241, ダンジョンへ GO!
生きてます!
レディアークは、帰還の途に着いていた。
帰還する先は、もちろん懐かし?のゾーディアクになる。
リュウやティア、チヅルたちにとっては久しぶりの我が家であり、オレことセトラやアトリ、コヨミにとっては、懐かしすぎる記憶の大地になる。
そこに向かう仲間たちの多くが初めて集うである場所。
宇宙に浮かぶコロニー艦隊の母艦だ。
巨大過ぎて旋回するのに地球の公転軌道程になる。最大噴射を掛けるが一週間ほど掛かる。それだけの
大きさだ。
多くの困惑と大地の女神の祝福を載せて、今、レディアークが管制官の指示に従い所定の港に、係留を終えた。
「はるかに、困惑の比重の方が大きいと、困っちゃうよね。」
チヅルが、ボヤく。それは、これから向かうところで確実に起こりうる事だったから。
「それにしても大丈夫なの? リュウ、会長と総帥は強力なテレパシストよ? 情報が筒抜けになっちゃう!」
「まぁ、大丈夫だろう。仮にも魔法使い様たちの障壁を突破出来るとは思えないよ。」
ティアとリュウの会話に、混ざるオレ。
「我に秘策あり、さ。」
「マジか? セトラ?」
「ああ、こちらにも、強力な術者がいるよ。あの二人を突破出来るとは思えない。なんと言っても似たもの同士だから、ね。」
と、ウィンクする。
「ウッ……。似たもの…同士って、マジで。まさか。ウソだろう! 信じられない…。」
リュウが信じられないのも確かだけど、オレが気付いたときの衝撃は途轍もなく大きかったよ。
そうこうしているうちに巨大な車両が会長室の辺りから分離したのが見てとれた。
「何か、嫌な感じですわ。
こちらを密かに探っているかのような苛立ちを感じていますわ。」
「わたくしも、ですわ。」
今は、隠しネコミミのリウスとリメラが不安を語っていた。
目の前に到着したラケヨー・コミューターの重厚な扉が開いていく。
ヤス・イデ・オツーキィの操作によるものだ。
出て来たのは、勿論、タガワ総帥とタガワ会長になる。
「レディアークの無事の帰還おめでとう。何かトラブルで惑星に降りてしまったと聞いたよ。惑星にポッドも使わずに降下出来るなんて、戦術を見直さなければならんな。」
タガワ総帥の言葉に「やはり、知っていたか…」と、怖気る者たちの中にあって、フンスと息巻く者たちがオレの側に居た。
嫁のリメラとリウスである。
「どうでも良いけどアンタたち、人にチョッカイ掛けてくるんじゃないわよ!」
堂々たる態度で、タガワ総帥とタガワ会長を指さした。
「「何の事か、分からないな。」」
惚ける会長たち。
それを憤怒の表情で睨め付けるリメラとリウス。
「さっきから、コチラを探る想転移を止めなさいって言ってんのよ!
二人して、それぞれに指さす。
結構、オコである。ツノが見える。
隠しているネコミミがイカ耳になり、尻尾が膨らんでいく。
総帥にはリウスが、会長にはリメラが食い付いている。対戦相手が、決まっていた。
それぞれが、それぞれの。
「ハァ、だいたい何だい、その想転移ってのは。」
知らない言葉に、戸惑う総帥。
そりゃそうだね。聞いたこともなかったらオレだって、そうなる。仕方ない。
『想転移』
状況をクリアするために、一枚開示することにした。
『ああ、リメラもリウスも落ち着いて。そちらの方々も。オレはあなた方の言葉で言うロストワールドの惑星からこの時代にココに着いたばかりだ。想転移って言うのは、こういう相関関係の意思交換のフィールドを構築する魔法だよ。』
『ロストワールドだって? 魔法? 使いこなしている? 君は一体、何を言いたいのかね?』
『それにこのフィールドを構成しているのも?』
疑問があると、矢継ぎ早なのは、相変わらず、か。
『オレは、エト・セトラ・エドッコ・パレットリア。パレットリア国国王である。あなた達に食い付いているのは、嫁のリメラとリウス、ともに王女である。手を出すなよ!』
オレは、会長たちを睨んだ。
『それにアンタたちは、これから忙しくなるはずさ。ウィルスが入っちまった。オレたちは、ダンジョン攻略の真っ最中なんで、失礼するつもりだよ。』
『ウィルスだと。』
『ウィルスを持ち込んだ者をそのままにすると思っているのか?』
激昂する会長と総帥。
『落ち着いてよ? 御先祖さまたち。』
爆弾が、落ちた。
『…御先祖さま? 誰が、誰の?』
『キミたちが、嫁たちの。』
『『『『エェッ! マジで?』』』』
次は、早目に書きたいです。




