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気象魔法士、ただいま参上 !  作者: 十二支背虎
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132, ダンジョンで、……攻略は、二十二階へ ⑨

 当然のことながら魔物たちから魔石などを取っている余裕は本来、無い。


 ただ、今までのダンジョン攻略において、いくらでもそんな状況はあった。

 それが、いま活きていた。


 そんじょそこらの魔物の攻撃も、剣や刀の斬撃すら弾くアダマンスライムの二体。

 第三の手を自在に使えるようになった、レイ。

 砂漠ワームや火モグラなどの地中処理部隊。


 それらは、雪狼の氷結や、夢幻狼の透明化のスキルによる攪乱に乗じて行われていた。

 誰も彼もが、『おやつポイント』を必死に稼いでいた。


 本来であれば、前衛職はその領分においての消耗が激しく、後衛は魔法を放つなどに力を注いでいるために、連携を取る事はこういう戦いではなかなか難しいものがあった。

 だが、恐怖を持たない相手との戦いでは連携(それ)が重要なのである。


 そして、前衛と後衛の間にある溝は、戦う者では無い者たちによって埋められていた。

 非戦闘員という者たちの中で年若くもしくは年老いて、戦えない年齢のヒト族。

 その中には妊婦なども含まれるであろう。


 だが、その戦えない彼らには、戦っている者たちへの食事や武器の補充などの微々たる援護こそが最重要の事であると認識して欲しかった。


 だから、『おやつポイント』を声高(こわだか)に示したのだから。



 そして、いまの俺の姿に奮起する者たちが居た。

 竜の守護者と、犬神の守護者としての姿に竜人族と犬耳族の張り切り方はハンパなかったです。


「おい、アレ犬神様だー!」、「ちょっと待って、あの翼って竜神様?」、「ああ、翼が変わった? ああ………。」などなど皇国軍からも冒険者たちからも、そして、城下町の様々な人々が見上げるところに俺が飛んでいる姿は見えていたらしい。

 そんな言葉が漏れ聞こえていた。


 無論、彼らのお目当ては、戦後の『おやつ』なのであろうが。




『風よ、切り裂け! 風刃(ふうじん)!』

 何人もが唱えるこの詠唱だが、祈りの力が込められ、さらにその人数が増えていくとその攻撃力が変化していくモノであった。


 なぜなら、詠唱の中に『神』が存在していたからだ。

 偶然にも『神』を呼んでいた。



 現在の対虫戦線は最前線のシロアリとアリを駆逐し、上空のヤンマ系統をあらかた落としていたのだが、そこに装甲の堅い甲虫類が飛び出し、地上戦力では、マンティス(カマキリ)が前進を続けていた。


 まだまだ、全体の一割を落としたかどうかであった。


『見渡す水鏡よ。光束ねて、敵を撃たん! 水晶球(クリアレンズ)!』

『我が敵を指し示せ! ライト!』

 その詠唱で作られた水晶球に、様々な角度から計算された魔力光が飛び込み、その照準を変え『ソーラー・レイ』を形作っていた。

 苦い経験から作られた魔法ではあったが、あの時の魔法で仲間を守っている今の方が喜びも大きかった。


 時に集束し、時に拡散して、その光の進む先にいる数多(あまた)の敵をぶち抜いていく。魔石が残っているかどうかまでは考えていない攻撃ではあったが今は、その奥にいる最大戦力を残している敵撃破のために大事な事でもあった。


 疲れを見せてきたシュッキンの障壁も、従魔たちが集って障壁に参加する事で従魔たちの障壁の発動により、彼の負担も軽くなっていたが、それでも限界は来る。


「「「「「風盾(フウジュン)!」」」」…シュッキン、ちょっと休んでいろよ。しばらくは俺たちが障壁を()たせる。」

 そう言って、シュッキンと障壁の役割を交代する者たちが居る。そこまでの指示なんて俺はしていない。それぞれが考えた事だった。


 魔物たちの行進は、ようやく中ほど。これからは、厄介な連中が連なっていた。


 どん尻に控えしはの第一弾、キラーアント改良種様、数千匹であった。


 ここへ来て、小雨を降らせた理由が分かって貰えるようになってきていた。

 なぜなら、俺の相転移(イコスタ)も使用していたが、レディアン皇国の門の前に土属性を持つヒト族が総出で落とし穴を掘っていたのである、魔力を回復させながら。


 深さはおよそ二キル。直径は五メル。キラーアント改良種の大きさならギリギリ渡れるかという大きさではあるが、そこはすり鉢状にしてあり雪狼たちが氷結させていた。

 そして、対岸にはアルケニーたちのクモの糸が団子状に用意されていた。


 もちろん万が一を考えての事。


 ただ、敵も()る(猿)モノひっかく(抗う)モノであったのだが、な。

 評価者が増えました。ありがとうございます。

 ブクマも増え続けていて嬉しい限りです。

 最終的にリッチーですが、生活魔法と初級魔法で勝てるんでしょうか?

今から悩んでおきます。

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