43, ダンジョンで、………異種格闘戦? 終の一
仕事で早起きしたら、更新の文章も抜けてしまい、一度抜けてしまうと立ち直せなくなってズルズルと。ひとまず出来上がっている部分をお送りします。次は早めに書いていきます。すみませんでした。
俺のものに手を出しているんじゃねーー! とは、思ったんですが、俺らを含めて六十二名の大集団でいくらイカの足と手があるといっても、十本でしょう。
何で、ほぼ半数の三十名の女性魔法士にだけ絡みついているんですかい?
しかも、どうやら麻痺などの状態異常が掛けられているらしくパクパクと口だけ開閉しているような動作に哀れみを感じるのは俺だけでしょうか?
というか男どもは何をやっとるか!
あれっ………、ちょっと長めの触腕? 触手? が穴蔵から出ては何らかの麻痺でどんどん男性魔法士が動作不良を起こしてしまっている。
「なあ、シャイナー。アレって本当に烏賊か? なんかくっついてないか?」
アレを設置した当の本人に聞いてみました。
ハァと、溜息をつくとシャイナーが解説を始めた。
「眷属として、カツオノエボシとイソギンチャクを召喚しているようだな」
先程、ルナを掠めて扉に刺さったヤリイカもあったが、アレも召喚していたという事か?
「海じゃないのにか?」
「前世の常識は通じないのは分かっているだろう?」
「確かにそうなのだが。…………まさか、あの時、ルナが投げた銛で死んだ奴らか?」
「ご明察」
「で、海洋生物なのに、海が怖くなったということかな?」
「ご明察」
「で、今になって意趣返しをしていると。おっと、土壁!」
「おお、流石……って、見えているのか?」
有り得ない角度で砂の中から狙ってきた触腕を砂の中に上下三メルの範囲でに土の壁を生やした。本来相手は海洋生物だが、その常識を覆してきたというのなら、こちらは自然界と魔法の常識をひっくり返して対処するまでのこと。
本来、土というものは砂の中には存在しない。土は水気と岩などの鉱物、そして、それを分解するバクテリアの集合体だからだ。土の存在しないところに土の壁を存在させるという力技によって土壁を存在させた。
本当なら砂の壁だが、強度的に厳しいものがあったからだが。
ただ、それだけを狙ったものでは無く、 相手の触手や触腕の対策も関係していた。
「成長!」
とたんに地上地下を問わず、つる植物が成長する。土壁を生成する際に種を練り込んでいたものだ。本来の土ではなくて砂なものだから縦横無尽に走りまくる。あっという間にダイマオウイカを中心とした半径三十メルほどのオアシスを作り上げた。
しかも笊のように細かい目はそれだけで水の表面張力を復活させる。
「雨よ、癒やしの雨よ……、あの辺に……」
などという余りにも大雑把な詠唱にシャイナーが目を剥く。
「あの辺って………、そりゃ無いんじゃないの?」
その『あの辺』に居たのは、麻痺を受けてしまった人たち。麻痺は解除されたものの『拘束』は解かれていない。逆に濡れてしまったことで非難の言葉が………。
「冷たっ!」「いやぁ、このままで放置するなぁ!」「セトラ!さっさと解放しろよ!」などと、非難囂々。
「君らなぁ、そんだけ口が立つなら詠唱の一つでも出来そうなモノだが……? 魔物を目の前にして、何の手段も講じていないとか有り得ないでしょう? そんなんじゃちょっと頭の良い盗賊でもいたらカモだよ?」
「何を分かったような口聞いてんだ……よ?」
「あ……」
え……、どーしたッスか? みなさん? え……何々。
非難しまくりの状態から口を開けて呆けていますが大丈夫でしょうか?
「「「「後ろッ!」」」」
「え………」
振り向いた俺の目の前に、でかい触手がありました。アハハ、こりゃ人のことは言えないな。で、タッチされると言葉も出ません。状態異常の麻痺炸裂です。
「お前まで麻痺してどーすんだ。」と、非難されましたが、さて、どーしましょう?
ちなみにシャイナーも麻痺してます。




