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気象魔法士、ただいま参上 !  作者: 十二支背虎
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117, ダンジョンで、……攻略は、二十階へ ④

ピキュピキュ(あんたぁ)ピィピキュピィ(こんな美味いもん)ピキュキュ(子供たちに)ピュピィピィピー(与えていただかぁ)?』

 ロック鳥のピーコの発したドスの利いた声は周囲に金縛りという状態異常を引き起こした。

 ピー助やシロ、アカネはもちろんのこと毛玉たちも、そして障壁のすぐ外で乱入する機会を窺っていたヒト族たちもその声のパワーに当てられていた。


 ぴったりと足がすくんで、動きが止まった。


 平気の平左だったのは、十九階から降りてきた俺とその仲間たち、そして従魔たちも。


ガゥガ(その気持ち)ガウガウ(良く分かる)』『キィキィ(罪なヒトさ)』『グォグォ(美味いよなぁ)グォ(あれ)』『ビービィー(おやつは大事)

 従魔たちに至っては、その気持ち分かるぞといわんばかりに頷いているのが多く、仲間たちの視線は俺に向かっているために、若干凹んだ。




 その時、ふと気配がして俺は障壁の向こうにいる誰かが気になった。


 障壁の向こうの風が煙を一瞬だけど振り払った時に見ただけの、狼のような髪の毛をした男なのだが、その一瞬の邂逅に何故か心がざわついていた。


 獅子狼たちを追い掛けてきたというその一点から推測するとしても、よほど優れた狩人であるらしいことは直ぐに分かった。

 そして、大物の存在を掴んで直ぐに狩りの仲間たちに指示をして、その陣形を整えていた。

 ただ、彼と、その彼の仲間に何かの違いがあることだけしか分からなかった。


 ……ああ、そうだ。彼に続く他の者たちの目には余裕がない。


 彼だけが何故か静かに全ての行く末に気配りをしていた。達観していると言ってもいい。

 この過酷な環境下にあって、何故彼はそう思えるのだろう。何かが気になる。


 彼の何が気になるんだろう?

 顔立ち? そのきつい眼差し? なんとなく何処かで見たようなその………、あれ?


「なぁ、サッツシ、障壁の向こうに居るヤツなんだけど、見たこと無いか?」


 レディアーク大陸を冒険者として踏破した彼【サッツシ・ダクィタ】は、一時期一国の情報関係の重鎮にまで上り詰めていた。パレットリアに関しての部下たちからの情報があまりに破天荒であったために自らが赴き、そして、現在に至る訳だが………。

 彼の情報ソースは、現在の俺たちにとっても無くてはならない比重をもたらしていた。

 その彼に情報を求めることは、対価が本来必要になる。過去には、そうだったのだ。


 少し前の時に竜の長老(ギン)が従魔になった時に多くの竜族が俺たちの前に集い、そして従魔の契約をしたことがある。

 この世界でも竜族を従魔にするということは、男にとってはやはり特別なことで、それは彼も同じ事だった。彼は悩んだ挙げ句、ドラ子の妹を従魔にした。


 それからの彼は、ドラ子の妹のドラ()に振り回されている。

 なぜなら、ドラ那の一番の好みはワームコインだったようで前回、俺が(じか)に渡した時のことを覚えていたらしい。


「気になるのは、アイツか? ………ああっ! ワッケィン!」

 障壁の外をチラ見して、サッツシが声高に叫んだ。

 ………やっぱり知り合いだったか……。だが、………ワッケィン?


 誰だっけと、思い悩む前に周りから声が上がる。

「ワッケィンってマジ? アイツ?」「えーっ、オイッコォ……。どこよ、どこよ?」

「カッタェ、旦那が来たぞぉ! 「風刃(フージン)!」………ぎゃぁぁぁぁぁ。」


 前世ではある意味、言葉の暴力に近いことだったのが、同じファミリーネームで男女を括ること。

 それが高じて夫婦扱いされれば、激怒されても仕方ないよね!

 魔法が使えるこの世界で、ハンパな冗談は身を滅ぼすぞ………、ツォーリゥ。

 とはいえ、風の民だな。カッタェの「風刃(フージン)」をとっさに「風盾(フージュン)」を唱えて致命傷を避けるとは……。

 出会った頃とは段違いに詠唱が省略されているな、みんな。

 やっぱり、これは経験値の違いかね。


「オイッコォか………、まだ、記憶が戻っていないようだが、何かしら感じてもいそうな目をしているな。とはいえ、ジョン、獅子狼(毛玉)たちとはどこまで話が出来ている?」

 何事も無かったように、毛玉たちと話をしているジョンたちに近づく。


 既にピーコとシロ、アカネたちは小鳥化している。それに関しては前回の十四階での契約に基づいている。既に名付け自体は、前世のままで終了だし。

 障壁の外では視覚的な異変にまだ気がついていないようだ。

 ロック鳥の気配はそのまま垂れ流しだからな。


『あるじ様、ロック鳥の変化を目の当たりにしたようでパニクっていましたが、従魔になるということに関して了解は取れました。彼らの巣も近くにあるということでそちらにも向かうということで。』

 また、一族まるまるの従魔登録をしなければならないのか………。

『ワームコインなのは了解済みで良いのか?』

 ジョンに問い掛けたはずだったのだが。

 答えたのは別の声だった。

ガウ(はい)ガゥ(ボス)!』という声が周りで起きていく。

 いいのか? ………ま、いいか! いつもの事だし、な。




















百三十七話、終了時の時のレベル、

【名】エト・セトラ・エドッコォ・パレットリア

【職業/サブ】魔導士Lv99/気象魔法士LvMaX+α、魔物誑しLvMaX

       魔導士は魔法士の上級職、LvMaX+αはLvドレイン攻撃を無効化する。

【称号】竜殺し、魔王の友達、国王、国家魔法学院講師、ダンジョン・リーダー、魔物誑し、指揮官、料理人、新工法の発見者、キス魔new(笑)

【HP】35800

【MP】229,959,229

【STR】929

【VIT】1,099

【DEX】962

【AGI】852

【INT】2,099

【LUK】1,500

【属性】

火734/水MaXにつき源の青にクラスアップLv4/土853/風MaXにつき上位の源の白にクラスアップLv12/光998/空間LvMaXにつき、時空間へ、上位変換し、Lv15/闇780/無895

【スキル7/10】


 身体強化95/ダッシュ80/鵜の目48/予知80/状態異常回復75/

 時間制御62/障壁制御25/


【控えスキル2/10】

 お笑い65、キス魔14new 

【装備】

 竜革の靴/国王の竜革製魔銀防護子供服(上下)/短剣/まきびし数種/指弾/長剣



 追伸、百三十八話にて、【ハーレムのぬし】が称号に出て来た。

 何でだー、まだキスしかしていないぞ?



「うるさいっ、何人にキスしているかー!」

 厳しい追及が……。


「あ……、う~……むぅ。な、内緒………orz」

 そりゃ(とぼ)けますとも!


「死ねや~!」「こ・ろ・す……」

 ドカドカバキバキ…………。

 悩ましい時代の到来ですね。セトラくん頑張って!

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