イヌミミは≠ネコミミ? 続
上書き保存が出来なくて(調子が悪くて、再起動を二回掛けました………orz)
結構、中途半端な位置で途切れてしまい済みませんでした。
「ご覧頂けますか? この小型化したドラゴンのスキルの一部です。」
そういって、コロナ王にだけ招き寄せたドラ吉のスキルを一部開示する。
ブレス、急降下ストンプなどの凶悪なスキルのあとに小型化、竜人化、羽毛現出などのスキルがあった。
「こ、これは……。凄いものだな。このスキルの全てが従魔化した時に出たものなのかね?」
コロナ王の驚きも露わな会話に、レビン王子の気が引かれているのが良く分かる。
だが、この開示ですら王と王の話の中で出来た事なので、レビン王子に対して済まない気持ちの想いはどうしてもあった。
コロナ王に対しての開示もドラ吉だったからこそ出来た事なのだし、仕方ないか……。
でも、いずれは……ね。
それに、何というか俺と同行している魔物にはスキルに特徴が出てしまっている。小型化だったり、人化だったり、彼らが望むものであったりと様々だ。
そして、「守護者」となった三種においては、ほぼ全てを俺と俺の学友たちが従魔化している。コヨミ、リウス、リメラ、アトリ、パロアの五人の嫁のうち、パロアは最初から眷属扱いだったのだが、他の四人にとっては「魔物誑しの弟子」というスキルが「魔物誑し」に変化したほぼ直後くらいに「守護者の眷属」が、派生していた。
他の学友たちには、まだ「守護者の眷属」というスキルの派生がない。
たぶんあのドラゴンステーキさえなかったら、スキルとしてはあっても一つ目が覚醒する事は無かったと思っている。今言っても仕方ないんだけどね。
魔物としても、火モグラたちは別だな。
既に各国に「床暖房」の工事とともにその生息域を広げている。
彼らは、ヒト族との共存にも成功している。
それとは別に、俺の国では週末にバザールでイベントが開催され、従魔になった魔物たちが観光資源化している。
バザールから上がってくる五%の売り上げ税の収益は、タク・トゥルでさえ目を見張るほどの金額になりつつある。
パレットリア新国が専売している魔物のロケットハナ・ビーがもたらすハチミツ関連商品の数々、ダンジョンの中の魔物たちもが経済を活性化していた。
お陰で各国には下にも置かぬ対応を取ってくれるところも増えた。
「普通……、魔物というものには討伐とかが当たり前の事なのだがなぁ。セトラ王の所ではダンジョンの中にも生息しているのだろう? ドラゴンは小っちゃいわ、狼たちも取ってこーいを楽しみにしているという事だし、セトラ王の学友たちもそれぞれが従魔契約しているという話だしな。私の中でも価値観が変わってきているのは確かだな。だからこそ、ゴーレムハウスの購入を決めたのだからな。アレだって魔物という範疇に入る物だしな。」
コロナ王が自らの心の内を吐露する。
「最初はわたしも雪狼だけでしたが、彼らとのスキンシップが「魔物誑し」というスキルになり、ステータスに定着した時には学友全員に「魔物誑しの弟子」というスキルを伝播させていたようです。」
という俺の説明にコロナ王は、納得しつつも先を促してくる。
「最近のわたしのステータスには「魔物誑しの王」となっています……よ。」
それを聞いたコロナ王が唖然とする。
そうなのだ。
指摘されてみて改めてステータスを確認した時のショックたるや、『マジですか?』状態でした。
「「魔物誑しの王」? それは凄いな。」
素直に感嘆している。
「そして、従魔化した魔物の種類が増えた結果として、「守護者」という加護を戴いたのです。加護の詳細は明かせませんが、加護の特典として守護者装備を戴きました。彼女たちにも、その加護の一端が承認されたようですとしか申し上げられません。」
俺の見解としてはこんな所である。
コロナ王もフゥムと唸っていたのだが、そこに飛び込んできた猫が三匹………、えぇーっとネコミミの方々でした。
「セトラ様」「セトラ様」「セトラさん」
くちぐちに、俺の名前を連呼するのは辞めていただきたいところなのですが……ね。
「「「見つけましたわ!」」」
目がキラキラ、まるで大好きなおもちゃに猫パンチをしている猫ちゃんのようにって、猫の気質バリバリですね………orz
あまりの興奮度に気圧されました。
「な、何を見つけられたんです?」
「腕輪の魔力でカチューシャ!」
そう言いながら、リウスとリメラが腕を出してきた。
「いったい全体、何のこっちゃ? 鑑定! ………こ、これは?」
鑑定してみると、いつの間にバージョンアップしたものなのだかね?
なんと、腕輪に空きスロットが増えていました。
魔物誑し専用のチャンネルスロットでした。チャンネルの数は誑した魔物の数によるとか鑑定に出て来ました。
「成るほど、腕輪をカチューシャに……、これは一考の余地ありですね。」
鑑定ではステータスが透けて見えるが、普通に暮らす分にはアリだな、これ。
この時の発見が、また俺をブラックな世界に誘う事になろうとは、思いもしなかった。
その後、この「イヌミミは≠ネコミミ?カチューシャ」は、莫大な売り上げを記録し、一万年後の今も製作されている。