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気象魔法士、ただいま参上 !  作者: 十二支背虎
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 嫁会議から懲罰会議へ! -続々々-

「「「「「「セトラくん(さま)、そこに正座です!」」」」」」


 いま、俺の目の前には六人の鬼嫁(・・)が立っていた。


「は、はい!」







「いきなりの召喚に関しての審議を始めましょう。」

「「わたし、見られた……。」」

 そう一人は隠していたキャラがバレて多大なダメージを喰らっていた、そしてもう一人は俺に眼福をもたらしてくれた。あれは良いものだった。脳内のアルバムに新しいページが増えたほどには……うん♡


 ギロリとコヨミに睨まれた。なぜ分かったのだ?


 嫁たちはすでに、色々と審議を(かも)していたようです。

「これに関しては、急を要する事であった事を踏まえての召喚ではあったものの出現場所を考慮するくらいの配慮をして欲しいものですわ。」


 嫁たちの意見は重要なので、採用させて頂きます、はい!



 アレディアに戻った俺は戦々恐々としておりました。

 が、すぐに別の事案でレディアンに駆り出される事が決定していたようで、ひとまずは仮処分が通達されました。


「「「「「「モフらせて欲しい!」」」」」」


「いやです!」

「「「「「「え……、何で? どうして?」」」」」」

 俺の断固とした拒絶に、戸惑っていたようだがそこまでは面倒見切れん。


「確かに、いきなり召喚したのは俺だけど、その後の面倒ごとはアトリとティアだよね?」

「うぐっ。」

 アトリが胸を抑えた。


「それに、俺が仕事している時に君たちは「工事(・・)」やっていなかったよね?」

「あっ!」

 召喚したアトリとコヨミ以外の全員。おやつ食べて、雑談していましたよね。



「海に隔絶した島に居たアーサの配下たちも監視していないよね?」

「そ、それは……。」

 代わりに、火モグラたちが頑張っていました。


「シクロ・アガサの特異性とか、報告無かったよ?」

「…そ、それは…そうなんだけど…orz」

 ウッディの話がいつからかというのは風貝を確認すれば済むのですが、やっぱり嫁とは言ってもまだ結婚前の少女たち、ガールズトークを聞き直すのは苦痛ですよ。


 そんな訳で、前世がというより何かの拍子に源の白と黒に取り込まれていた(ウッディ)は、両方からの意識のせめぎ合いの結果に源の白と黒の境界線上に存在していたらしい。源の白と黒の一部が、こちらにというより俺に? 興味を示して出てくる際の核として取り込まれてしまったようであった。

 黒い子豚がキューキュー言いながら彼……? じゃなくて彼女の足元をうろついていた。


 嫁たちのあまりにも一方的な損得勘定で導き出された懲罰には、最大限の抵抗を示さなければ後々で後悔する部分が出てくるからな。


「でも、わたしは良いよね。プラスマイナスから見ても取り分は多いでしょ?」

 とは、コヨミの弁。


「でも、ですか? そうですね。でも(・・)、モフるだけの時間は無いでしょう。この大陸の盟主として、アレディアの海上を北東方向に五日から七日ほど風任せに進んだところにある大陸(ナン)ディアーク大陸統一国のティーニア、そこにこれから向かいますから。」

 そう告げた俺の言葉にみな一様にショックを受けていた。


「ダ、ダンジョンの攻略はどうするんですの?」

 プ・リウスの焦った声に苦笑する。


「もちろん、続けるさ。今回は、この大陸の盟主としての表敬訪問だし、それに『()』の問題でもあるからね。その辺クギを刺しに行かないと。結構無茶な事していそうだしね。」

 ちょっと()を強調してみました。


「は? ……海?」

 良く分からなかったのか、嫁さんたちは小首を傾げている。

 戸惑ったワンコみたいでちょっと可愛い。


「フラムンの要請でね、障壁のリング極小サイズを配布しましたところ、なぜか海の守護者に認定されてました……ハイ。」


「はぁ……海の守護者ですか? え? それって泳げるんですの?」

 泳げない皆さんが一斉に俺の方を向いた。


「泳げるというのはどうか分かりませんが、(おぼ)れませんね。」

「溺れない? 溺れないって、どういう事ですの?」

「リウス食いつきがいいな……、ひょっとしておまえ、泳げないのか?」

 他のみんなはそんな事は無さそうなのに、リウスが結構必死。

 スマン、ちょっと笑える。


「泳げませんわ。ネコビト族は先天的に足の付かない水たまりには入りません。リメラだって、何でもない振りしてしっかり聞き耳立てていますわ。」

 リウスの言葉に納得した。が、聞き耳を立てているのはどうもそれだけじゃ無さそうな様子ではある。


「あぁ、種族特性か。ふむ、溺れないって言うのは、まぁ、こういう事だね。」

 そう言って、守護者の眷属のスキルに形態変化を実行させた。これがどういう仕組みで成り立っているのかは分からんが、そういうものらしいからな。


 パチン! と指を鳴らすと、そこには立っているものが居なかった。

 腰から下が魚状態でピチピチと跳ねていました。

 耳の後ろには絵本で見るようなエラがあり、呼吸も出来る様子。


「「「「「「な、何じゃこりゃぁ?」」」」」」

「うん、可愛い人魚たちだね♡」


「「「「「「………くぅ、ハズいけど、嬉しい自分がいる、なぜ?」」」」」」



 数分後にヒト族に戻しましたら、ひどく興奮していました。

「「「「「「あなたって、ヒトは!」」」」」」


 ガン、ゴン、ドカン、ドス、グチャ………。










 ただいま、電話に出られません状態で俺は、転がっていました。

 部屋のすみに。ひどいな、君たち。


「じゃあ、行ってくるわ。」

 じろりと睨まれたが、そのまま、なんでもない風で、立ち上がると嫁たちに告げた。


「海越えていく訳だし、一緒に行くか? ファーストレディーズとして、さ。」

 その誘いに、頷いてくれました。理由はやっぱり、ファースト?


「「「「「「うん、行く!」」」」」」

 にこやかな笑顔の嫁たち推参! ちょっと過激な連中ですが……南無ぅ…orz

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