235, ダンジョンで、……攻略は、二十九階へ ⑩ 嵐の襲来
あっちに、コロコロ。
こっちに、バン、ボン。と、福焼きは、跳ね回りまくった。
それをチビ竜たちを含む従魔が追い掛け、右往左往しまくった。
それを見ていた現在の地球人である鬼っ子、鬼嫁、鬼夫たちも、見たことのないアトラクションに大騒ぎだった。
「「「「「ウォォォォォォ…!」」」」」
久々の福焼き大会は、燃えた。
盛大に跳ねまくったからだ。
「スゲェ! なんだこれ?」とか、「美味ぇ!」とか、現在の地球人である鬼人族の顎の強さに呆れたが…。
それでもそれだけで済むハズだったのだが、問題が発生した。
それも超特大の…。
ガン!
ガンガン!
ガンガンガン!
「「「グァ!、ガァ…?」」」
突然降ってきた衝撃に、地球産の小型恐竜たちが驚きの声を上げる。
降ってきたのは、福焼き&ガルタだったが、そこに飛び込んで来たモノたちがいた。
チビ竜たちを筆頭に、従魔たちの一団。
「「「「ガァァァァァ。」」」」
跳ね回る福焼きに、興味を惹かれるモノが多数。
一緒になって、追い掛け回しだした小型恐竜たちに向かって、チビ竜たちが威嚇の声を上げる。小型恐竜たちの半分以下の大きさではあるが、単に小型化しているだけで、その存在情報量は遥かにチビ竜たちが上である。
「「「「「「ガァァァァォォォ! グァァァァォォォォ!」」」」」」
と、蹴散らかしていた。
自分たちよりも小さい連中に蹴散らかされたモノたちの中に、運良く福焼き&ガルタを欠片ほど、口に出来たモノたちの叫びが迸った。
「グ、グォォォォォォォォォァ…?。………ガァオウ!」
「だってさ。魔物誑しは、健在だな。」
ジルハマン様のジト目とともに放たれた言葉が地味に堪える。
「くっ。」
巨大過ぎる胸を何とか抑えることが出来た彼の軽口に、つい拳を握った時だった。
第二の嵐が襲来した。
「いったい、何の騒ぎ……。あーっ、ジルハマン様の胸が、小さくなってる! なんで?どうやったの? ズルぅい!」
ガオガオという大騒ぎを聞き付けて、ゴーレム倉庫から、Nスーツなるものを着た一団が出て来た。
「チヅル、どうしたの?」
続くのは、ティアと三人の娘たち。
「「「きゃー! チビ竜たちがいっぱいだぁ!」」」
そういや、居たよね。七人と、三人と三人と六匹が。
ゴーレム倉庫って外見が岩山に、擬装していたみたいで気付かなかったよ。
「君たちも『来訪者』なのかな? 俺はサー・アン・リュウって言うんだ。あそこで騒いでいるのが妻のティアと三人の娘たち、ジェリィ、シュガー、クッキィ。ジルハマン様に噛み付いているのがチヅル。彼女の旦那がウッディ。その息子たちのソルト、ハーヴ、ミント。あと、ワタル、ゴルディア、アーシィの三人。あとは、使い魔。」
一〇歳近く年が離れている彼に、オレは驚きを隠せないでいた。
前世の自分の時ってこうだったっけ? と、不思議に思ってしまったからだ。
「君がリーダーなんだろう? ほかにも、見知った顔が有るようだし、ねぇ紹介してくれるよね。」




