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気象魔法士、ただいま参上 !  作者: 十二支背虎
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196, ダンジョンで、……攻略は、二十七階へ ⑨ ?の社

モテ期、到来かも

「疾く、風よ、来たれよ!」

 そう言って呼び出したはずの風が、何かを聞きつけたのかトンボ返りしてしまった。

 ユージュが「なんで?」とか言っている。


 そこに聞こえたのは、テク○クマヤコンという呼び出し音を鳴らしている手鏡型通信機だった。

「て、手伝って、人が多すぎて、行列が……。」とか、「南風の社に『地平線(ホライゾン)女神の(オーナーズ)希望(ホープ)』が、降臨した。」とか、意味不明な言葉が聞こえてきた。

 困惑顔で「『地平線(ホライゾン)女神の(オーナーズ)希望(ホープ)』って何?」と呟いたユージュに掴み掛かったのは、同行していた女性陣のマァミ、ミズィホの二人。

 カァルとカォルも血相を変えている。


 四人が顔を見合わせると、「ユ、ユージュくん、そ、その話くわしく聞かせて!」と。

 ユージュは、女性陣のその剣幕に引き攣りながらも、詳細を伝える。

「その…南風の社において、『地平線(ホライゾン)女神の(オーナーズ)希望(ホープ)』という風邪のキャリアーが見つかった…だそうです。」


「もし、ソレが本当なら一大事だわっ! 携帯携帯…は無いんだっけ? はっ、コールセンター!」

「マァミさん、落ち着いて。どこの誰に伝えるつもりなんです?」

 ユージュの落ち着き振りに更にカァルとカォルが掴み掛かる。

「落ち着いてなんか居られないよ。一刻も早く罹患(りかん)しないと。アレを他人から移されるより本人から貰った方が確実って研究成果があるくらいなんだからっ!」


 そんなに狂乱することの方が分からないユージュはますます混乱していく。

「確実なソレって、どんな風邪なんですか?」


「「「「そ、ソレは……。その……。ユージュくんのエッチ!」」」」

 四人にそんなセリフを言われたユージュは、キレた。

「なんすか、ソレって?」


 急遽、速報が入った工事屋と同期の面々は、程度の差はあれど混乱の極地にあったことは確かである。

 その一報が入るまでは………orz






『おまえら、落ち着け! 今まで、あいつと、同行したことのある奴らは、すでに罹患済みだ。工事屋全員、同期、精霊から従魔まで全員な! よって、それが誰か知りたければその社に手伝いに行けよ。特に女性陣に告げる…………、アレはあいつに憑いてる精霊のしわざだ。手伝うことで、その精霊に気に入って貰えれば、副次効果が期待できるぞ。部分痩せとか、小顔とかのな。』




 そう伝えた俺の想転移(パシスタ)に、直後に反応が……。

『セトラァ、余計なこと言いやがってぇ。ますます増えたじゃねーか!』

 と、反応がありました。

『いやいや、君も成長しましたね。想転移(パシスタ)に『割り込み』掛けるとは……ビックリですよ。』


『おやつ申請しとくからな! 出来上がり次第こっちに回してくれ! お前の言っていた副次効果を促進させるヤツだからよ。アイツ、舞い上がっちまってるんだよ、一大派閥だって。そのおかげで聞けたんだけどな。…とりあえず一〇個大樽で頼むわ。……セトラ謹製の甘酒で、よろしく。』


『………りょーかい…orz まぁ、甘酒で乳房(にゅうぼう)が発現するとは、ね。思いもしなかったかも。』

 層庫にある指令ボックスに甘酒の注文票(オーダー)を、入れておく。

 城の人たちにもお裾分けできるようにゴーレムハウス内で製造できるようにしておくかな。この際だし、ついでに娘たちにも、贈っておくことにしようか。


 早く、孫が見たいからな。













「ねぇ、甘酒いっぱい船の層庫に届いているんだけど……、父さまかなぁ。」

 シュガーの疑問も姉妹達には、良く分かる。


「あ、なんか付いてる。『地平線(ホライゾン)女神の(オーナーズ)希望(ホープ)』? の仕様書っ……、マジあり得ない!」


「「「何これ……。………マジで罹患しているとしたら……。検証必須だわ。」」」

 目の前の甘酒に果敢に挑戦していった。





 コロニーの管理業務を始めたソルトたちが、シュガーたちの元に帰ってきたとき、安らかな顔で微笑んだ三人娘たちがおりました。


 気圧の低い宇宙に慣れた彼女たちも、甘酒の魅力には抗しきれなかったようです。

 二日酔い必至の蕩けた笑顔で眠っておりました、南無南無。

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