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気象魔法士、ただいま参上 !  作者: 十二支背虎
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32, ダンジョン掃討戦、うなれ、生活魔法!

戦闘シーンが…………、下手で、すいません。ずいぶん書き直したのですが………。

あまり変わりませんでした。

「ヒリュキ、どこまで見える?」


 俺の感覚とヒリュキの目でだいたいの侵食率を叩き出す。これを確認しないでただ突っ込むとか有り得ない。相手は学院を囲む結界のすぐ側まで来ているのだ。シュッキンの結界を組み入れたら、速攻で叩くぞ。


「結構な浸食率だな。一歩踏み込んだら一直線で最大火力を叩き込まないと、遭難だね。」

 厄介そうなヒリュキの言葉にやはり、と頷く。


「老師、結界の保持を引き継ぎ完了です。第一階層の扉を十秒後に開きます。カウント開始します。十,九,……」

 シュッキンのカウントを聞きながら、第一班のメンバーが自分の得意の最大魔法を組みあげる。

「三、二、一、ゼロ。開放します!」

「ウェーキ、ジョン。やれ!」

 俺の指示に答え、魔法を放つ一人と一匹。


水雷(すいらい)!」

「ガウッ」


 詠唱省略などではない濃い想像力の呪文を放つウェーキの、その魔法はその短い詠唱とは逆に通路一杯に広がって、その壁、天井、床に浸透していく。水はその魔物の九割くらいを構成する物質で、一瞬で魔物の体内に吸い込まれ終わったかのように見える。

開放(リリース)!」

 だが、そこから放たれる雷は、魔物を麻痺させダメージを継続して与えていく。

 

 ダンジョンの壁や床、天井などからダメージを受け、削れたり剥がれ落ちてくるその魔物は、続いて放たれたジョンの氷雪魔法にその足元から突き当たりまでの氷雪となって、魔物に直接のダメージを与えていく。


 しかし、様々な種類の集まったその魔物は、それだけでは壊滅までは行かない。

 水に強いもの、火に強いもの、はねるもの、仲間が受けた傷を癒やすもの、非常に堅いもの、などなど。前世でやっていたようなゲームなどでは個別であり、生息する場所も全然違う場所に居たような連中だ………………………………、その魔物は、スライム。


 そして、俺の手のひらで風に踊っている極小のディノの魔金剛(アダマンタイト)の爪から、造りだしたまきびし(・・・・)がその風の力で、癒やす(ヒール)スライムと堅い(メ〇ル)スライムの体を撃ち抜く。


 今まではそれが渾然一体となって学院との境界線である結界まで湿潤をしてきていた。 あと半年放って置いたら、学院側を侵食しだしていたことは予想に(かた)くない。


 火モグラたちが、ほぼ唯一戦いを避ける相手。

 堅い自慢の爪は相手に届かず、熱を放っても対抗手段が多いためか、ほとんど影響が出ない。休眠状態の時に襲われる火モグラも多かった。


 だから、現在の石で囲われたペット状態に甘んじていても、そこにはこの相手は近寄ってこないというメリットがあった。


「こんな時にも役立つとは………。」

 そう言いながら、俺は「床暖房」の工事の際に取っておいた石柱を繋げて足場にしておいた。その足場を徐々に拡げながら、考える。


 さあ、後続の攻撃の指示を始めようか。


「ヒリュキ、この階層はどうなった?」

 今の絨毯爆撃で経験値を取り込んだヒリュキの真実の瞳はLv.3になったばかりだが、慎重に周りを見渡していった。


「そうだね、この階層に大きいのは居ないかな。でも小さいのが岩の(ヒビ)とかに(もぐ)り込んでいるみたいだ。あと、この階層の奥の方に堅いのが固まっているところがあるよ。あれをどけないと次の階には行けそうにないな。」


「堅いのは、俺がこじ開けよう。あと、潜り込んでる? ってことは、毛穴みたいな感じか?」

「! そうだね。ああ、なるほど想定済みかい?」

「まあね」


 前世の地球に居た生物で、痛手を受けると巣の中に閉じこもってしまうものがいた。それを思い出していたのだ。俺もヒリュキも。


「良い訓練というか鍛錬にもなりそうだろ?」

「さすがです、老師」

「じゃあ、シュッキン。ここの結界の保持は、離れても出来そうか?」

「問題ないです。タクラム・チューを丸ごと結界を掛けていたことに比べれば、全然余裕です」

「おお! シュッキン、お前もなかなか凄いな。」

「光栄の至り」

 声を掛けるとシュッキンの満面の笑み、こいつも良い方に変わってきている。


「コヨミ姉ェ、この扉とシュッキンが今立っているところに癒やしの雨をお願い。」

「……え、ど、どうやってするの? 意識してやったことなんてないよ」

「大丈夫だよ、このあいだのみんなみたいに「お願い」したら良いんだよ。」

 俺の言葉に半信半疑のようだが、ここは確実にコヨミ姉ェの力が必要なのだ。


「ね」

「や、やってみるよ。……………………、ねぇ、雨クン、ここに降っ……! た?」

 目を瞑って瞑想していたコヨミ姉ェが声を掛け、言い終わらぬウチに癒やしの雨が降ってきた。ほら~、(なつ)かれているじゃな~い。


「イクヨ、俺と一班に混じって。風鎚(ふうつい)の魔法をお願い。シャイナー、後続全員この接続部に()ぎ込んで。このあいだの生活魔法を微細なレベルでサーチ&デストロイで。あと、中央に置いてある袋にスライムを集めて、ジョナン講師とジョウンで核の取り出しを。これはあとで均等割するから。」


「了解!」


 声が重なる。


「風よ、お願い!」「炎よ、小さく強い炎よ、願いに応えよ」「水よ、誘い出せ!」「雷よ、水に合わせよ」「火よ、水を誘い出し、乾きを与えよ」「清浄なる水よ、洗い流せ」


 そう、生活魔法でも熟達したら、それは自分だけの武器になる。

 俺は、そうやってきたからな……………、前世からずっと。


「風よ、我が手に集いて、彼方を穿(うが)て!」

 まきびしを握った手のひらを開き、風の力を借りる。一階層最奥の大きくて堅い(メ〇ル)スライムに撃ち込むとその蠕動が止まる。


「イクヨ、いまだ最大の力で風鎚(ふうつい)を放て!」


 俺の言葉にイクヨが反応し、魔法を放つ。俺のまきびしに貫通力を与えると、そのまま加速。凄い音がして、一階層が、ようやくクリア可能になった。

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