201, ダンジョンで、……攻略は、二十八階へ ③
あけましておめでとうございます。
お年玉?
ようやく、展開の仕方? 方向性?がまとまったので、お送りします。
表現方法に手間取りました。
では、どうぞ。
ゴーレムパワードスーツ君が……長いからGPS君でいいか……、コアの抜けた残りのGHは、その性質を重視して簡易型のランドセル型バックパックとして対象のメンバーたち全員に無償貸与した。
ところが、こちらの意図を理解しない者という方々は居るようで……。
「「「え~、貸し出しぃ~。貸し出すくらいなら、すっぱりとくれた方がいいんだけどな~?」」」
というワガママな御仁の他にも頷く者、多数。
そんな方々も居るには居ましたが、付け足した俺の言葉に納得してくれました。
「ほほぅ、お目が高い。このバックパックをご所望か? まだ各国で立て替えてもらっている借金を返済していないというのに豪儀なことだな。え~と、立て替え分の今までの床暖房の工事費を棒引きにして…、ダンジョンが進むにつれて被害が広がっているから、ああ…オヤツポイント分もマイナスにしてっと……あとはダンジョンの素材の報酬も……「「「貸し出しでいいです! すみませんでした!」」」…え…そう? いいならいいけど。」
彼らの他にも明確には言わないだけで、貸し出しということに不満を持っている人たちが居たようですが、彼ら同様に顔色を無くしていました。
誰とは言いませんよ。誰とは……。
ちなみに、買い取りだとしたら小国の国家予算くらいは注ぎ込まないと間に合わないくらいには、高性能な中身ではある。
その性能をリストに挙げていくと、ゴーレム倉庫の劣化版の搭載。人一人なら滞空できるほどの上昇能力を備えているブースター。チープな風合いの外身は、材質がミスリル。貸与といいながらも、個人認証が設定されているから俺たち以外は再設定不能だよ。
ですから、魔銀貨を数百枚かな……、総ミスリル仕立てだし。
数百兆鈴なんて見たことの無いものになるはず。
それに、言っておかなければならないことが有ったんだよね。
「バックパックをそれぞれに付けると言うことの意味を噛み締めて欲しい。学内とはいえダンジョンも大詰め。真っ正面から見たら階段は確実に存在しているけど、斜めから見たら階段の行き先なんて壁と扉の隙間だぞ。こんなところで一人でも道にはぐれたとしたら、その者は一人で解決しなきゃいけないことも起きるということさ。ここまでみんな一緒だったとしても、一番下には、ダンジョンボスが居るはずだ……。魔王が悪戯していなければ、ね。きちんと、気を入れていこうよ。」
「「「「「「「お~……」」」」」」」
元気のない返事が来ました。
これからのことに不安なのか、残っていた借金が判明したせいなのかは分かりません。
ここでは無いどこかの世界で、厄介な扉を開こうとしている者たちが居た。
その事にマショウ・ジカイは気づいていた。
だが、彼には止められないし、あるじにも伝えられなかった。
彼のせいでは無い。
彼のチカラの内側を侵食している何かのために、伝えられなかった。
だからこそ、マショウ・ジカイのチカラの及ぼし方を変えることにしたのだ、安全召喚服という禁じ手を使ってでも……。
『旅の安全をお祈りするですモーン。』
「ああ、分かっているさ。では行こうか、みんな?」
「「「「「「「お~……」」」」」」」
主たち一行は階段の中に進んでいった。
「勇者召喚の儀を始める。」
涼やかな声が、その場を締める。
「トラバサミを用意しなさい。その上に召喚陣を構築します。魔力糸を用意、陣に沿って配置します。」
賢い猛獣を仕留めようとするかのような狡猾な陣を、冷静に計算して設置していく優秀な罠師が、そこに居た。
「「「姫様、滞りなく、用意できてござりまする。」」」
仕掛けを施した者が口々に伝える。
「水晶を仕掛けなさい。隈無(隙間無)く、この場所を包むのです。魔道鏡の用意はいい?」
「「「然り!」」」
「これで、捕獲できぬ道理は無いはず、考え得る穴は埋めた。後は実行するだけ……。我らには成さねばならないことが有るのみ。ここへ来ての迷いなど不要。始めるぞ!」
やがて、時は満ちる。
月の満ち欠け、日食のタイミング、潮の満ち引き、阿吽の呼吸のすべての合一がもたらした奇跡。
その瞬間を狙っての発気。
「「「「「「「「「「勇者召喚!」」」」」」」」」」
とあるギルドの中で、困惑の声が上がった。
「ああっ? しまった、この時を狙いおったのか? しかも雷神を降臨させる……とは。」
その力の発露を感知したその者は、つい頭を抱えた。
と、同時に期待を抱いた。
「アレを御せる者は、そう居るまい。この際、こちらで一暴れしていって貰おうかの、……ふぉふぉふぉふぉ。」




