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気象魔法士、ただいま参上 !  作者: 十二支背虎
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138, ダンジョンで、……攻略は、二十二階へ ⑮

 突如鳴り響いたえも言われぬ音色の鐘。

 その白き輝きを増す、旧城は新しい主人を受け入れた事を主張するかのようであった。


「あ、通っちまったか。ミレリーひとまず旧城に上がろうか?」

 サッツシが城に上がってしまった事に呆然とするミレリーを伴って、送転移(ブースタ)を起動した。


「サッツシが王? え? セトっ…きゃあ!」

 いきなり手を掴んだ(エスコート)のは少々問題ありましたか?

 送転移(ブースタ)を発動した俺に、短い悲鳴が上がりました。


「何しているのかなぁ~?」

 という言葉とともに恐怖の魔人(シノブかあ)様、降臨。

 一応、無事にサッツシの元にミレリーを届けたので、あとは野となれ山となれ!……だ。


「いい度胸だね、ン?」

 今更ながら後悔の念が……、…ぎゃーーーーーー。


 ミレリーとサッツシが抱擁(ハグ)して接吻(キス)していた裏では、大惨事が起こっておりました。シノブ母様、少しは手加減してください………ガクッ。






 気絶していたのはそんなに長い間ではなかったはずなのに、気が付いてみると嫁とシノブさんに認定された五名の方々が、目の前にお立ちになっておられました。

 パロアの用件は、ニコニコとした笑顔で俺が装転移(パワスタ)で囲んでいた魔物たちについての報告でしたが。


「皆さん、従魔として契約なさるそうです。」

 パロアよ、いつの間に人語を使えるようになったのだ? とか思っていたら、シノブ母様がピースしていました………orz


「「「「さて、セトラくん(さま)? わたしたちの用件は分かっているよね?」」」」

 妙に大迫力の方々に睨まれていまして、転移を発動する隙が見つからないのですが……。


 ごくり。そう息を呑む事くらいしか出来ません。

 もちろん送転移(ブースタ)ならば、無詠唱でもこの場から抜け出せますが、それをやってしまうと何が起きるか分かりませんので……ハイ。

 最悪、嫁たちが居なくなる。って、これが一番キツい。


「な、何かな?」

 シノブさんの目が光っているのでおいそれとは答えられない。


 コヨミの目が何かを狙う鷹の目のように鋭くなると、おもむろに俺の頭に手を伸ばした。

 ビクッと、竦んだあとに耳が触られている感じがして、妙に力が抜けたのを機に全員が手を伸ばしてきていました。

 やっと自分の中の違和感が判明しました。


 今の俺って~、狼耳と狐系のシッポに天使の羽付けたままでしたー!


「わぁ、ちょっ……ちょっ、やめぇい! う……くぁっ!」











 いろいろと……ありました。


 くすぐり禁止です……おまいら!














 ようやく、社会に復帰した時には耳もシッポも翼も収納済みです。

 も、もう君たちの前では出しません。


 ただ、くすぐられていた間に俺の意識の暴走により、嫁たち五人に対しての意識に変更がありました。無意識に設定してしまい、どうも外せないようです。


 『守護者の眷属』というスキルを与えてしまっていました………。

 しばらく内緒です、というか内緒にしておくしかありません………orz

 それが何を意味するのかはこれからの問題で、要検証です。




 そうこうしているうちに、レディアン皇国の国民たちが新しい王と皇帝の繋がりを……つまりは結婚?でしょうか?を歓迎しているようで、二人に対して歓呼の声を上げ始めていた。


「さて、何を結婚祝いとしようかね?」

 そう、独りごちると周りの連中が何を言っているのかという目を向けていたので、問い掛けると………。


「お前、さっき嫁たちからの提案で、ゴーレムハウスと『床暖房』の設置を頼まれていたはずだぞ?」という複数の仲間たちからの呆れた答えが返ってきていました。


 さっきって、くすぐられていた間ですかい? と考えてヒリュキに目をやると重々しく頷かれた。マジでっ?


「はぁ、仕方ないか。これから『みんな(・・・)』で突貫工事ですね。他の工事中のモノはみんな受注順で、それぞれ出来た順に送られていますから。順番飛ばしでは彼らに使って貰えませんし、実はそれぞれに趣向を凝らしているんですよ、それぞれの国の意向で。じゃあ作り始めますか? ディノ、始めてくれる?」

 そう言って、愕然としたみんなの目の前にディノが必要な資材……特に目の前に膨大な石が積まれていく。配管の穴が開いているものもきちんとある。

 うむ、いい仕事をしている。


「あるじ様、ご注文の品お届け完了です。続いて、微力ながら、工事に参加します。」

 そう言い切ったディノの姿は俺にとって眩しかった。

 それがたとえ、『おやつ』に釣られているのだとしてもね。


「手付けの『おやつ』は、リクエストに応えよう。」

 その仕事に対しての評価である。

 この光景は、他の者たちにとって衝撃のシーンだったようで、わらわらと集まってきて、巨大な石を組み上げては所定の形になるように納めていく。


 その突貫工事の現場には、新しく従魔になった虫たちも参加し、シノブさんや、嫁たちも参加していました。


 それぞれの『おやつポイント』を集めるために。

「こんなはずじゃなかったのに………orz」

 そう、つぶやきながら。
















 でも、出来上がった時は、みんなにきちんと報賞しましたよ、俺。


「ドラゴンステーキで()()めだぁーーー! おやつは各自で選んでいいからね!」

 俺の層庫から、大放出しましたよ、もちろん。








 そのドラゴンステーキで、嫁たちの魔力量が増加した事により、一つ目の眷属スキルが発動可能になってしまったのは大誤算でした。

 コヨミとアトリは狼耳が、リウスとリメラは逆にヒト耳が選択可能になっていました。

「「「「?……!」」」」


 なんという事でしょう?

 ネコ耳のないリウスとリメラに発情し掛かりました。そして、狼耳のコヨミとアトリにも………orz


 成人までの二年間、大丈夫か俺?

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