予定GUY
俺が目を覚ました時、なんか違和感が有ったのだが夢の中の出来事というか、会話が蘇ってきて色々な策を練っていたために、その違和感とやらをスルーしてしまったのがいけなかったらしい。
黒真珠虫たちの話はヒト族が暮らしていく中では放置できないものであり、彼らにとっては必需品でもあったためにちょっと、システムを考えなくてはならない事に気付いていた。コロコロ出勤の手立ても考えておこう。
パレットリアでの実証実験を経て、各国で動作しているゴーレムハウスとの連携が必要になる。タクラム地方の【砂】が一役買う事が出来るのだ、やらない手は無い。
そんな事をつらつらと考えていた俺は、自分が軽々と持ち上げられた事に動揺してその対処に遅れた。
致命的に遅れた。
「あれぇ、セトラくん居ないよぉ。……ああっ、この子可愛い!」
「ああっ、抱かせて抱かせて!」
「わたしも!」
「ああっ、ずるぅい!」
そうテンションMAXなコヨミの声とともに俺は抱き上げられ、コヨミの腕の中に居た。
軽々と持ち上げられたために、逃げ出す暇も無く、アトリ、リウス、リメラの腕の中へと飛ばされる。
抱き上げられて気づいたのだが、俺は、…………子狼に変身していた。
体色は白い毛で所々に銀が流れていた。シッポはどちらかというと狐みたいな抱き枕に丁度良いような形。手足は短く、とたとたとたという形容がぴったりの歩き方専用のようだった。
「特典を付けてあげよう。」といっていた人物からのものだと気付いた時には、すでに後の祭り。
ステータスに『変身』がありました………orz
「だけどさぁ、黒真珠虫ちゃんが従魔化していたとは思わなかったな。」
「本当ね。あんなおっきな真珠抱えて、あるじ様に……って。」
「むぅー、ドラ吉くんとドラ子ちゃんは分かるけど、なんでセトラくんの従魔になると人化しちゃうのかなぁ?」
お話中のところ、すいませんが、別に全員が人化する訳ではありません、本人の強烈な希望が入らない限りは………です。って、俺は誰に説明しているのだろう?
などとは言いながらも、コヨミの胸に抱かれている状態は、ハッキリ言ってマズいのです。何がとは言いませんが、しかもジルハマンさんとの話し合いの場所では、黒真珠虫たちのコロコロ出勤を実現するために澱みを作るようなそんな場所に行ったり来たりしていましたから、それなりに泥だらけなんです。
このままではヤバい事になりかねません。
止めてくれそうな従魔たちは部屋の隅っこに固まっていました。
何やらひそひそ声が聞こえます。
『犬神様がいらした、お邪魔は出来ない。』とか言っていますから、助けが来る事は望み薄です。
そして恐怖はこれからでした。
誰が先に言い出したのか。
「お風呂に入って来よう? この子、なんか泥だらけだし、わたしたちも汚れちゃったしね。」
「そうだね、この子ってふわふわの体で白いんだもの、汚れ落としてあげようよ。」
そして、同意する人たち。
………マジですかぁ?
「風呂」という単語が出た時点で、従魔たちからの支援はまったく受けられません。
彼らにとっても「風呂」というのは鬼門なんです。
「ギャオン、ギャウギャウ!」
呼べど叫べど、助けは来ないし、変身は解除できないし、どうやるんだ? これ……orz
コヨミの腕をすり抜けようと暴れはするものの、デカいシッポが邪魔になっていてすぐにつかまってしまう。
「ふふふ、逃がさないのだよ。」
リウスの本能に火が付いたようで、逃げる方向を判断しているようで追い詰められていく。
「あ、逃げた。お姉ちゃん、そっち塞いで!」
さすが双子。連携はばっちりです。
焦れば焦るほど、転移の事なんて頭に上りませんでした。
「さぁ、観念しなさい。」
猛烈に抵抗しながらも、四人の女の子を傷つける訳にも行かず、ずりずりと風呂へ引き摺られていきました。BGMが聞こえていました。そう、ドナドナ~ドゥナ~と。
これからは、従魔たちに優しくしてあげようとか想いながら、「風呂」へと連行されていきました。………南無南無……チーン。
コヨミ姉ェ、着やせしていたんですね。見事に育ち始めていました。
アトリは今後に期待でしょうか? でもシノブ母さまはそこそこというか十分な大きさが有るんだから。遺伝的には可能性大でしょう。腰の辺りは引き締まっていました。
対してリウスとリメラは、スレンダーな体つきながら、それなりに大っきかったんですねぇ。体の対比が間違っているんじゃないかと思うくらいに、ついついガン見してしまいました。
え、俺?
俺はもう隅から隅まで洗って貰いまして、真っ白もこもこ状態です。
「キュウゥゥゥゥ」
そういう感想が出るくらいには、ガン見しました。だって、嫁たちですもの。
だが、一つ懸念が。
今夜、寝室で彼女たちを見ても、大丈夫だろうか、俺よ?
言動を一つでも間違えたら……。
徹夜で正座かも……しれません…orz。
百六十六話、終了時の時のレベル、
【名】エト・セトラ・エドッコォ・パレットリア
【職業/サブ】賢者Lv9/気象魔法士LvMaX+α、魔物誑しLvMaX
賢者は魔導士LvMaXの隠れ上級職【ここまで到達する者が居なかったため、設定が無かった。】、LvMaX+αはLvドレイン攻撃を無効化する。
【称号】竜殺し、魔王の友達、国王、国家魔法学院講師、ダンジョン・リーダー、魔物誑し、指揮官、料理人、新工法の発見者、キス魔(笑)、ハーレムのぬし、竜の守護者、犬神の守護者、下克上を覆した者
【HP】2,035,800【守護者特典】
【MP】5,229,959,229【守護者特典】
【STR】1,929【守護者特典】
【VIT】3,099【守護者特典】
【DEX】1,962【守護者特典】
【AGI】1,852【守護者特典】
【INT】5,099【守護者特典】
【LUK】3,500【守護者特典】
【属性】
火MaXにつき源の赤にクラスアップLv4/水MaXにつき源の青にクラスアップLv14/土953/風MaXにつき上位の源の白にクラスアップLv22/光MaXにつき上位の源の白にクラスアップLv2/空間LvMaXにつき、時空間へ、上位変換し、Lv45/闇MaXにつき源の黒・にクラスアップLv4/無MaXにつき上位の源の紫にクラスアップLv7
【スキル9/10】
身体強化95/ダッシュ80/鵜の目48/予知80/状態異常回復75/
時間制御62/障壁制御25/召喚45/変身5
【控えスキル5/10】
お笑い65、キス魔14、竜の翼4、犬神の耳8、犬神のシッポ10
【装備】
竜革の靴/国王の竜革製魔銀防護少年服(上下)/短剣/まきびし数種/指弾/長剣
魔法発動体数種/守護者装備【竜の翼/犬神の耳/犬神のシッポ】
P.S.風呂から帰って来てようやく自分が転移できる事を思い出して、逃げ出しました。