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気象魔法士、ただいま参上 !  作者: 十二支背虎
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 海のあるじ、海に立つ!

 海のあるじ、陸に立つ! その少し前の話。



 俺は海を渡っている最中だった。

 海面を立ったまま、一直線に。

 もちろん、海竜の背中に立ったままだったからである。


 本来、普通の帆船であれば一直線には操船出来ない。

 風下になら別なのであるが。


 今は、俺と一緒に一直線に風上に走っている。風を操作しているのはもちろん俺。


「か、風が……、本来、この時期の風は西風のはず、風に対して斜めに風上に切り上がって行けばそれなりの距離は稼げるが日数(ひかず)が掛かる。この風の力……、これが海の守護者の力か……」


 残念だが、ハズレだ。これは、気象魔法士の力、普通の魔法では自然の風の力に抗えるほどの威力は出ない。海の守護者の力の範囲は海の中での事、海上には及ばないが今はまだ誤解させておこう。


 学院内ダンジョンも次は二十五階、アーサの同行が出来るか否かでその成功率が大きく変わってくるからだ。


 俺にはこの後レディアン皇国へと赴かなければならない。

 あちらはあちらで揉めているらしいからな。

 サッツシに渡したままの手鏡通信から、概要は伝わってきている。


 つまりは、あちらの外洋にある海洋国家からの属国になれという、ある意味開戦のお知らせに近いものが使者を立てて来ているらしい。


 ようやく、好きな者同士くっついたのに、お邪魔虫はどこにでも出るようだ。

 彼らが次代(じだい)の子を()さなければ、オレたちはワタルに会えないままだ。シャンマタもまた()れるだろう事は想像に(かた)くないのだ。


 そして、俺は彼らがヤケを起こす前に、大陸の盟主として干渉しなければならない。

 シャンマタの堪忍袋(かんにんぶくろ)の緒が切れる前に……。


 そのことが、アーサの国に帰るのに都合のいい風を起こす事になった理由でもあった。

 ましてや、今回は表敬訪問で有りながら示威行動も取らなければならない。


 そうでなければ、アーサの国が倒れた場合………、仮にも皇帝を立てている国がそう倒れるような事もないだろうが、その場合を考えて、今のうちにこちらの力を見せつけておく事が肝心になってくる。


 それに加えて、今回のこれは、嫁たちをファーストレディとする最初の場所になる。

 最近、さなぎから蝶へと羽化していく時期を迎えており、こちらとしてもウカウカとは出来ない日々が続いてもいるからだ。

 ましてや、彼女たちにはその意識がほとんど無い。

 対外的にどう見られているのかを再認識するいい場になってくれればとは思っている。


 そう、海竜に立って乗る俺の横をイルカよろしく、海面を飛び跳ねている嫁たちを見て、そう思っていた。本当は俺も彼女たちと同じように海面を飛び跳ねたいのだが、今回の立場ではそういうことも出来ずに悶々としていた。


 また彼女たちの姿やその格好が素晴らしい。


 若々しいピチピチとした下半身はスラリとした魚体に、上半身は物語に出てくるような衣装を半分にしたようなTシャツに撥水(はっすい)効果と、それぞれのアイディアを付けて工夫しているために透けないという彼女たちにとっては、動きやすく、しかも楽しめ、俺に対してアピールも出来るという想定のものだった。


 想定外だったのは、アーサの配下たちも釘付けだったという事くらい。


 それに気が付いた俺は、フラムンにとび鯛の群舞という珍しい現象を命じた。


 しかし、それにしてもネコビト族のリウスとリメラの泳ぎの見事さと言ったらない。

 それは、他の嫁たちも一緒でこの足の着かない場所で見事に泳いでいるし、跳ねている。


 頭髪は耐水性のクリームでも塗っているのか、キラキラサラサラ状態で、それだけでも萌える!


 それに、いくらTシャツで上半身は透けないと言っても、お胸は想像できるレベルで、意識して鼻に力を込めなければならないほどには魅惑的な瞬間が訪れる。


 お胸が揺れる……。


 イカン! けしからんくらいにイカン!

 鼻血噴きそうなくらいにヤバイ状態です。











 アーサの国が納める大陸までほぼ一日、俺は桃源郷の世界に行っておりました。

 海竜の飛行訓練……?


「ああっ、忘れてた!」


『あるじ様、ひどい~(泣)』

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