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神隠しによる放浪記  作者: レブラン
第一章
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とある森にて

今回はグロ描写も書いているので苦手なかたはお控え下さい。

 夜明けだろうか空が明るくなっており、薄暗い森の中五人の冒険者であろう男女が走っていた。誰もが何かから逃げようと必死な顔をしている。


「もう嫌、何なのあの魔物!」

「俺だってわかんねえよ! いいから走れ! おい、弓か魔法で足止めできないのか!」

「ちょっと待っ……ぎゃぁあああ!」


 魔法使いの男は魔物に殴られ気絶し倒れ込んだ。


「アーリー!」


 後を見て立ち止まる弓兵の女性


「くっ、もうここまで追いつかれたのか! アーリーを助けるぞ!」


 四人は足を止め後ろのアーリーのほうへ振り返る。アーリーを含めればそれぞれ剣士二人、弓兵、回復職、魔法職は共に一人とバランスの良いパーティー。


 「先にエルが撃ってから俺とロウナはあの魔物を攻撃。その後にエルは援護射撃であの魔物の手足を矢で狙え。動きを止めた隙に俺はアーリーに近づきを拾い放り投げる。シャウナは急いで回復。その間に俺らで何とか持ちこたえる」


 リーダーである男の指示で三人は頷き行動を開始する。

 エルは弓を構えて撃つ。矢は真っ直ぐ飛び、魔物の体に突き刺さったかに見えた瞬間、矢が焼き消される。焼き消された瞬間に見えた魔物、ゴリラである。

 ただのゴリラではなく全体に白く大きいゴリラだとわかる。しかし、四人は一瞬何が起こったのかわからなかったが、すぐに魔物が魔法を使ったのだと理解する。


「くっ、こいつ魔法持ちかよ!」

「今の魔法の威力初級ぽいがでもかなり威力はあった、厄介だな……」


 弓は効かないと判断するメンバー、ゴリラはそんな彼等を見てあざ笑うかの如く声を出していた。四人はそんなゴリラを見て冷や汗をかいている。


「作戦は続行だ。エルは引き続き矢を撃ちまくれ。俺らは行くぞ!」


 飛び出す剣士二人、そんな二人に応戦するゴリラ。

 最初のうちは善戦していたのだが、時間が経つにつれ四人のペースが乱れ息が切れてくる。敵は各上、更に一つのミスでパーティーメンバー全員の命が失われるかもしれない、そんなプレッシャーの中戦わないといけないのだ。

 そんな中リーダーの男がゴリラの隙を付き、アーリーを掴み放り投げる事に成功した。あとは回復して撤退すればいいのだ。

 だがゴリラは見逃さないとばかりに、放り投げられたアーリーに向かって魔法を撃ち込みアーリーは全身炎に焼かれる。


「う……そ……」


 焼かれているアーリーを茫然と見ている。

 そんな様子を面白がっているかのように手を叩くゴリラ。


「アーリーを! よくも、よくも、よくも、よくも、よくも!」


 キッとゴリラを睨み付けるようにエルは弓を構えスキル名を叫び撃つ。撃った矢は緑の光を放ち、その矢の周りには範囲は狭いが鎌鼬かまいたちが発生し、皮膚が硬かろうが当たれば確実にダメージを与えれる。

 弓兵スキルの内の一つ【烈風の矢】である。

 最初に撃てばよかったのだが成功した試しがないのだ、戦いの最中何度か撃とうとしても成功できず、今回ようやく初めて使えたスキルであった。


 ゴリラに向かって飛んでくる矢、そんなゴリラは自分に飛んできている矢を興味もないような感じで見つめていた。諦めたのかとパーティーメンバーはそのゴリラを見ていると、近くにいたロウナの足を掴み矢に向けて放り投げた。


「キャアアアアアア!」


 放り投げられたロウナは矢を腕に当たり腕が吹き飛ぶ。放り投げ飛ばされた先にいたエルにぶつかり地面に倒れる。矢はそのままゴリラに向かっていたが、地面に落ちていた石を拾い投げると、矢にぶつけ相殺させた。


「ロウナ! エル! よくも二人を!」


 リーダーの男は立ち上がりゴリラを攻撃しようとするとゴリラは見越していたかの如く男を手で掴み押さえつける。抵抗するかのようにもがくが、押さえつけられて何もできない状態、それほど実力差はあったのだ。

 シャウナの回復魔法でロウナの腕を回復させていたが、腕は蘇生できないが傷は塞がっていく。そんな様子を見たゴリラ、誰が一番危険と判断したのかリーダーの男を離しシャウナに向かって飛ぶと、シャウナとエルはゴリラに片手ずつ掴み持ちあげる。


「ま、まさか……やめ、やめてくれ!」

 

 男は叫ぶ、ゴリラはそんな男の言葉を聞き入れずシャウナを掴んでいる手で握ると、シャウナは鈍い音と共に口から血を吐き出し潰れた。


「あ……う……」


 近くで気絶をせず見ていたロウナは震えうつむき、嗚咽を感じたのか口元を抑えて胃物が吐き出しそうになったがなんとか堪える。

 その様子を見たゴリラはより一層楽しそうにシャウナを握っている手を振った。もう片方のエルを見てみると気絶しているのか目を閉じている。腹を立てたのかゴリラは振り下ろそうとした。


「そんな事はさせるか!」


 ゴリラに向かって飛び出す男、剣を振り下ろそうとした瞬間、ゴリラは振り下ろす途中の腕を男に向ける。危うく振り下ろそうとした剣をエルに斬りつける寸前に止めた。

 ゴリラはもてあそぶかのようにエルを男の前で振る。男は攻撃しようとしても、どこに当たるかを予測しわかっているかの如くエルを誘導する。


「くっ……ロウナ! お前は街の冒険者ギルドに連絡しろ!」

「嫌! 私だけ逃げるようなのは嫌!」

「いいから! このままじゃ俺たちはどの道全滅する、だからお前だけ行って仲間を要請してきてくれ。ここは何としても食い止める!」


 現在の状況はロウナにも頭ではわかっているはずだ、だが仲間を置いていけるとは考えたくなかったからである。


「でも……でも……」

「頼む、今こいつを知らせないとこれから先多くの冒険者が危険な目にあうはずだ。それを知らせないで何が冒険者か、大丈夫お前ならやればできる。さあ行ってくれ!」


 泣きそうになるロウナ、だが男の言葉に決死の覚悟が伝わったのか立ち上がり街のほうへと向かう。その後ろ姿は小さくなりやがて消える。

 そんな後ろ姿を見る男、男とエルはここで確実に死ぬだろうと。

 ゴリラはやりとりを聞いていた。実力差がはっきりしているのだから、いつでも三人を殺せたはずなのだが、そんな三人を殺さなかったのは気まぐれなのかはわからない。男はゴリラの動きが止まっているのがわかると攻撃しようするのだが、ゴリラは男の攻撃を気にせず体を掴む。男はあまりの痛さに男は思わず剣を離した。

 そのままゴリラは男とエルを掴みながら森の奥へと姿を消したのであった。


 地面には剣と腕が一本、そして全身焼かれたアーリーに、体を潰され口から血を吐き絶命していたシャウナが残された。

 その目撃者はロウナただ一人、ロウナが無事街へ到着するとギルドは今回の騒動を聞き、冒険者を派遣させる。

 ルビアリタの街は白い魔物の噂で騒がれるのであった。

ちなみに男とロウナ、アーリーとエルは付き合ってます。シャウナだけ蚊帳の外。おお不憫不憫

男とニナの死亡フラグどうしようかと思ったけどまあ何となく生かしてみました。まあ次の話で生きてるかわからないけどね


弓兵スキルで中二病的な名前を思い浮かべようとしたが無理でした。とりあえずはそのままで

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