タク・トゥルの休日 終の①
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タク・トゥルの長ーい休日が終わった。たった一日とは思えないほどに濃密な時間を過ごした俺たちは、新しい従魔と仲間たちを引き連れて城に戻った。
戻ったのはいいんだが、鬼が居ました。角が生えている幻視を見せるほどの貫禄です。
「セトラ~、どこ行っていたのよ~。」
幽鬼のような話し方のルナに背筋が凍ってしまいました。
どうやら、記憶は現在の時点に戻っていたようで良かったです。
「また、美味しいものとか食べていたんじゃないの~。」
「そそそそそそ、そんなことはななな、無いですよ?」
「そこまで噛んでおいて、無いとか言ってんじゃないわよ! さっさと出しなさい。」
ガリントを出したらドラ吉とドラ子、火トカゲの従魔たちの目がキラキラッと。
しまった、間違った。
「こっちは従魔用で俺たちはこっち……。」
出したのは、ガリントと同じ大きさ、長さのカリンテとドーナッテ。単に柔らかさが違うだけじゃなくて、人間用のために甘みを追加してある。
「さっさと寄越しなさいよ! ……堅ったぁ。何これ?」
「ネタ振りかよ……。わざわざ従魔用のやつに手を出さなくても……。」
「セトラ様、楽しい一日を過ごしましたよ、本当に……。」
「タ、タク・トゥル……、お疲れ様です。」
タク・トゥルの背中が、声を掛けずには居られないほどの哀愁を背負っていた。
よほど、振り回されたものと思える。
その恨めしそうな言葉から、その当時の状況を察してあまりある。
パットの三歳は時間としては近いものだっただろうから良いが、ルナの三歳って俺たちでさえ想像することも出来ないのだから。あの憔悴ぶりからすると、相当のヤンチャだったんだろうなぁ………、南無南無~。護衛に付いて回っていた人たちの憔悴ぶりったらないもの。
対して、こちらは従魔連れているし、ウェーキはどういう訳か嬉しそうだし、な。色々あったんだよ、これでも。
「ウェーキ、何でそんなに嬉しそうな顔してんの?」
さあ、始まります、コヨミ姉ェのツッコミ追及。
というか、主導権握られるとウェーキの死亡が確定します。
意外に鋭いし、誘導尋問というのか、関係ないとこから筋立てていって正解をぶち抜くタイプなので、意外に怖がられています。
ウェーキとかウェーキとかウェーキとか、その男友達にですが……ハイ、俺です。
「タク・トゥルから指示のあった工事は五割方終了している。後は石材の加工が済み次第の所と細かい所などの詰めと装飾の辺りだな。問題の火トカゲとの対話は終了し、ゴーレム鉄板の火元としての雇用を考えている。すでに従魔としており、俺の配下だ。取得スキルは小型化と精霊化だ。」
そう告げた所で、魔王のシャイナー様からお電話、もといお手鏡通話が。
『セトラ~、迎えに来てくれ。ちょうどドラ湖辺りだ。』
「『分かった、今行く。』じゃあ、ルナ、シャイナー迎えに行ってくるから。」
「しょうがないわね。ここに戻ってきなさいよ。」
と、いま居る部屋の床に人差し指で示していたので「はいはい、では転移。」と言っておいた。
「むぅ…。」
そこからの展開は俺には分からない。
魔王を連れて戻ってみると、ウェーキが問い詰められていて、そのウェーキを庇うように水竜のホシィクが顕現して、その魅惑的な姿【ボンキュッボン】の超ビキニを披露して男どもはぶっ倒れているわ、女性陣からは鋭い質問が飛び交っているわとカオス状態で、連れてきた魔王様も見た瞬間に鼻血ブーで出血多量で、沈みました。
ホシィクも懲りないな。
ウェーキとの契約時に水竜様のままだったために、顕現する際の姿が変えられない。
ウェーキの魔力量や適性に関係している事を忘れていたために、どうしても水竜様顕現の基本状態での召喚か、もしくは出現になるんだそうな。
ちなみに火竜であるドラ子は、胸がやや寂しいながらもその服装は変幻自在。
そう、ドレスひらひらで前途有望な発育不良か、超ビキニでの出現の【ボンキュッボン】かだが、これからもホシィクの出現には死線を越えた男子生徒の視線が集まる。




