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気象魔法士、ただいま参上 !  作者: 十二支背虎
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185, ダンジョンで、……攻略は、二十六階へ ⑰ 驚愕 ⑤

年末になって、仕事は忙しくなる一方です。

元旦の朝っぱらから、出掛けていくんですから……。


負けないように、頑張ります。

「「従魔モード、了解です。」」

 ルゥとチャァーがそう返事をした時、二方向から待ったが掛かりました。


『チャァーが変わるって言うなら、おいらも変わる!』

「ちょ、ちょっと待ってください、あるじ様。ボクの真珠お持ちですか?」

 パロアとゲンブの両人?の待った。

 珍しい事もあるものだ。


 が、パロアが真珠のことを話してきたのには驚いた。

『真珠? あるぞ。大事な婚約の証だからな。』

 そう言って、層庫から取り出してみると奇妙な形になっていた。


「……は?」

 黒真珠から子供石みたいな形で白真珠玉がはみ出していた。

 それを見たパロアが納得顔で頷いた。

「あー、やっぱりぃ。母さまたちが言っていたんだ。気持ちが育つと育った分が出るって言ってた。」

 それは、やっぱり(セトラ)に対しての気持ちなんだろうか?


「うん! そうなんだって! でね、ボクの中でも何か共鳴を感じているんだよ。不思議なんだけど…。」

 そう言ったパロアは、下を向いた。

 (うつむ)いたのかと思ったのだが、そうではなく今居る層を突き抜けるほどに下を睨んでいた。

 そこで気付いた。アフロディテたちのことだと。


「彼らの船と共鳴しているって言うのか?」

「うん。そうみたいなんだよね。三人居るでしょ…、でも、一人起きてこない。たぶん、今まで寝っぱなしだったから…()っていたんだと思う。でも、彼女は限界なの。だって、何年、ううん、何十年もエネルギーを()っていないの。他の二人が手を取り合って初めて、彼女がエネルギーを摂れるの。あるじ様が大好きだから…、……だから! 逢いたがっているの!」

 彼女たちを建造したのは過去に生きていた自分だったのだが、転生した現在でさえ、パスワードが有効なのだ……。

 その彼女たちの思いには、頭が下がる。

 そして、気付けていなかった自分にも、その係累にも情けない思いが募った。


 転生する前に、今となってはそれが最後の作戦(ミッション)になってしまったのだと思う、一つの降下作戦があった。

 ある星(つまりは、この星ステアのこと)の上空から光学機器による調査と人口の大地…、つまりはコロニーなのだが建造する前段階の調査の作戦とその星に降下して調査を続行するという作戦があった。

 降下作戦の前に、チヅルが趣味全開のコロニーを建造した。建造するために必要な許可は取りまくった後だったから、その許可の範疇に合わせては……あった。


 正直いってあの時は、その作戦が最後とは思っていなかった。


 だから、ステアの上空に漂っていたサッカーボール大の白玉を流用した管理AI三つと、ジェリィたちの船と、ソルトたちの船の竜路(リューロ)エンジンの転換炉をそれぞれに繋げ、船体を作り上げて総帥たちに託していたのである。

 降下作戦後に行う、彼らの誕生日を祝うために。








 結局、試運転も出来ないまま、それっきりになっちゃった。



 実を言えば、アフロディテの管理AIメルの上位AIであるエムル、アタランタの管理AIテルの上位AIであるエティル、合体(ドッキング)後のアンドロメダの管理AIメテルの上位AIであるエムルーチェとの、会話も製造時の調整の時以来だ。

 製造者(マイスター)としてのパスワードは、その時に設定していた。


 パロアの憤りが良く分かる。

「ううん、違うんだ。怒っているんじゃなくて、悲しいんだ。彼ら彼女らにとって、それは計器()の一部としてしか、認識されていなかったんだってことが……。」

 いくらかでも、魔力を補充できていれば…と、パロアは思っていたのだ。


「だからといってお前の子供石を捧げようとするのは、それはおかしい事だぞ。」

 犠牲になるモノは少ない方が良いとは思うが、それはそれで悲しいことでもあるのだよな。そう告げた言葉にパロアは首を振って反論する。


「そうじゃない、そうじゃないんだよ、あるじ様。パロアは繋がって欲しいんだ。あそこにいる三人と、パロアが! パロアだけが繋がりを持てるんだ。そして、あるじ様とパロア、パロアとあの三人。そしたら、あるじ様とあの三人が繋がれるんだ。だって、……あの三人だってあるじ様と繋がりたがっていたんだよ。……、ずっとずぅっと前から。……たぶん生まれた時から。」

 パロアが、両手を握り拳にして俺に訴えかけてきていた。





「そうだったのか……。エムル。エティル。エムルーチェ。」






「「「……あるじ様……」」」

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