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気象魔法士、ただいま参上 !  作者: 十二支背虎
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157, ダンジョンで、……攻略は、二十五階へ ③

出来たてフレッシュ!

 短いようでもあり、その実ひどく長く……長すぎるくらいに感じていた一日(・・)が今終わろうとしている。













「「頂きまっーす!」」「「おつかれー」」『『ギャウ』』『『キュウキュー』』『『ピュイピ』』

 言葉はそれぞれだが、楽しい夕食の時間である。


 今晩の夕食は、炭火でゴーレムが網焼きしているBBQ(バーベキュー)


 この選択は今回の勝者であるアトリ&ティア+チャァ組のご希望メニューであり、参加者多数がデザートにゲットしたおやつポイントを()ぎ込んだ盛大なものになっていた。

 いつものゴーレム鉄板がゴーレム網焼きで登場した。

 場所もゴーレムハウスを多数連結したゴーレム海上ホテルの屋上で開催することにした。


 なぜなら、……今回もシノブ母様の転移による招待で各国のやんごとなき方々も多数というか大多数が参加していた。うちの親父はもちろんのこと、コロナ王やらア・クラツ王やらタク・トゥルまで来ていることも含めて国の重鎮が揃うような食事会では、本来無いのですがね。

 なのに、毎回参加するとかそれぞれの国の舵取りって出来ているんでしょうか?



「凄い食材の量ですね。」

「今回は賭けていたみたいだし、このレベルになったようだな……、一人黄昏(たそが)れているヤツが居るが。」

 俺を見て言っているのはビスタ王子とレビン王子。ぐ……憶えていろ、毎回、タダ飯食いに来やがって! そのうち、請求しちゃる。


「トッター、行くぞ!」

 アクィオと、その従魔たちとが仲良く飯を食いに来ているとは、な。


 海産物から、トッタの好きそうな具材を見つけては投げていた。

 前世の時のベースボールのノック並みの厳しい角度で放っているが、トッタを含める従魔家族のナイスキャッチが続いていた。

 海の魔物による催し物の一つみたいになって、やんやの喝采を受けていた。


「アクィオ……、凄いな…。」

 アーサの感心した声に、アーサの雰囲気がだいぶ緩やかになっている事に気付いてアクィオに話を聞いてみたところでは、アイツの従魔トッタのファミリーの中に居る子供たちと遊んで仲良くなったそうだ。

 遊んで貰ったのか、遊ばれたのか……。


 ふと、気になってアーサのステータスを鑑定してみると、『魔物(たら)しの弟子の()』という何だか分からない称号を手にしていたことに驚いた。


 だが、まあこれは取っ掛かりだし、全てはここから。

 次の階に対しての布石の一つにはなるだろうか…。




 今回のBBQの材料は過去最大規模で、豚ガエル(ポロッグ)牛カエル(カウエル)からドラゴンまでのパレットリアのダンジョン産出の肉類と、薬草こみこみの草類と穀類、フラムンやワッケインからの差し入れの海産物。


 エドッコォ領からのワイン。

 パレットリアのダンジョン産の大麦による麦酒(ビール)

 ガルバドスン方面からの隊商持参の特殊な水には、天然の炭酸が含まれており各地で産出される果実水を割って飲む際の、ノド越しを良くしていた。



 そんなそれぞれの国の重鎮が集まって食事をしている中にあって、とんでもない人物が一緒に食事をしていた。



 それは、この大陸の覇者であるアーサの父親。


 今朝の出立の時の神獣騒ぎによってとんでもない人物が、その騒ぎに気が付き現地視察に来ていた。()の人物が、視察を終えて城に帰ろうかという時間に、そこをゴールにして飛び込んできたのはアトリの背中にしっかりしがみついたデカい鳥。


 神獣の一つ鳳凰。

 続いて入ってきたのは同じく鳳凰を背中に付けた俺だった。


 そして、一番彼が声を無くしたのは、海竜の飛行する姿だった。

 その横に悠々と飛ぶ帆船。頭上で旋回したあと、静かに海へと着水した。

 見事な技量の船に喝采が飛び、港の男たちの興奮が轟いていた。


 そのあり得ない事態にティーニアの港には、厳戒態勢が築かれた。

 だが、港と海の境にいるのはアーサの軍。

 人の波で、その人物が望む位置にまで行けずにイライラとした気持ちになった頃に始まったのは、怒濤の展開だった。

 ドラゴン、水流、人魚、雪狼、キメラやロック鳥などなどの神獣たちのゴールラッシュに、()の人物年甲斐も無く興奮していたようだ。





 しかも神獣の来訪による事態の中で、帰るに帰れなかったアーサの父親までもが、この外食パーティーを堪能していた。

 そう、ソーカコー・ジ・ヴォー皇帝がお付きの者たち多数に守護されながらも、珍しい食材に舌鼓を打っていた。


「ソーカコー・ジ・ヴォー皇帝、お初にお目に掛かります。レディアーク大陸盟主、パレットリア新国国王エト・セトラ・エドッコォ・パレットリアと申す者。これからもよしなに。……ジボ?」

 非公式ではありながらも、俺の主催する晩餐会に参加してくれているのだ。挨拶は必要だろう?

 ただ、俺の挨拶に首を傾げた人物たちが多数存在していましたがね、南無南無。







「……ジボ? って、まさか……。」

 そう、呟いたのは誰あろう……サッツシでした。

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