表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
気象魔法士、ただいま参上 !  作者: 十二支背虎
228/337

 海のあるじ、陸に立つ! ~⑦~

「それでは、我々の大陸には手出し無用と言っておこうか。君たちの言う神獣を含めてなお、この大陸はこんなにも大量の神獣(・・)たちが集い来る稀有(けう)な場所なのだからな。そして、君たちの女王様にも警告をしておこうかな。それじゃ、行こうか?」


 俺がギンの背中に飛び乗ったのを見た彼らはひどく驚くが、自分たちの拘束が解かれないのを不満に思い、批判の声を上げる。



「我々の自由を返してはくれないのか?」


「こんな強制的なことは許されないことだ。」などなど。


 自分たちが為したことを棚に上げたままの批判には、そもそも力がない。



「別に自由にさせてもいいのですが、ここはあなた方の領土ではありません。ここにはここの(ことわり)というものが存在します。あなた方が砲撃しなければ、その目もあったのですが……。今後は、あなた方の交易船も含めた船の往来はそちらの女王様との交渉次第では難しくなると言うことを肝に銘じて頂きたい。現在、あなた方の大陸ではないところからも、同じような趣旨の交易目的での船団が入ってきており、鋭意交渉中です。」


 彼らよりも前に来て交渉の席に着いていると、(ほの)めかしておく。



「それに、あなた方がここで自由を得て好き勝手をしたとして、どこに逃げますか? あなた方の船はあそこですし、海の獣たちの包囲からどうやって帰国されますか? 下手を打てば、海の藻屑ですよ。それくらいならおとなしくしていた方が実りもあるというもの……、そうではないでしょうかね。それに、あそこまで歩かれますか?」


 そう、問い掛けて………どうしても望むのなら、それもまた一興! とは思った。

 その俺の言動を気に入ったのかどうかは知らないが、従魔たちの輪が崩れた。拘束されている彼らの周囲から船へと続く一本の直線が引かれるような勢いで。



「ほら、みんなも言ってる。行きたいのなら、どうぞってさ。」


 従魔たちの言葉や意思を他人に伝えるために、いつもは想転移(パシスタ)を使っていたのだが、いま居る陸地と、沖まで流された船。その途中にある海辺をも含めて道を譲った彼らの言葉など、魔法を使わなくても明々(めいめい)白々(はくはく)というものだろう。


「あるじセトラ、どうも、こう何か懐かしい気配が彼らにあるのですが……、んー気配? ………ああどちらかと言えば(のこ)()というのが正しいかな?」

 戸惑うようなルゥのその言葉であるところの『懐かしい気配』やら『残り香』やら、俺たちにも何となく分かる気がした。


「じゃあ、アイツかアイツらかは知らないが、居るという事だな。それに、こいつら誰かに似ているなとは思っていたんだよな。あまり身近だったんで気が付かなかったな。召喚……ととと、ひとまず手鏡通信からか。新婚さんを呼び出すのは手間が掛かるが仕方あるまい。それこそ事に及んでいたら、目も当てられない。」

 そう呟いて、手鏡通信機で関係者を呼び出す。周りの女性陣は俺のつぶやきに反応したらしく顔が真っ赤でした。君たちの想像力の半端なさには頭が下がりますよ。






「料理を作るって、そんなに顔を真っ赤にすること? アイツの手料理って、手が込んでいるんだよ。」


「「「「「「……セトラくん(さま)!」」」」」」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ