68, ダンジョンで、………戦後報告⑪ ロック・オン!
体調が思わしくなく、今日はこれくらいで投稿します。
すぐに続きを………、グウ。
十四階への階段を上がったのは気付いていましたが、…………こんなに上っていたとは思いませんでした。
現在位置は十四階のセーフティエリアの中、というか雲海にぽかっと突き出た天○の城みたいな情景が。
雲海自体は見渡す限りで、遠くの方から何かが飛んできているようですが、それも依然として小さいままで、いまだに判別が付きません。
ただ、なんとなくドラゴン系かなと。
俺はゴーレムハウスの屋上庭園に来て、引っ越ししてきた薬草たちの処遇を若様のナンノキと相談していたところです。
ああ、そういえば世界樹の若様の名前は、結局俺が付けることになりました。
ナンノキと。
出会った頃の第一印象です、これ何の木? から命名しました。
ノコギリソウたちも雄株と雌株でリーダーと副リーダーに名前を付け、残りのメンバーを統括する感じに。
やはり、寝食を共にしている内にどうしたって情が移るというもので………。
ノコちゃん、ギリちゃん、ソウちゃんの雌株たちと、ジー、グウ、ソーソの雄株たち。
引っ越ししてきた薬草たちは、ノコギリソウやナンノキと同じような環境で良いとのことで、あまり手の掛からないことに。
魔銀のズボンをサスペンダーで吊った草木類が増えました。基本は、魔力水で育ちます。が、たまにおやつがあれば……と。
『あるじ様、アレ妹みたいだなっす。』
と、ドラ子がのたまった時、俺たちの背中側からドラ子の言っていた、そのドラゴンを狙って一直線に向かう巨大な鳥が。
各種の冒険譚には欠かせない存在のロック鳥でした。翼端から翼端まで七〇メルは有る超巨大な鳥(?)……、鳥かこれ?
その存在に気付いたドラゴンがわたわたと動いたかと思うと雲海に沈み込み、その第一撃を何とか躱した模様。とはいえ、完全にそのドラゴンを見失った訳ではないロック鳥が攻撃を仕掛ける前にドラ子から緊急要請が。
『まだ、狙っているだなす。あるじ様、助けて欲しいだなす。』
ドラ子の必死さに、つい心が動かされてしまったのは確かなところ。
もっとも、ユージュがすでに何かやる気のようなので、俺は微調整だけを。
「風よ、渦を描いて壁と成せ、ロール・ウインド」
風で雲の絨毯が巻かれていく。
ユージュのイメージが何が元かは分かったが、言うなら『モーニング・グローリー』だったんじゃないのか?
「ピュルリリリィィィ」
そう一啼きして、あっさり躱しやがった。そのデカい鳥は、右の尾羽が少し欠けているというのに、あっさりと高機動を見せるとは大したヤツ…………。
あれ……、俺どっかで同じ事思ったことがあるぞ……、いつだっけ?
ほら、あの……、アイツ……、なんて言ったっけ? 確かピーは付いたはず……。
「あ、『ピー助!』!」
思い出した途端に口から飛び出ていった言葉は、思いがけない行動を呼び起こした。
『ピ、ピューイ』
と、甲高く啼いたかと思うと器用にその場で急旋回をかけた。
『ピピピピピピピピ、ピュイピュイピュイ』
俺の方、目掛けて飛んでくるようです。
「アンタ、責任取りなさいよ。」
ルナのその言葉が終わらないうちに、雲海目掛けて放り出されました。
「わー、ルナ、何やっているの?」
ヒリュキが驚いていましたが、事態の収拾には必要なことでありました。




