!

 そう思ったら村あいつがにいる時に怯えてないでやるべきだったか、失敗した。

 今行こうにも、あのレッドキャタピラーの解体もしないと怒られちまう……クソ!


 ……数日後。


 突然村から叫び声がした。

 それも大勢の悲鳴。


「なんだ!?」


 慌てて村を出ようとする人々達だ……何で……


「あれは……魔物!」


 しまった!

 思わず大声出しちまった……魔物がこっちを見た。逃げないと!

 こいつら何て無視、俺が生き残らないと!


「なんで……なんでまた魔物がこの村にいるんだよ!」

「知らねえよ!」

「おい、クレンツ逃げんな! お前も戦え!」


 そんなの知るか!

 俺は逃げないと、逃げないといけないんだ!


「それにしても、レッドキャタピラーがいなくなってからまだ数日しか経っていない、何で現れたんだよ!」


 ――――走る。兎に角走る。息が、体力が切れるまで走り続けた。

 村から、魔物から遠ざかる為に。


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……こ、ここまで来れば安心だろ……」


 あいつらはもうだめだ、あんなに魔物がいたんじゃもう助からねえだろ。俺は生き残ってやるんだ。あんな村捨てて新しい所で女をはべらせて……


「グルゥ」

「え?」


 ま、まさか…………う、嘘、嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ!


「グアアァ!」

「ぎゃあああああああ!」


 お、俺は生き残るんだ……生き残って……


 クレンツはそう言い残し辺り一面血の海にさせた。

 それにしても何故魔物が現れたのか?

 それはレッドキャタピラーが一種の防衛壁と化していたからである。

 トレン村一帯の魔物より強かったレッドキャタピラーは、強力な魔物であり他の魔物からを近寄らせない効果もあったからだ。

 そんな魔物がいなくなったので他の魔物達は必然と村人達を襲う事になる。

 しかも運悪くただ一人を除き、村人全員が村にいたので助けにも呼びにいけない状態。仮に行こうとしても魔物に襲われ絶命してしまう。

 ただ一人生き残ったクレンツも逃げていた道中に魔物に襲われ死亡した。


 こうしてこのトレン村の村人達全員、魔物に襲われ姿を消したのであった。


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