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気象魔法士、ただいま参上 !  作者: 十二支背虎
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67, ダンジョンで、………戦後報告⑩ 四二,一九五

 さてさて、薬草ですが目の前に広がる草原の全部が、何かの薬草でした。


 薬草の鑑定結果は目の前に表示されるのですが、さすがに表示が多すぎて重なってしまって結局、何が何やら……。


 そして、道を開こうと誰かが足を踏み出すたびに、何かの薬草が立ち上がり、競走するという事態に……。


 俺も走ってみたのだが、芯となる薬草に他が絡みつくことで多重効果を引き出していた。


 これはあれか?

 薬草の組み合わせか……。なるほどね。


 お陰で、俺のステータスの中に在る各種薬草のレシピが勝手に埋まっていく。

 ただ、結構な数のレシピが在るようだが、これ全部埋める気か、こいつら。


On(オン) Your(ユア) Mark(マーク)!』

 今もまた……。誰かが挑戦のために立ち、そして、競走が始まる。

Ready(レディ)……』

Go(ゴー)!』



 誰かが走り、レシピが埋まる。






 誰かが走り、レシピが埋まる。





 誰かが走り、レシピが埋まる。





On(オン) Your(ユア) Mark(マーク)!』

 今もまた……。誰かが挑戦のために立ち、そして、競走が始まる。

Ready(レディ)……』

Go(ゴー)!』


 今度は趣向を変えたようでハードルが立ち上がる。いや、ハードルだけではない、地面が凹んで水溜りが出来る。障害物競走か!


 生涯遺物強草という草が参加していた、アクセサリを作った時に使う、耐久試験用の草だった。

 これで次に来る草の予想が出来る。


 持久走だ、違った……持久草だ。


 ここで持久走とは……、もう、誰が挑戦するよ?




 立ち上がったのは、俺たちも薬草たちも考えつかなかった予想外の挑戦者。


 細い体にハチマキを締めて、魔銀(ミスリル)のズボンをサスペンダーで吊った世界樹の若芽(ワールドトレンツ)ナンノキ(・・・・)が、地面から足を引っこ抜いて、スタートラインに着いた。


 さすがにこれには、薬草たちも驚いていた。

 ある意味、天上の方だもの、薬草たちにとっては。


 その前に出てきていたノコギリソウにも、別の意味で驚いていたようだったが。


On(オン) Your(ユア) Mark(マーク)!』

Ready(レディ)……』

Go(ゴー)!』


 ゆったりした動作から走り始め、やがてスピードに乗る。


 定められたコースを周って帰ってきた。表情は限られているが自分のベストを出したようで、満足げであった。


 これで、俺のステータスにある薬草のレシピはほとんど埋まり、あと一つ。

 ようやく薬草レシピは完成し、図鑑とともにコレクションが出来る。



 最後に立ったのは三倍の速度で動く事が出来るという朱雀(赤ザク)雲丹(ウニ)のクァットロさん。


 対する薬草からは艦隊兵用のチーププロジック・サプリのレシピを持つ自由強草という薬草が立った。


On(オン) Your(ユア) Mark(マーク)!』

Ready(レディ)……』

Go(ゴー)!』


 最後の最後にぶっちぎりで競走が終わった。

 レシピも完成しました、実に四二,一九五種。



「ようやく、終わったか? 帰って……寝るか……。」

「そうだね。」

「そうするか……。」



「セトラよ、どこへ行く?」

 俺の行動に不審を抱いた魔王様が声を掛けてくれなかったら危ない所でした。


「はっ、終わって帰ろうとしていた?」

 終わったと、思った途端に張り詰めていた気が抜けておりました。


 ゴーレムハウスに戻り、自走モードにして次の階まで進んで貰いました。

 今日は、各自が少なくとも五〇レースは確実にこなしているんです。今日はポロッグとカウエルの肉と貰った薬草を絡めて焼き肉パーティーで締めます。


「みんな、お疲れ!」「カンパーイ。」「風呂行くぞー。」

「従魔の君たちもお疲れ。明日もよろしく頼むな。じゃあ、お休み。」


 ナンノキとノコギリソウとの会話から薬草がゴーレムハウスの屋上花壇に引っ越ししてきたそうです。

 ……マジですか? 明日です。全ては明日。

 明日は十四階。メークドラマは、ひと休み………ぐぅ。

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