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気象魔法士、ただいま参上 !  作者: 十二支背虎
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制限解除にゃ!

 ちょっとここで一服ですにゃ。

「それではお前たち揃って……なのか…orz」

 見目麗しい王子であり、二人の父親であるスクーワトルア国第一王子レビン。

 その言葉は確認でもあり、確信でもあった。


「「はい。そうですにゃ(・・)。」」

 二人揃って頷く。先ほどからの受け答えが、『にゃ』語だったからだ。

 ネコ耳族であり、スクーワトルア国の王女として行儀作法を学んでいる二人の受け答えには本来『にゃ』語の使用は制限が掛けられている。


 ただし、本性をさらけ出してもいい相手がいる。

 実の家族とのふれ合いの時と、これから家族になる相手とのふれ合いの時である。

 公然の場所での使用は出来ないように魔法による精神的なブロックが掛けられている。


 彼女たちが望み、そして、相手に受け入れられた場合のみ解除できるその精神的なブロックで、すでに彼女たちはキスをし、キスをされている状態で、そのブロックの解除を果たしていたのであった。


 そのお相手は、エト・セトラ・エドッコォ・パレットリア。

 パレットリア新国の国王である。ヒリュキの親友、ユージュの師匠。と、スクーワトルアにとっても繋がりの大きい王である。

 この上なく、好条件な物件であった。




 何しろ、彼らはガルバドスン魔法学院にヒリュキ、ユージュとともに入学してから、手紙(便り)の一つも無いし、帰っても来ない。

 エドッコォ領領主経由で、いつでも連絡の取れる事が災いしていた。


 もっともレビンとその妻のアクアは、いま新しい命を授かっていたために彼女たちに手厚く出来なかったのだから、ある意味仕方の無い事ではあったのだが。


 嫁にやるとかとなると、まったく話が違ってくる。


 それが自分たちもよく知っている相手であっても、そして、地位的には同格のものであっても、たとえ尊敬するタク・トゥルを重鎮に据えているとしても……だ。



 何しろ相手の状況は………。


「わたしの可愛い娘たちだけで無く、あと三人も居るだと?」

 血の涙を流さんばかりの王子に妻のアクアさえ、つい引いてしまった。

「あなた………。」


「なんと(うらや)ましい……「あなた! なんという事を言うのですにゃ(・・)?」ハッ! す、済まない。アクア……。愛しているのは君だけだ!」

 そこに土下座をかましている王子が一人おりました………、南無南無~。



 プ・リウスとプ・リメラの両名が、自分たちの親である王子レビンに意思を表明したとされるこの出来事ののち、二人は公式の場所においても『にゃ』語の解禁に踏み切った。


 セトラにとってもそれは青天の霹靂のようであったと述懐がある。


 そう、後世の記録に残っている。

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