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神隠しによる放浪記  作者: レブラン
第二章
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リウスのギルド登録

この話は正直飛ばしても問題ないですがまあ心情などが書かれた部分もあります。

 巧達は門の前ニスと話しをしていた。


「あれ? おっちゃん何でこっちの門番してるの? 左遷させんされたの?」


 巧達が今いる場所は、巧が初めて入った門とは違い別の門であった。


「左遷違うわ! 人が足りなくてなこっちに来てるんだよ」

「へえ、とりあえず街に入ってもいい?」

「ああ、後ろの可愛い嬢ちゃん初めてみるな。どうしたんだ?」

「この子はリウス、トレン村から連れて来た。勿論トレン村の村長の許可も貰ってる」


 巧の後ろにいるリウスは少しおどおどしていた。


「へえ、この前の嬢ちゃんとは違うのか」


 ニヤニヤするニス、それに反応するリウス。


「あの時と状況違うからな」

「何だつまんねえの」


 そう言いながらドッグタグを確認。リウスは犯罪がないかを調べるが、犯罪もなく無事に街へと入る。

 巧と言うよりもドッグタグを持っていたのが巧だから、パーティーリーダーとして一緒に入れたと言ったほうが正しいだろう。


(保証人みたいなもんか)


 巧達は現在ギルドの建物の前に立っていた。


「ここで終わった事を報告するのと、リウスのギルド登録も済ますからついて来てくれな」

「うん、わかった」


 大分、巧に慣れたのかリウスとの会話ができ、おどおどした感じから流暢りゅうちょうに喋るようになったリウス。

 ギルド内に入ると受付嬢のシファやメルエ、その他受付嬢が忙しそうに作業をしていた。


「あの、トレン村からの依頼終わったよ」

「お疲れ様でした。ドッグタグと羊皮紙はこちらでお預かり致します。」


 シファは作業をすませたようで、すぐにドッグタグを返却する。


「それでそちらの方は?」

「この子はリウス、今日ギルド登録をするために連れて来たよ」


 後ろにいるリウスの背中を押し前に出す。


「は、初めまして……リウス……です」


 初対面の人にまだ慣れてないのか、巧と違ってたどたどしくなる。


「はい、初めまして。こちらでギルド登録を受け付ける際の必要事項を言うのと質問をいくつかしますね」


 にっこりほほ笑むシファ。

 そして巧が初めてメルエに質問されたような事をシファが問う。


「得意武器や魔法などは使えますか?」

「いえ……、けど火なら少し……生活に使ってました……」


(そういや雑談をしてた時に火を使えるって言ってたな。生活使用レベルらしいが)


「なるほどリウスさんも得意武器もなしなのに魔法は使えるのですか。生活レベルとなると★一つですね。次にランクについてお話しておきましょう」


 シファはエルメが巧に教えた事を言っている。


「―――以上です。次に申し訳ないのですが、こちらに記入してもらう為に書いて頂けますか?」

「あ……字……書けないです……」

「ああ、代筆お願いします。お金は払うんで」


 お金を払う巧、そんな巧を心配しそうな目で見るリウス。

 巧はリウスの頭を撫で落ち着かせる。


「わかりました。ではこちらに名前と年齢と出身地を教えて頂けますか?」

「名前はリウス・トラルスト。年齢は十五……だと思います……出身地はトレン……村……です………」


 トレン村の事を思い出したのか泣きそうになるリウス。

 そんなリウスは巧の服を掴む。

 シファはリウスの言葉にでたトレン村と聞いて、目が少し細くなったのを巧は気づいていない。


「辛い思いをしたのね……」


 心情を察したのかシファはリウスの頭を撫でた。


「ああ、この子は辛い思いをしたけどもう大丈夫」


 巧もフォローを入れる。巧はシファがリウスの頭を撫でれたのか尻尾を振っていた。


(好きなのか)


「では次にテストは……まあ飛ばしていいでしょう。ではドッグタグを渡しますのでこちらの上に血を一滴垂らしてもらいますね」


 ナイフを差し出してリウスは受け取り、指に刺し血をドッグタグに垂らす。

 巧の時と同じでドッグタグは光、そして何事もなかったかのように光が徐々に弱くなり完全におさまる。


「これにて終了です。お疲れ様でした。こちらのドッグタグをお受け取り下さい」


 リウスはホッとした様子でありドッグタグを受け取ると嬉しかったのか微笑む。

 そんな表情を見たシファは、再び尻尾を振っていると無言で立ち上がり、リウスの元へと来る。

 そしてリウスの横に立つと何を思ったのか、リウスを急に抱きしめ始めた。


「あーもうだめ! 可愛い可愛い。お人形さんみたい。持ち帰りたいー! 頬の火傷は可哀想だけどけどお姉さんが治してあげるわよ? 戦闘なんて連れて行くのは危険だしここで働かない? むしろお姉さんと一緒に住まない? タクミさんこの子お姉さんに頂戴!」


 リウスは困り果てた表情をし、巧に助けを求めるような視線を送る。


「確かに(二人とも)可愛いけどあげないよ」


 可愛いと言う言葉に聞きなれてなかったのか、巧が言った言葉にリウスは紅潮こうちょうし俯く。


「キャー! 顔を赤くしたリウスちゃんもすっごく可愛いよー!」

「リウスも困っているからそろそろいいかな? 次行かなきゃいけないし」


 そう言うと、名残惜しむかのようにシファはリウスから離れる。他の受付嬢を見ると特にメルエはそわそわしているのがわかった。


(メルエもリウス撫でたいのか。俺はあなたの胸を撫でたいよ)


 ギルドを出るとゴブリン亭へと向かう。

 時刻を確認するといつの間にか十八時を過ぎていた。


「ようタクミ、依頼終わったのか? 後ろの嬢ちゃんは誰だ?」

「この子はリウス。リウス、こっちはこのゴブリン亭の亭主であるオルレットさんだ。リウスは俺の仲間で今日からここに泊まる客の一人になるよ。部屋空いてるでしょ?」

「空いてるがどこにするんだ?」

「ああ、イルベル達の近くはダメだ、あいつらだとリウスの実害がある存在だ」

「ああ、確かにあれは流石にな」


 ウオルレットも同じ事を考えていたようだ。


「なら三階の三〇一号室かな。まあ今は他に客いないだろうから大丈夫だな。タクミ色々案内しとけよ」


 リウスを一階から順に案内したのち三階へ行く。三〇一号室に入るが巧の部屋とそう大差なかった。


「ここがこれからリウスの住む部屋だ」

「タクミは?」

「俺は二階の二〇五号室」

「嫌……」

「え?」

「私はタクミと一緒が良い……」


 大胆な事を言うのだ、巧は少し焦る。


「ん~流石に男女二人で一緒ってのはだめだしな、それにベッドはシングルだし」

「それでもタクミと一緒が良い……もう……一人は嫌……」


 幼い頃に両親を亡くしたのだ、村の連中から疎外され孤独も知っている。

 急に村に現れた巧、呪い子は知らないからかあの少し時間で話をして心を開き信頼できる人になっていた。

 更には村の閉鎖的な空間じゃなく、外の世界に連れ出してくれた人でもある。それが急に再び一人になると思うと寂しくて苦しいのだろう。


「大丈夫、俺はどこにも行かないってか約束したよな? 一緒に旅をする仲間が欲しいなって。それはリウスにとっては嫌な事なの?」


 首を横に振るリウス。


「ならさ、俺はどこにも行かないよ? まあ仮に、俺以外の人でリウスが信頼できて離れても大丈夫ってリウス自身思えたらどんどん外の世界に行ったらいい。俺はそれはそれで応援するし。そうじゃなくてもそれまでは一緒について行くよ」


 巧が笑う。そんな巧を見るリウス。


「私は……私は他の人じゃなくてタクミと一緒に外を……色んな所を見回って行きたい」


 真っ直ぐ見るリウス、巧はその視線に気恥ずかしさを覚えた。


「わかったよ。まあとりあえずは現状どうするかな」


 流石にこのままだと方向がズレていく気ががするのでどうするかを考える。


「そうだ、俺もこの際だし三階に移るか」


 二階はイルベル達がいる、そして色々と五月蠅いのだ。特に夜が。


「ちょっとおっちゃんに言ってみるかな」


 提案した所あっさり了承を得れた。オルレットからしたら一階で寝ている時は聞こえないが、二階へ行くと扉が開いているのか五月蠅いのだ夜が。そんな巧を不憫に思っただろう。


「流石に一緒は無理だが隣の三〇二号室になるとはな。これで夜は安心して寝れるかな」


 巧は基本インベントリ内にあるので特に荷物はないのだ。バックパックでもインベントリ内にしまっている。三〇二号室の部屋を確認するとリウスの部屋と同じで窓ガラスも取り付けられている。

 リウスを見ると笑顔になっていた。


「さて、飯まだだったな食べに行こうか」

「うん!」

他の客に害をなすイルベル達。この人達はいつ退治されるのかそして巧達の平穏はいつになるのか

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