難問解決の秘策?
お待たせです!
リアルが忙しいと、なかなか書けないものです。
でも、次に繋げていきます!
「ショッツの『地平線女神の希望』が流行っても製造や生産技術の発展していたあの頃だったから、問題が発生しなかったというのか………orz だけども今ここだと、唯一の繊維生産産業って呼べるものはコロニーの物になるし、かといってコロニー自体がいまだに正常に稼働していないのは、シュガー達からのSOSからも把握できる。ここと同じレベルの素材で尚且つ生産能力の高い技術を持っている所なんて、この星には無い。どうするベ?」
俺は悩んでいた。
娘たちの緊急要請もそうなのだが、身近な嫁たちの着衣ですら、数が足りていないのが現実だった。
女性の胸部装甲が一気に最低でも二回りは大きいものが必要になるなんて、そんな事態に思考が追いついていなかった。
「現状では、早急に衣服を供給することは難しい。有るとすれば、あちらの箱に繋げてみるしか無かろう。」
そう言って、一つの案を提示してきたのが魔王のシャイナー。
それは彼の意識の深層に眠るもう一人のシャイナーからの情報だった。
「むしろ、それしか無いだろうね。彼女たちの艦にある艦内工場は健在なのだし、それに、もしもまだシャイナーの地元に居るのなら彼らとの経済交流が可能かもしれないしね。シャイナーは鬼人族だったから、彼の周りの女性たちは僕らよりも余程、立派な体格をしていたよ。」
そう告げるのはヒリュキ。彼もまた、中の人の知識を披露する。
「最悪、繋げるか………orz」
誰に、とは言わずとも周囲の面々は頷く。
「その交易が出来るかどうか、『欲しいものリスト』を入れて、送ってみるとしよう。それで良いかな?」
俺の提案に周囲は頷くが、コヨミ=チヅルはそこで頷くことは無かった。
「ねえ……、セトラ君。その交易にコロニーも参加させたらどうかしら? この星は広いから、まだ行ったことのない場所もあるわ。手元に無いからと言って探しに行く前に、その足りない部分をあちらにも補って貰いましょう? 今は、時間が限られているのですからね。」
言われてみればその通りなのだが、気付かないときは得てしてそういうものなのだということ、か。
「そうだね、それが良いわね。どのみち、あちらにも扉はあるんだし。」
アトリ=ティアが締めた。
「セトラの欲しいものリスト」
胸サイズの大きい衣服 下着類を含む女性の衣服。
各年齢の物、各サイズ毎に、サンプルとして。
それに伴い発注する。
Nスーツ及びアンダースーツの発注生産。
Nスーツの魔テリアル、及びデータの変更。
対価は、要相談。
などと、記入したリストをゴーレムボックスに入れ、一度繋いで縁の出来たプリンの送付先に座標を合わせ、遭転移を発動した。
チンと音がして、ゴーレムボックスの扉が開いた。
中に入っていたのは同じようなリストだった。
「あれ、跳んでいかなかったのか?」
そう思ってリストの紙を取り出すと、『マリアの要望書』となっていた。
その内容たるや、鉱物の原石に始まって食品類などの多岐に渡る第一次生産物。
『どっかで見たような……。』
俺たちの中の人たちが絶句していたのは、ご愛敬です。
遙か彼方でも同じ事を叫んでいたはずです…………、たぶん、……イヤイヤきっと。
『Nスーツ? このデータの変更? 魔テリアルの材質も変更って? どういうこと?』
こんなことを叫んでいるはずです、ねえコヨミ……。
そんな事なんじゃ無いかという気はしていた、俺はね。
だって……、じいさんのじいさんのコインは変造硬貨だったんだ。
大きさや重さは普通のコインと何も変わらないのだが、ある一定の方向から光を当てると、その刻んである文字などの反射によって十二匹の動物が浮き上がるようになっていた。
【魔鏡】という。
もちろん十二匹の動物は、子、丑、寅、卯、辰、巳、午、羊、申、鶏、戌、亥の十二支。
名前にかこつけて、作ったのがバレバレだ。
知っているのは、爺ちゃんの爺ちゃんとその継承者達。
造られたのは、たったの一枚。
だから、繋がったし、跳んだ。
誰から送られてきたのかなんて、とうの昔に分かっていた。
だって、そういうことなんだからさ。




