224, ダンジョンで、……攻略は、二十八階へ ⑩ 闘技場 EXバウト
結局、五対五のチーム戦では白キング擁する『最強の矛盾』に軍配が上った。
それを不服としたのは相手チームの『極寒の騎士団』ではなかった。
「「「「「「アンコール!」」」」」」
「「「「「「アンコール!」」」」」」
最初にアンコールを叫んだのは、双方のチームメイトたち。
それを受けて、観衆たちがノッた。周りに聞いたのも関係しているだろう。
「「「「「「アンコール! カイザー!」」」」」」
「「「「「「アンコール! カイザー!」」」」」」
『大会主催者よりエキジビジョンマッチの開催が決定しましたぁぁぁぁ!』
「「「「「「うおおぉぉぉぉぉ!」」」」」」
『一人目、白キングゥゥゥ、カイザーァァァ、ジィボォォォォ!』
「「「「「「わぁぁぁぁ!」」」」」」
『対戦者ぁぁぁぁ、決めるのはカイザーだぁぁぁぁ!』
『ふむ、我と思わん者は、名乗り出るがよかろうっ!』
「「「「「「アンコール、ノイン!」」」」」」
「「「「「「アンコール、ゼロ!」」」」」」
その大合唱に、「なんで、ボクが……、アンコール受けるの?」と、戦々恐々としているノイン。
「単に、おまえを見たいか、ゼロの強さを試したいか、だろ。」
観衆たちのノインに対する関心の高さに驚くとともに、ある意味仕方ないかとも思う。
もちろん、同期の連中が煽っているのもある。
彼らだって、当時の地球でバトルロボの大会にエントリーしていた奴も居るし、サイバー空間での観戦していたヤツもいる。
つまるところ、ノインは俺の他にカイザーに近付いた最強の一人だってことだ。
だって、俺だって驚いていたんだぜ。
目の前で一緒に組み立てていたっていうのに、あれだけのギミックを搭載していたなんて…、三徹していからと言っていたけど、あの当時にはザラに有ったことだもの。
「「「「「「アンコール、ノイン!」」」」」」
「「「「「「アンコール、ゼロ!」」」」」」
「「「「「「アンコール、カイザー!」」」」」」
「ええっ、カイザーと!」
「それも、ある意味当然ではあるが、あいつの選択肢だな。」
「そう、きみとの対戦は、心が踊るのだ。だから、一緒に踊って欲しい、ノイン。きみとゼロとともに。」
そう白キングで、カイザーの異名を持つソーカコー・ジボが、慌てふためくノインの前に跪く。
その途端だった。
ジボの後ろに透明な筒に包まれた螺旋状の上り階段が現れた。
どうやら二十九階への道が、いま、示されたみたいだ。
「「「「「「あ、あれは?」」」」」」
この二十八階のヌシが誰れであるのかを示す、証拠だった。
「セトラ、アレ? 階段ってマサカ?」
「そのようだな、最強のフロアマスターだぞ、ノイン。」
俺とノインの視線が交錯する。
「ん? 俺の後ろに何かあるのか?」
俺とノインを含む現在のガルバドスン魔法学院の同期生たちの視線が、ジボの後ろに集中してしまったからだった。
振り向いたジボの顔には?マークが。
「何も無いじゃないか、本当に何か見えるのか?」
不審が、ジボの表情にありありと浮かんでいた。
「少なくとも俺とノインが関係しているみたいだ。」
と、ボカシてはみたものの、皇帝ジボの解析力は半端ない。
「なるほど、ね。」
と、ナニかを掴みやがった。ったく、侮れんヤツめ。
「まぁ、やれるだけやってみるよ。はぁ…orz」
ノインの頭上にあるキツネミミが萎れ、キツネのシッポがそのボリュームを失った。
「…ノイン…。いつもどおり、おちょくってやれよ。その方がバトっていても楽しいだろ…ん?」
「…セトラ…。それもそうだね。最強と楽しんでくるよ。行くよ、ゼロ!」
「それでなくては、私も面白くない。降臨せよ、ビンガ!」
ノインは、虹色の羽毛を持つゼロをバトルゾーンに向け、ジボも、紅い羽を持つ丸い鳥をセットする。
「「「「うおぉぉぉぉぉ!」」」」
観衆の熱量は天井知らずに上がっていく。
「超バトルロボ、白キングぅ ジーボー! 対するは唯一のビショップ、ノイーン! EXバトル、始め!」
ジャッ。
双方のバトルロボにエネルギーが伝えられた。
闘いの幕があがった。
マスクとか、肺の病いとか、ナウシカの世界みたいですが。
2か月、ちょっとずつ書いてました。
サテ、バトルシーンは、書ききれるのか。
乞う、ご期待。




