176, ダンジョンで、……攻略は、二十六階へ ⑧ 圧倒 ④
前話の続きです。
ヒュガッ、ドンドンッ!
対峙していた二人の間に光が飛び込んでくると、ハーヴもシクロも倒れていく。
何が起きたのかを自覚する前に、二人の意識が飛んだ。
ハーヴとシクロの決着は、流れ弾で断ち切られた。
その流れ弾を撃ったのは……、彼。
「えっくしょん! え~い、チクショウめ。誰だいったい、オレの噂なんかしていたヤツは? 撃つ瞬間にクシャミしたから変な方に飛んでっちまった。ま、大丈夫か……、トリケラ弾だし。」
その様子を含めて上空から送られてくる情報に、焦りを感じまくっていたのはジェリィ。
この短時間にシュガー、クッキィ、ソルトとハーヴが戦闘不能状態になっているのだから。残る二人もそう遠くないうちに同じ状況になるのは目に見えている。
さっきから移動しては物陰から、打ち込んでくる者が居るのだけれど。
その射撃は精確で、しかも避けづらい。
……だって、飛んでくるのは……トリケラ弾なんですもの~!
モフモフもこもこのワンコで子犬状態のトーリ、リルケ、ケーラがそれぞれ飛んでくるのよ! モフモフでもこもこの弾、言わばヌイグルミ弾とでも言うのでしょうか?
避けづらいでしょ! も゛ふっ。当たりました。痛くないんですけど。
でも、なんかズルいです。
も゛ふっ、も゛ふっ、も゛ふっ、さ、三連弾。ぐぬぬぬぅっ。
「………ズルイです! 何なんですか、あなたは! こんな……、こんな弾……避けられませんよ! ああ、また飛んでくる! も゛ふっ!!」
最後に三匹まとめて飛んできました。モフモフもこもこ……、し、幸せですぅ。
「ふっ、また、つまらないモノを撃ってしまった。」
アーシィは、アーサの前にお座りして尻尾を振っていたトリケラに癒やされていました。
「わふっ!」




