214, ダンジョンで、……攻略は、二十八階へ ⑩ 星の中 ②
年末は、忙しくて更新は亀というより、カメレオン状態。
『ピロリロリ、ピロリロリ……。』
執務室の中に設置してあるゴーレムボックスから、突然鳴り響いた。
それが悪魔からの誘いの連絡だったということに、その部屋の主がようやく理解し気付いた時は、既に手遅れだった。
『バトルロボの大会をやるけど来るか?』
などという向こうの連絡相手からの言葉に、一も二もなく「行く!」と叫んでしまった彼は、その言葉の一瞬後に現地に転移させられ、頭を抱えていた。
「なして、こうなったし……orz」
そう、項垂れて呻いているのは、あのソーカコー・ジ・ヴォー皇帝。
「話の詳細も聞かずに承諾する癖は、まだ治っていなかったか…。」
好きなことに関しての決定は速いのだが、速過ぎるために途中経過とかを省いてしまう悪癖持ちでもあった。
「何はともあれ、『最強の矛盾』の参謀としては、カイザーの参戦はありがたいことだな。対戦相手は万全の体勢だし、助かったよ。」
本当にマジで。
「げぇ、カ、カイザー? ……って、ジボぉ? あんた、なんでこんなとこきたの!」
召喚されたカイザーであるジボを見て漏らした仮にもお姫様の残念な一言がコレ。
「えーと、素が出てますけども? ワルキューレのユーコ・E・イーシカ様。」
「え、ワルキューレ? って、なんでユーコ・イーシカがここに居る? まさか対戦相手ってコレ? コイツ?」
いくら顔見知りとはいえ、コレとか、コイツ呼ばわりとは。
「コレって言うな!」
「相変わらずのポンコツぶり。」
「うるさい!」
おまえら、本当は気が合っているんじゃないのか?
冷静なツッコミのジボにユーコがキレまくっている。
「大体、なんでここに居るの? おかしいでしょうが!」
「別におかしくはないぞ。俺も召喚されたんだし…?」
「そこがおかしいのよ。なんでここに居るの!」
ああ大前提に気が付きましたか。
「はあっ? 俺は、惑星ステアの外洋大陸の雄、創ディアーク大陸統一国ティーニアの皇帝だ、知らないとは言わせぬぞ?」
ここが惑星ステアだと思っているということは、旧城へのアクセス権をお持ちのようだな、ジボは。
「はあっ? あんたこそ、何言ってんの? ここは地球よ、地球! とは言っても地底というかマントルの中らしいのダケド…。アトルとランティスの島の強国リューグの第一姫ユーコ・E・イーシカ様よ!」
こちらも、ようやく自己理解出来たようだった。
「「えーっ! なにそれ!」」
お互いの環境に、全力でツッコミを入れまくっていた。
何はともあれ、かつて、地球の地上世界で開催されていたバトルロボの頂上決定戦が今、この地下世界で開催される運びとなった
対戦チームは、かつての地球世界で最強のチームとして名高い『最強の矛盾』と、チーム戦では、必ず彼らの前に立ち塞がる『極寒の騎士団』が、ここに集結した!
バトルロボ 十傑
白キング カイザー ソーカコー・ジボ……当時不敗の世界チャンピオン
黒キング キング セトラ ……世界でも皇帝に近い者
白クィーン クィーン ホシィク ……裏ボス
黒クィーン ワルキューレ ユーコ・E・イーシカ……謀略の策士
白ナイト ナイト サッツシ ……仮面の騎士の称号持ち
黒ナイト ウォリアー ヒィロ・シクワバ……黒騎士の称号持ち
白ルーク タランチュラ テュッキア・ラダ……狩人の称号持ち
黒ルーク バンリ カオリ・アネィ ……壁画の称号持ち
白ポーン アクアライン イクヨ ……予報士の称号持ち
黒ポーン ホライゾン ショッツ ……救世主の称号持ち
『最強の矛盾』
白キング、黒キング、白ナイト、黒ナイト、黒ポーン
『極寒の騎士団』
黒クィーン、白クィーン、白ルーク、黒ルーク、白ポーン
「とは言え、バトルロボの作製もしたいだろうし、作戦会議もしたい。腹も減ったということで、今日はお開き。この部屋からは出ないけれど、俺たちの行動も阻止出来ないってことで……。ではね。」
俺は、そう言うやいなや普段使いの財布から一メル大のキューブを取り出した。
財布からそんなものが出るという非常識さも、続いて起きた事に上書きされてしまったようだ。
一メル大のキューブが、周りの石を纏ってあっという間にゴーレムハウスシェルターバージョンを展開した。
「ちょっと、待てぃー。あたしだって、バトロボ造りたいわよ。仲間外れにすんなー!」
むきーっとばかりにリューグの第一姫ユーコ・E・イーシカ様が、地団駄踏んでいました。




