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気象魔法士、ただいま参上 !  作者: 十二支背虎
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ドラ湖、誕生秘話②

 さて、ドラ吉くんが突っ込んだ場所はタクラム砂漠でも意外とパレットリア新国に近く、あの日も大音響とともにドラゴンが砂漠に突っ込んだのはパレットリア新国から見えていたらしい。


 ただ、そのあとは砂の柱が立ったままで、今までに見られていたような砂の崩落による砂煙とか、砂嵐だとか全くなくて、天気の神様のお陰か?という言葉に焦った人物が一人居ただけのことで済んだ。

 どうやらフラッシュは見えなかったようで良かったが。


 砂の柱が依然として消えないことに、タク・トゥルからの伝言が火もぐ・ロードから届いた時は焦ったけど……タハハ。解除を願う時には、すでにダンジョンの天井でありながら、砂漠の砂の底にはガラスではない、超高熱と超高圧によるキラキラと輝く透明な鉱石が広範囲に存在していた。


 ドラ吉のスタンプ攻撃に装転移(パワスタ)は耐えたがその周囲にあった土や砂はそうはいかなかったらしい。深さ四〇メル、その底に半径一〇メルもの金剛石(ダイヤモンド)の巨大な穴が誕生していたのだが、その周りは砂漠ではあったが、ドラ吉襲来時の高熱による融解(ゆうかい)(いびつ)な岩に固められていた。砂漠のど真ん中にホーロー鍋が出来たようなものだった。


 金剛石(ダイヤモンド)と呼ばれる鉱石は火に弱い面があったのだが、風によって回る砂の柱から弾かれたケイ石と呼ばれる物質、つまりはガラスのもと(・・)がダンジョンの天井の上のダイヤモンドの上に深く降り積もった。矮小な欠片(かけら)だったからこそ、風によって転がり丸くなっていったようだ。

 しかもそれは堆積物として層を成した。同じ理由で水晶のかけらも降り積もっていた。

 それらは、ほぼ均一に一〇メルほどの厚みとなっていた。


 俺が砂の柱を解除した時、そこには別世界が広がっていた。 風の柱で外界と隔てられていた場所には、水が湛えられていた。成層圏まで到達した時に取り込んだ冷気が水となって駆け下ったらしい。

 らしいというのは、湖を鑑定したらそういう鑑定文が出てきたためだ。


 今回、見つけた湖は、ドラ吉による超重力と超高圧の衝撃とその他諸々の条件が重なって出来上がった自然と超自然の合作となった。


 そこに俺たちは転移し、ドラ吉は元の大きさに戻った。


グワリ(ドラッ)ャ「噛んだな」………、グワラァ(ドラ子ーーー)ァァァグワァ(こっち来いやぁ)!』

 久し振りの吠え声だったためか、噛んでいた。しかし、ドラ吉にドラ子とは………。


 大きくなったのはあれ以来だったから久し振りっと思ってはいたが、羽は変わった時のままの天使のような羽で、ドラ吉はドラゴンの中でのレベルが上がったと喜んでいた。


 だが、呼ばれて振り返ったドラ子は急速旋回して、いきなり加速するとドラ吉へと向かってきた。


 ああ、感動の再会だな。良かったな、ドラ吉…………。























 ドラ子と呼ばれたドラゴンは、ドラ吉を目掛けて飛来したかと思うと、その目前で宙返りをかまし叫んだ。無論、シッポはその回転に釣られてドラ吉を撃墜した。


『アンタ、誰ね? わだすを気安く呼ぶんじゃない! ってアレ? ドラ吉の匂いだ………、ひょっとしてアンタ、ドラ吉?』

 地面へと落ちていくドラ吉を追い掛けてドラ子がダイブする。


『ド、ドラ子………』


 口を開いてドラ子の問い掛けに答えたドラ吉だったが、脳しんとうを起こしたかのように、体勢を維持できずにそのまま落ちてくる。

 このまま、地面に激突するかというところで俺は風を発動した。


「風よ! 我が意に応えよ」


 最近、この世界での魔法に対する理解が進み、気象魔法と関係している魔法が相互にその効果を絶大なものまで引き上げている。ドラゴンを支えるというイメージをするだけで、四方八方から集う風は魔法による加速と自重による加速を使って急降下してくるドラゴンを追い抜き、ドラ吉の下でお互いにぶつかることによる濃密な風の圧力によりドラ吉を支えた。


 小さいままなら俺が受け止めるところだが、でっかいままのドラ吉を支えるのは容易ではないからな。


 ドラ吉を風で受け止めると、なんか安心したようで『キュウ』と言って小型化した。


 ドラ吉が小さくなったことに気付かないドラ子という名のドラゴンは金属質のキィィィィンという音を立てて加速した。地面が近いというのに加速するとは………。

 俺は慌てて層転移(クラスタ)を発動、衝撃から自分とドラ吉を護り、ドラ子の着地の瞬間に風に支えさせたが、また、盛大な砂の柱が立ちました。


 風に頼んで砂を制御し、ドラ子の落ちたところを見ると同じような穴になっており、すでにドラ吉の湖から水が流れ込んでいました。その水による冷却が効いたのか、ドラ子がすっかり落ち込んでいました。何故って、自分ではない風を制御した者に助けられたからです。超加速による超高圧で突っ込みましたが底の方にあるのは半径五メルくらいの透明な鉱石でドラ吉の湖のように周りは高熱で解けているという彼らにしか出来ない偉業を為した。瓢箪(ひょうたん)のような形になりました。


『あんたぁ、誰だ? ドラ吉さぁ、そんなに懐いているの初めて見ただよ』

『俺はドラ吉のあるじだ。従魔契約をしている。』

 ドラ子は言葉が通じて、びっくりしてました。






ヴァヴ(…知らない)ルゥゥゥ(天井だ)』と声を上げて、目覚めたのはドラ吉。

 彼が気絶してからそばを離れようとしなかったドラゴンのドラ子が、心配そうに声を掛ける。

『お前様、大丈夫だか?』


キュ()……キュウ(あれ)?』

 有名なセリフのあとに、見詰めてくるドラ子の表情に思い詰めたところがあるのを感じて不審の声を上げるドラ吉だったが、次の瞬間悪夢に襲われた。


『ちっちゃ、可愛いぃぃぃぃぃぃ!』

 キラキラした目で見詰められ、抱き上げられたのだ。


 一頻(ひとしき)り、それが続いたことに、女性はいずこも同じなのかと虚ろな目で俺は見ていました。さわらぬ神に何とやら。



『やめんか!』

 そう言ってドラ吉が元の姿に戻ると、それはなんとか収拾が着きました。


『従魔になったのは成り行きだが、お前とのことも忘れていた訳ではない。すでに初の共同作業を終えてしまったし、一緒になろう。この湖は俺とお前の共同作になるな。ここを巣に決めよう。良いだろう、ドラ子。』


『それは外せないだか?』

『うむ、あるじ様のおやつは激ウマなのだ。それが無くなるというのは、とても耐えられん!』


 おやつといって、ドラ吉は俺に小さな手を出した。

 しょうがない…………、こいつが従魔になった時点で想像は付いていた。

 あまりにも、想像通りだったけど。


 ワッホゥの中身が蜂蜜のバージョンを取り出して二人に与えた。


















 結果は言うまでもなく、その魅力に嵌まったドラゴンがまた一匹従魔になりました。


 二人の愛の巣はドラ湖に決まり、ドラ子が作った小さな湖の方は水門を設けお湯の配管を潜らせることでお風呂にもなります。


 大きい方はドラゴンの立ち寄り場、水場としても利用され、パレットリア新国の王族の毎年の避暑地に指定されました。

これを上梓して、カウントされたアクセス数が1,112PVになりました。

 アクセスして頂いた方々にお礼を申し上げます。たった一日で一〇〇〇件越えとか、

 仕事中に開いてみて驚いていました。今回は、本当にありがとうございます。

 さて、続きを考えねば……。

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