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気象魔法士、ただいま参上 !  作者: 十二支背虎
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学院長の苦悩②

 彼らが入学してこの方、問題児たちも戻ってきたが、問題も起きるようになっていました。

 それもこれもエト・セトラ・エドッコォ・パレットリアが、全てを連れて来たからなのです。


 そう……、彼はパレットリア新国の王。

 その問題の一つには、彼が行う「床暖房」なる工事。

 学舎(まなびや)として提供しているわたしたちでさえ順番待ちです。ですが、待つ価値はありますよ。ゴーレムハウスの方は既に完備されていますから。既に教授棟として稼働しています。

 

 さらに問題の一つには、彼が補佐する魔法の授業。造詣(ぞうけい)深き彼の魔法への賞賛の数々は教授や講師を凌駕しています。

 いや、講師がその授業を学ぶ側に回る始末なんです。


 そして、最大の問題は学院内のダンジョンを攻略していく手腕とそのスピード。なんと彼らは生活魔法のみで攻略しているのです。

 いや、冗談などではなく、本当だというのが怖いところですが。


 そのダンジョンから産出される魔物や物資、薬草類に至るまでのそれらは多種多彩。

 そして、おびただしい従魔の数々。先頃には、ドラゴンの一族と契約したそうな。


 さらには毎週末に(かれ)の国のパレットリア新国で行われている(チョウ)竜玉(リュウギョク)(サイ)と名付けられたこれは、彼の国のバザールの中での一大イベントになっているんですよ、ほら、いま目の前でこれから始まりますよ。


 広大な平地に石畳を敷き詰められた闘技場がメインの会場、そこに空や大地から次々と現れる竜たちの巨躯は、圧倒的で見る者たちに畏怖を抱かせる。毎回、参加する竜たちは違うということだが、どこで誰がそれを決めているのかは知らないとのこと。


 だが、竜に憧れを持つ者であれば、この一大イベントはもしかしたらの出会いを得る場になる可能性を秘めているのですよ、われわれにも。

 それはさておき、準備が整ったようですね。


 シュッキン・ポゥ殿の虹色の障壁が構築された。

 彼はいまや携帯型の障壁の魔道具の開発者であり、この国の重鎮である。

 彼自身はタクラム・チューの次期皇帝であったはずですが、何故かこの国に居を構えているようです。彼も問題児だったんですがねぇ……。何が彼をここまで変えたんでしょうか?


 この国も、その前身はそのタクラム・チューに征服されたタクラム・ガン国であり、この国の王、彼自身が奴隷王であると公言しているのですが、彼自身がタクラム・ガン国の次期王位継承者であった父を持つため、ある意味復興ではないかとの声もある。

 いずれにせよ、この国自体が奇跡の国なのだということです。


 スクーワトルアの辣腕宰相が居たり、その娘で生ける伝説の魔法士が居たり、アレディア国の王弟が居たり、レディアン皇国の凄腕の冒険者が居たりと何の繋がりで出来ているのかが分からないそんな奇跡の国がパレットリア新国なのである。


 そして、()の国には、ダンジョンが根付いている。


 失礼、話が飛んでしまいましたな。


 シュッキン・ポゥ殿の虹色の障壁が色が変わっていくのが見えるだろうか?

 カウント・ダウンというのだそうな、あれによって竜たちにも我々にもスタートとやらが分かるようになっている。竜たちは緑色で準備を完了させるらしい。


 何を完了させるかって……、見ていれば解りますよ。なんといってもあの姿は………。


「萌えるんですよ、これが!」


 つい、大声を出してしまいましたな、すみません。


 ああ、ほら始まりましたよ!

 竜が…、竜が……ああ!



 ………orz




 し、失礼しました。つ、つい我を忘れてしまって………orz


 こ、このように【彼】が学院に来てから、問題が…は、発生しております。

 今期も我が学院に多くの学院生たちが集ってきています。












 ただし、彼らの一番の目的が………、従魔と触れ合いたいということに変わってきました。これがいまのわたしの最大の悩みです。


 だが………解決策がないのです。











 なぜなら、それはわたしの望みでもあるからです。

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