122, ダンジョンで、……攻略は、二十一階へ ④
久々の三連投です。……てへっ。
ダンジョンの扉による査定は、今回は長いようである。
なんといっても途中に国同士の戦い、つまりは戦争があり、その挙げ句に源の黒とか言う訳の分からない物と戦い、パットとヒリュキ、シャイナーに一大事があり、何とか収めたと思ったら、工事の依頼が増えて最初の攻略から一年経ってしまい、二度目の攻略で仲間が増えてしまった。それを精算するのだからな。
『二十階のボスを手なづけた事を確認したでする。十一階から二十階に到るまでの魔物の服従を確認でする。レベル換算にポイントを移行でする。絶滅種無しのため、三〇〇万ポイントを加算するでする。ボス生存換算で各階層ごとにそれぞれ五〇ポイントを加算するでする。十一階のボスは、とび鯛、各階の魔物のポイントを加算するでする、朱雀雲丹、火トカゲ、水竜様、四二,一九五種の薬草たち、ロック鳥、刀狼、角狼、短刀虎、十五階のボスの剣虎、土蜘蛛、アラクネ、コロコロッグ、海星の三連海星、ピーコ、シロ、アカネのロック鳥三羽、アルケニー十四人、機械化亀のゲンブ、クラブのルォー、世界樹のナンノキの母様、風竜の長老ギン様、各属性の竜種数千匹、毛玉の獅子狼、二十階のボス銀狼の長……………、素晴らしすぎて、声も無いでする。………これは我ら、門扉の魔物も従魔になるでする。よろしくでする。ポイント加算するでする。』
最後の最後に扉の魔物が自主的に従魔になりました。
いったい全体、どういう事なんだいっ!
さてさて、二十一階への階段を降りましょうかね?
次はどんなところでしょうか?
階段を降りたところは、何処かの村の門の前だ。
あちらとこちらの障壁が何故か干渉していて、素通りできてしまった。
その俺たちの視線の先に有った光景は………。
何か、どこかで見たような獣人の一族のようで、何とはなしに気になる人たちが居ました。
最近、見たばかりの人たちに酷似しています。
銀色の髪から、ピョコンと出ているケモ耳と服の合わせ目らしいところから出ているシッポが必需品です。
それにしても、小さな子たちが多いですねぇ。この子らの親たちはどこに?
おやおや、お年を召されたかたが来られましたね。
長の代理でしょうか?
えっ? 新しい長が狩りに行っている最中ですか?
それはまた何とも、ですねぇ。
「おぬしら、どこから来た。ここは、いま戦場になっている。おぬしら客人を歓待するだけの余裕は、既に我らには無い。済まないが、早々に出て行かれるが良い。」
そう伝えてきたのは、長の代理を担っている先代の長という事だった。
「戦場ですか? 何と戦っておられるので?」
そう言いながらも、俺は、何かに心惹かれるような形で視線を上げた。
この村の奥に山を削って作ったような神社があり、その結界の中に何処かで見たようなネズミがいた。小さなネズミたちを眷属にした白くてデカいネズミ。鼻まで白かった。
『ヂュ! ヂュヂュウヂュッ!』
想転移が作動しました。
『あるじ殿…………アレって………。』
「………言うな。ゲンブ………orz」
そのネズミを見て崩れ落ちた俺が居ました。
「またか………、セトラ?」
ヒリュキの呆れ顔によって詳細がみんなに伝わり、脱力していました。
どこかの魔王さんは一体何を考えていたのでしょうか?
「何故に、俺の関係者が出てくるんだ………orz」
「もし、アレがお知り合いなのでしたら、早々に止めて頂けると有難いのですが?」
俺たちの脱力具合を見ていた先代の長ローリィが申し訳なさそうに提案してきました。
済みません、いま止めますから………orz
「シロウ、止まれ!」
そう、俺が叫んだ直後、仲間たちが崩れ落ちました。
「「「「「犬かよ?」」」」」
ツッコまれました。
そんななか、先代の長の元に少女が来ていたのですが、ふいに鼻をクンクンさせると爆弾を落としました。
「父さま、お兄ちゃんの匂いがする!」
「む、お前も感じたか。先ほどから、わたしも感じていたのだが、アイツのそれにしては、こう、心浮き立つような匂いだったので気のせいかと、思っておった。」
妙に、生々しい言葉が並びます。
ただ、その言葉にピンと来たのは少女と一緒に来ていた母親でした。
「あなた、犬神様を早く直さなくてはなりません。あの子が帰ってきたらすぐに、家族が増えます。」
そういって、カッタェに歩み寄っていく。
「あなたね。あの子を気に入ってくれてありがとうね。」
歩み寄られたカッタェは、絶句していました。
「ここって、ワッケィンのとこだったの?」と、呟いたままでした。
ご愁傷様です。南無南無。
カッタェが村の人々に歓迎されている中、時空間魔法の召喚に反応が。
途轍もない思いの力が逆流して、反応しているようです。
『ロミィ………、今行くからな!』
「はぁ、………我ら、望む者。彼方より来たれよ、捜転移!」
前回の時と酷似した状況が発生し、召喚が成った。
「お帰り、お兄ちゃん!」
ロミィが飛びついた。
「あら、ワッケィン、遅かったね。」
そう言って微笑む、カッタェが彼の目の前に居ました。
「久し振りだな、ワッケィン。」
先回りだった事に苦笑する、みんなの笑顔が目の前にあった……。
「え? カッタェ。……え? みんな? 何で?」
目の前の出来事に、ついて行けないワッケィンがいた。