182, ダンジョンで、……攻略は、二十六階へ ⑭ 驚愕 ②
なんとなく切りが良かったので、早く階段使いたいです。そっちの構想は、押しているのにこっちが進まない。何とかします。
「そうか…、頑張ったみたいだな。だが、いいのか? 俺たちに付いてくるとは言っても君たちは結婚するんだろう? パートナーに何の説明もしないというのは、問題あるんじゃ……。」
俺の疑問に答えるかのように、ジェリィたちがアイコンタクトをしていた。
出た答えがコレ。
「わたしたちも一緒に行かせてください! 今後、ここから観察する上でも現地の実情が分かるのとそうで無いのは理解度が違うはずです。それに、その期間を新婚旅行として報告することも可能ですから。」
男性陣みたいな勢いだけでなく、しっかり現状のプラスマイナスを計算し尽くしている辺りが……、なんとも言えないね。
「まぁ、考えておこうか。」
「ええーっ、そりゃ無いですよぉ。」とはシュガーの言。
「今までのことを考えると、無闇矢鱈と同行者を増やすと碌な事にならないと分かっているからな。それに、謎解きが終わらないうちには移動はしないつもりだよ。それに階段の件も終わっていないしね。」
こちらの都合を先に終わらせないと、二進も三進も物事が進んで行かないからなぁ………orz
「それで、片付けてもいいかね、コレ。階段については、明日の朝にでも見てみるとしようか。あと、何かあったか? 無かったら風呂入って寝ようか。」
などと、嘯いてみる。コレで紛れてくれればいいのになぁ……。
「セトラ様、まだ、することがありますよ。」
アトリの眼差しに負けました。
だめですか、やっぱり。
シュガーとの対戦時に思ったことは余程多かったのでしょう。
「こりゃ、あかん。型が崩れている。」
俺でも、そう思ったもんなぁ………orz
「セトラ君、わたしも言いたいことが有ったりするよ。さっき彼らが到着した時にフェニックたちが騒いでいたの。それに、……聞こえたの。いいよね。」
コヨミが覚悟を決めた顔でこちらに告げてくる。
すっと、シクロがコヨミに寄り添う。
「俺も話していいか?」
アーサもまた、対戦相手に言いたい事があるらしい。お手柔らかに頼むよ、君たち。
「まずは俺が紹介しよう。従魔の妖精族キリル、カリィ、クロンとカシレ、キニュ、コムル、ケレィだ。黒妖精族もいる。そのうち紹介しよう。まだ寝ているんでね。」
ひとまず口火は俺が切った。
まずは、争うことになった元を説明しようか。
ては、ヒリュキ頼んだ。
「君たちが、彼らに気付くことになったのは、クッキィさんの使い魔である蜘蛛の雲君がその個体特有の鼓動周波数を伝えたことに起因するのだな。まぁ、彼らも息の長い種族ではあるからな。それで保護最優先で問答無用の麻痺攻撃をしたという訳だね。」
ヒリュキが順番に説明していく。
「ええ、そうですね。」
シュガーたちとミントたちの六人が頷く。
「君たちも、この辺りでの問題解決に従事しているようだけど、今まではすごく運が良かったんだねぇ。行っていた作戦プランが、それを示しているね。」
こんな雑な仕事しているんだもの。言外にそれを匂わせた。
「うっ……、確かに勢いで走ってきたようには思いますね、いままでは。」
「でも、この惑星の担当になったというのなら、今後は、じっくりと調べてからの問題解決を始めなければならないよ。なんといっても、この星は広いんだ。そして、広いということは、色んな種族が居るということだよ。小さな種族も多いが、巨大な種族も多いと言うことだ。さっきの作戦で万が一にでもセトラが行動不能になったのなら、とんでもない事態が起きてしまっていただろうね。比喩でなく、マジで。」
聞いているシュガーたちは、きょとんとしている。
そう、実は結構危なかったのだ。俺がでは無く、彼らがという意味で。
守護している魔物たちは、その実俺とは表裏の関係にある。俺が危なくなってしまっていたら、自動的に召喚陣が形成され、俺の側に出現していたであろうことは確かなことなのだから。
「ええっ、そんなになんですか?」
「彼はインセクトとドラゴンの守護者をしている。つまりは、彼が倒れそうになった時点で、昆虫たちがわんさかとドラゴンが数千匹の規模で下から、飛んできていただろうね。雲霞のごとき虫たちと、高さ三メルを越える巨大な岩山であるドラゴンたちの狂演なんて、見ててツラいわ!」
ヒリュキの説明にも熱が入る。




